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Report

修斗 2000.8.27 プロフェッショナル修斗
横浜文化体育館 (サステイン主催)

【大会総評】 より頑固に、より険しく  山名尚志

 斗の興行戦略は、もどかしく思える程、慎重だ。
 この2〜3年、聖地「後楽園」での修斗の入りはもの凄い。大げさではなく、チケットがプラチナ化しつつある。普通であれば器を次々に大きくしていくところなのだろうが、修斗は、ベイNKでのVTJ開催を除くと、なかなか大会場への進出を行わなかった。
 ようやっと通常興行を後楽園ホール以上の会場で行うようになったのが昨年。それも、横浜文化体育館を敢えて選んでいる。佐藤ルミナvs宇野薫という黄金カードをメインに据え、つまりは最高のマッチメイクを惜しげなく提供して、それでも横文という、大会場というより「中」規模会場を選択したのだ。

 石橋を叩くかのような興行展開。
 ともすればスキャンダリズムと隣合わせとなる興行の世界において、これは、弱気過ぎると評価されるかもしれない。実際、日本のNHBでは後発となるPRIDEは幾多のドーム大会を開催しているし、コロシアム2000も、ドーム以外見向きもしないという形でスタートしている。
 しかし、この慎重さが、修斗の力強さを生んでいることも、また、確かだ。
 無理な背伸びをしないが故に、修斗の会場は、常に熱気に満ちている。
 「わかっている」観客の比率が保たれ、そうであるが故に、また無用な演出も不要となる。興行の論理に過剰に引きずられない。
 何より、一つの「競技」としての成長を目指す修斗にとって、目先の興行規模拡大よりも、こうした長期的な視点の方が重要なことは言うまでもない。だが、正論は正論として、目先の利益に流されてしまうのが、世の習いだ。
 そこを踏みとどまる頑固さ。
 これがあるからこそ、その場の勢いに流されることのない修斗の足腰の強さ、選手層の拡大や各国へのルール浸透といった成果が生まれ続けているのだろう。

 今回の大会も、修斗は、その競技としての着実な拡がりを見せてくれた。
 内を向けば、関西地区のシューターが世界レベルの実力を発揮し、外を見れば、ルタ・リーブリ勢が、バーリ・トゥーダーとしてではなく、シューターとして、日本のトップクラス相手に実力を見せつけた。
 大会テーマとなった「チャンピオンへの道」。
 内外の選手の充実の中で、その道は、確かに日々険しくなっている。


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レポート:山名尚志  写真:菊地奈々子

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