BoutReview Logo menu shop   Fighting Forum
Report

修斗 プロフェッショナル修斗公式戦
11月12日(日)東京/後楽園ホール
主催/ガッツマン・プロモーション

第10試合 ウェルター級 5分3R 
五味隆典
(木口道場レスリング教室:3位)
判定3-0

30-27,30-27,30-27
ライアン・ボウ
(アメリカ/無所属:9位)
×

 五味はこれまで在籍してきたK'z FACTORYから木口道場レスリング教室へ10月に所属変更。ゴング格闘技12月号のインタビューでK'z時代の先輩・佐藤ルミナを『もう“上”とは思っていない』と挑発し話題を呼んだ。セコンドにはいつものK'z陣営はもちろんいない。入場時の気迫に満ちひきしまった表情は、一匹狼としての自覚を感じさせる。“次期王者挑戦権”を手に入れるためにも、アマチュア時代に勝利したことのあるライアンを一蹴したいところだったが、逆にライアンの膝蹴り一撃に最後まで引きずられる展開となってしまった。

 序盤五味が木口仕込みのタックルでテイクダウン。だがそこにライアンが膝蹴りを合わせたため、早くも五味は鼻血を出し、右目の下を真っ青に腫らしてしまう。ライアンは4月の北沢大会でパレストラの藤原正人も首相撲からの膝蹴りの連打でKO、病院送りにしており、今回もその破壊力を爆発させた。ガード状態のライアンはセコンドのアドバイスどおり、五味の腫らした右目を執拗に殴り続ける。1R残り30秒で五味はようやくマウントを取りパンチを連打。

 2Rもライアンがガードを取りながら五味の右目にパンチ連打。ますます腫れがひどくなる。五味も上からボクシング仕込みのパンチを打つが、敵陣のセコンドに「あと何分?」と尋ねるほど混乱した状態となっている。ライアンは下からアームバーを狙うチャンスがあったが失敗。グラウンドでの打撃合戦のままラウンドは終わる。

 最終ラウンドは両者のスタンドでのパンチラッシュから始まる。五味は視界が定まらないものの勢いは止まらない。インサイドガードからハーフパスに移行し、パンチを落とす。ライアンもしつこく五味の右目を殴る。終了前に五味が渾身の右パンチを連打するが結局打開できず。

 結果はライアンに上を取らせなかった五味の判定勝ち。五味はリングアナにマイクを向けられると「片目でもやれるから。次は殺します」「(ルミナ×宇野のウェルター級タイトル戦について)素晴らしい試合になると思います。そんなもんですね(場内笑)。(自身の挑戦について)もう少し待ってください」とコメント。リングを降りると医務室に直行し、そのまま病院へ。負傷も大きく当初の思惑通りすっきりと勝てなかったが、最後まで気迫は衰えず、一匹狼・五味ここにあり、とファンに十分アピールできただろう。月狼・ルミナへの距離はさらに一歩近づいたと言える。


 一方のライアン。負けはしたものの2試合連続で対戦相手を病院送り。無所属だが横浜ジムを中心にトレーニングを積んでおり、日本語も流ちょうだ。「RJWに行ってもっとレスリングを身に付けないと」と反省していたが、まだ21歳なので、得意の膝蹴りと組技が両立すればと考えると末恐ろしい。タイトル戦を控え、改めてウェルター級の充実を感させられる好試合だった。


ライアン・ボウ コメント
「五味のパンチは…普通だった、効いていないしダメージもない。五味には負けた気がしない。打撃では誰にも負けないよ、自信あるし。練習は横浜ジムのほかにシュートボクシングのシーザー会長のところにも行ってるし、RJWにも週3回行っている。もっとRJWでレスリング練習しなきゃ。なんで日本にいるのかっていうと修斗が一番強いと思ってるから。今後の目標?五味と再戦?誰とやっていいよ。」

結果一覧に戻る
← 前の試合  / 次の試合 →

レポート:井原芳徳  写真:菊地奈々子,石渡知子

TOP | REPORT | NEWS | CALENDAR | REVIEW | BACKNUMBER | STAFF | SHOP | FORUM


Copyright(c) MuscleBrain's All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。