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修斗プロフェッショナル修斗公式戦
12月17日(日)千葉/東京ベイNKホール  主催/サステイン

第3試合 70.0kg契約 5分3R 
× ウェルター級2位
マーシオ・クロマド
(ブラジル/ウゴ・デュアルチ&ペレイラ)
2R 4'51"

膝十字固め
ウェルター級7位
三島☆ド根性ノ助
(格闘サークル・コブラ会)

 クロマドは8.27横浜で初登場。バーリ・トゥードの経験はなく、修斗ルールに合わせ20日間トレーニングしただけだったにも関らず、ウェルター級王者の宇野薫をノゲーラ仕込みのフロントチョークで仕留め、その驚異的な強さを見せ付けた。対する三島も同大会でマーシオ・フェイトーザ(アブダビ・コンバットで宇野に、カナディアン柔術の大会で佐藤ルミナに完封勝ちした選手)に引き分けるも、序盤あっさりテイクダウンを奪うなど善戦してみせた。通常のウェルター級(-69.0kg)とは異なり70.0kg契約ではあるが、宇野×ルミナ再戦後のウェルター級戦線の行方を左右する注目の一番となるだろう。

 三島がいつもの「福岡市ゴジラ」で入場。クロマドも入場し、慧舟會の選手がやるようにマットに寝転ぶ。

 1R、両者間合いを取りステップを踏む。それだけで緊張感が漂う。三島が接近しての右ミドルキックを放つ。差し合いから三島がクロマドをコーナーに押し込み、小内刈りでテイクダウン。柔道をバックボーンに持つ三島はこのテイクダウンが得意だ。だがガードを取ったクロマド相手に油断はできない。宇野を仕留めたフロントチョークが再三三島を脅かす。しかし三島は冷静で、クロマドの腕をつかむなどして凌ぎ切る。三島がクロマドの頭を持ち上げ赤コーナーにもたれさせるような体勢に持ち込み、強烈なパンチを打つがここでゴング。

 2Rもスタンドの間合いからスタートする。しかし1Rよりもこの時間が長く、静かな緊張感が場内を制する。三島はターンしたり低く構えたりすることで新しい展開をうかがう。2分が経過してようやく三島がタックル。ここから一転して目まぐるしい攻防が始まる。クロマドはテイクダウンを奪われると同時にフロントチョークで三島の首を捕らえる。首が抜けらたすぐにアームロックに移行。三島に休ませる隙を与えない。そして三島がサイドに移行し腕を狙うと、クロマドが腕をクラッチしたまま矢野卓見ばりの洗濯ばさみ(伸ばした両足で首を絞める技)を見せ、三島が脱出するとクロマドが上四方からサイドにまわりアームロック、三島は逃れて再度上になりハーフパスガードの体勢。ようやく落ち着いたかと思うとクロマドが下から三島の足を狙う。だが残り15秒で逆に三島がクロマドを膝十字に捕らえる。クロマドはなんとかラウンド終了まで必死で耐えようとするが、くの字になるほど締め上げられさすがにタップアウト。三島の全てのピンチを乗り越えての勝利。それはパワーとテクニック、それらに裏打ちされた冷静な判断力、つまり心技体をすべてを兼ね備えた勝利だった。

 会場は大歓声に包まれる。三島はリングに駆け上がり祝福しようとするセコンド陣をフロントスープレックスでマットに叩き付けるパフォーマンス。さらにコーナーポストからのバック転自爆2連発。勝ってからもお客さんを湧かせることは忘れない。

 この日メインイベントでは宇野薫がウェルター級王座を防衛したものの即返上。そして三島はその宇野に勝ったクロマドから一本勝ち。次期王者決定戦の片方のコーナーに三島が立つことはほぼ間違いないだろう。

※三島選手には小誌から激励賞を贈呈しました


<関連インタビュー>

「三島、宇野王座返上、頂上作戦を語る&アメリカ遠征旅日記」XX No.8 - 12月収録)
クロマド戦の写真も大量掲載!
「三島☆ド根性ノ助、超ヘタレ人生を語る」XX No.6 - 9月収録)

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レポート:井原芳徳  写真:菊地奈々子

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