UFC26 - Ultimate Field of Dreams -2000/6/9(現地時間)米・アイオワ州 シダー・ラピッズ ファイブシーズンズセンター June 9, 2000 in Cedar Rapids, IA
現地速報・井田英登
本来なら今年3月のUFC24で実現していたはずのこのタイトルマッチだが、ケビン・ランデルマンが楽屋裏で転倒失神したため中止となり、今回に繰り越されたという曰くつきの対戦。 1R序盤、タックルで突っ込んだランデルマンがヒーゾをフェンスまで吹き飛ばし、インサイドガードからのパンチを落としていく。腕を封じてガードするヒーゾだが、一本抜くたびにフルスイングでパンチをぶちこんでくるランデルマンに防戦一方となる。 続く2Rはスタンドでの見合いになり、時折強力なローを放つヒーゾの一撃にランデルマンがバランスを崩すシーンも見られるが、単発に終わる。このラウンド以降、両者はスタンドで距離を測りあうが、決定的な攻撃が出せず、単発の打撃を放ちあう単調な展開となる。 お互いの力量を知りあった同士の緊迫のにらみあいも3R続くと観客もフラストレーションが溜り、次第に会場はブーイングが支配するようになる。このまま最終ラウンドも四つに組んだ両者が、脇の刺し合いをで膠着したままで終わった。 試合終了のブザーが鳴ると共に、客席からは飲み物のコップが投げ込まれ、客席は「ブルシット(くそったれ)」の大合唱へ。前々回にはメインイベントが無くても大きな騒ぎにならなかったUFCだが、今回は試合内容への不満で会場を怒号が埋め尽くすという意外な結果に終わった。 初防衛を果たしたランデルマンはベルトを腰に強気のパフォーマンスを見せたが、やはり客席の反応は気になるようで、戸惑い気味の表情は隠せない様子だった。
寝技のスペシャリストとして前評判の高かったドッドだが、身長差のあるロバーツのパンチを顔面に浴びてしまう。また腰の強いロバーツにタックルも不発で、逆に受け止められて潰され、下になってしまう。結局、ドッドは自分の試合が出来ないままで3R押しきられてしまう。
地元出身で、現在2回のタイトル防衛、UFCでは5連勝中という絶好調男ミレティッチの登場で、場内は大割れの大歓迎。初出場のアレッシオに対して、オクタゴンでの殺法はお手の物といったミレティッチ、柵に頭を押し込んでパンチを落としていく。2Rも早々にテイクダウンを奪うと、素早くマウント。パンチを落とすと見せ掛けつつ、もがくアレッシオの勢いを利用してサイドに出て、顔面に座り込むような格好で腕を決めてしまう。
序盤からパンチで攻め込んだビテッチだが、本職はキックボクサーであるアンドレアのカウンターを浴びいきなりダウンを2回喫する。そのままアンドレアの思うがままに柵に押し込まれてしまう。しかし、2R靴をはいたままでハイキックを放ったアンドレアはそのままレフェリーに試合を止められ、反則負けを宣告されてしまう。アンドレアのこの負け方は恐らく前代未聞。
この日、裏メインと言ってもいいこの組合せは、ケージファイトに長じたヒューズが先月のWEF同様、タックルでテイクダウン、ケージに押し込み、首をケージの角で首折り状態にさせ、パンチを落とす戦法アグアを出血に追い込み、そのままドクター・ストップをもぎ取った。
スタンドと寝技のスペシャリスト対戦として話題を撒いたこの一戦だが、素早いタックルでチャンスを作ろうとするホーキと、一切寝技につきあうつもりもないパルヴァーの知恵比べとなる。試合のペースを握ったのはパルヴァーで、タックルを潰して前に落とし、離れ際に1発パンチを放ちすぐ立ってしまう作戦を徹底。この調子で、ホーキが幾ら寝て誘っても、パルヴァーはつきあわず背中を向けて露骨に離れてしまう。こうするとレフェリーが選手を立たせるのが、UFCルール。いわゆる猪木/アリ状態になっても、アリ側が付き合わなければ、そのままスタンドに戻されてしまうのだ。焦れたホーキが立ち技につきあうと、パンチが顔面に飛んでくる。まさに踏んだり蹴ったりで、自分の試合ができなかったホーキ。終始ルールを味方に付けたパルヴァーが判定で勝利を得た。
何故か会場には人気のない伊達男、ショーニーだが、派手な打撃でセラーノを幻惑。投げもみせるなど、オクタゴンで打投極を駆使するスタイルは健在。手数、テイクダウン共に上回ったショーニーが判定勝利。
グラウンドで速い動きを見せたシュローダーだが、2Rサイドを取ったフリーマンがヒザを顔面に浴びせ、タップを奪い取る。