ウェルカムトゥマイ打撃ワールド。 今回大会のパンフ表紙に、リングスは金原の写真を配し、上の言葉を掲載した。ババルを蹴り潰す。そういう期待を込めてのものであろう。 しかし、開始早々の金原の右ミドルに対し、ババルは鮮烈なストレート。いきなり金原を吹っ飛ばす。打撃=金原の世界という幻想があっというまに破壊されてしまう。 強い。 ダン・ヘンダーソンがオリンピックのために出ていない今のリングスにおいて、実質的なNo1がババルであることは衆目の一致するところであろう。だが、これほどまでババルの強さを目の当たりにしたのは初めての経験だ。 ともかくスタンドでもグラウンドでもババルの圧倒的な優勢が続く。 金原がキックから打撃を組み立てようとしても、ババルが前にでて、重いストレート・パンチの連打を浴びせて潰してしまう。グラウンドでも金原は亀になるしかない。それを様々に崩していくババル。 グラウンドが強いといっても、コロシアム2000で対戦したスペーヒーの強さとは違い、ともかくババルはアグレッシブなのである。一つの攻めに拘ることをしないし、ともかく少しでも極めに近づこうとする。だから、ムーブが続く上に、何時金原が極められてしまうのかという緊張感が常に漂い続ける。 そしてスタンドになることを怖れない。というか、ババルにとってスタンド=金原をパンチで潰すチャンスに他ならない。なんとか局面を打開しようと、金原も、ミドルやハイではなく、ローの連打に切り替える。有効打が2発、3発と入る。 ところが、次の瞬間、ババルがさらに強烈なローでお返しにいく。 ババルという荒波にもまれ続ける金原。なんとか2R15分を耐えきるが、判定は当然のようにワン・サイドでババルのものとなった。
ヴォルク・ハン、久々の登場。 年期の入ったリングス・ファンなら、この登場を、怖れと祈りの入り交じった気持ちで見守っていたことだろう。リングスの英雄、ハン。だが、ハンが光輝いていたときは、リングスがNHBとは一線を画していた、別の言い方をすれば、UWFとまだ地続きであった時代である。 そのハンが今のKOKルールの下でどう闘うのか。 相次ぐ負傷欠場、そして先のロシア大会で滑川に判定での辛勝という情報も、もしやという不安を煽る。かつてのマジックをハンは見せられるのか。前田を何度も倒しては見せた凄みをまたリング上で発揮してくれるのか。 開始早々から、ハンは、そうしたファンの不安を拭いさろうとするかのように積極的にOFFグローブでパンチを打ち込む。いわゆるボクシングスタイルではなく、やや掌底的な打ち方ではあるが、それでもリーチの長さと、ヒンクルがクラウチング気味に構えて左右の視界を狭めてしまっているせいか、意外と有効打を連発し、ヒンクルに打ち勝っていく。 そうしてタックル。 だが、さすがにヒンクルもそう簡単にはあしらわれはせず、タックルを切り、あるいは逆に倒して上にのる。ガードに入るハン。下から隙を狙うが、かつてのような魔術的な動き、相手の手首を楽々とコントロールするようなムーブは見られない。 また不安が首をもたげてくる。 両膝に手をあてるハン。スタミナ切れか。 だが、ハンの魔術はまだ底をついてはいなかった。 コーナーに押し詰められた状態で下から三角狙い。さらに十字に変化。 無理矢理持ち上げてパワーボム状態で投げ捨てるヒンクルだが、ハンは離れない。足が蜘蛛のように絡みつき、遂に肘を伸ばしてしまう。 老雄、ここにあり。 ハンは、未だ、ハンであった。
ヴォルク・ハン、久々の登場。 年期の入ったリングス・ファンなら、この登場を、怖れと祈りの入り交じった気持ちで見守っていたことだろう。リングスの英雄、ハン。だが、ハンが光輝いていたときは、リングスがNHBとは一線を画していた、別の言い方をすれば、UWFとまだ地続きであった時代である。 そのハンが今のKOKルールの下でどう闘うのか。 相次ぐ負傷欠場、そして先のロシア大会で滑川に判定での辛勝という情報も、もしやという不安を煽る。かつてのマジックをハンは見せられるのか。前田を何度も倒しては見せた凄みをまたリング上で発揮してくれるのか。
開始早々から、ハンは、そうしたファンの不安を拭いさろうとするかのように積極的にOFFグローブでパンチを打ち込む。いわゆるボクシングスタイルではなく、やや掌底的な打ち方ではあるが、それでもリーチの長さと、ヒンクルがクラウチング気味に構えて左右の視界を狭めてしまっているせいか、意外と有効打を連発し、ヒンクルに打ち勝っていく。 そうしてタックル。 だが、さすがにヒンクルもそう簡単にはあしらわれはせず、タックルを切り、あるいは逆に倒して上にのる。ガードに入るハン。下から隙を狙うが、かつてのような魔術的な動き、相手の手首を楽々とコントロールするようなムーブは見られない。 また不安が首をもたげてくる。 両膝に手をあてるハン。スタミナ切れか。 だが、ハンの魔術はまだ底をついてはいなかった。 コーナーに押し詰められた状態で下から三角狙い。さらに十字に変化。 無理矢理持ち上げてパワーボム状態で投げ捨てるヒンクルだが、ハンは離れない。足が蜘蛛のように絡みつき、遂に肘を伸ばしてしまう。 老雄、ここにあり。 ハンは、未だ、ハンであった。
グロム・ザザ戦では剛腕を、ボリス・ジュリアスコフ戦では力強いレスリングを見せて快勝したホフマン。今度は、相手を打撃系とみたか、パンチではなく、いきなり突進して倒しにいく。 だが、アリスターがなかなか倒れない。それどころか、タッパと柔軟な体を活かしてホフマンを首相撲に捉え、何度も膝を叩き込む。圧倒的な体格差があるだけに、痩身のアリスターのがんばりに会場がヒートアップする。 ラウンド後半、ようやくテイクダウンに成功しはじめるホフマン。だが、極めの技術が足りない。マウントからの腕十字狙いなどは、あまりに見え見え、且つ、スローモーなので、逆に会場から声が漏れてしまう。これではアリスターを極めることはできない。 このまま判定にもつれこむか・・・と思われた次の瞬間、不用意に近づいたアリスターの側頭部をホフマンの右フックが刈り取っていく。 そのまま倒れ、ぴくりとも動かなくなるアリスター。 ホフマン、戦慄のKO劇である。 ※この第四試合は、当初、カステルvsホフマン戦の予定だったが、カステルが先のオランダ大会で膝を負傷したため、急遽、アリスター・オーフレイムに交代。
グロム・ザザ戦では剛腕を、ボリス・ジュリアスコフ戦では力強いレスリングを見せて快勝したホフマン。今度は、相手を打撃系とみたか、パンチではなく、いきなり突進して倒しにいく。 だが、アリスターがなかなか倒れない。それどころか、タッパと柔軟な体を活かしてホフマンを首相撲に捉え、何度も膝を叩き込む。圧倒的な体格差があるだけに、痩身のアリスターのがんばりに会場がヒートアップする。 ラウンド後半、ようやくテイクダウンに成功しはじめるホフマン。だが、極めの技術が足りない。マウントからの腕十字狙いなどは、あまりに見え見え、且つ、スローモーなので、逆に会場から声が漏れてしまう。これではアリスターを極めることはできない。 このまま判定にもつれこむか・・・と思われた次の瞬間、不用意に近づいたアリスターの側頭部をホフマンの右フックが刈り取っていく。 そのまま倒れ、ぴくりとも動かなくなるアリスター。 ホフマン、戦慄のKO劇である。
※この第四試合は、当初、カステルvsホフマン戦の予定だったが、カステルが先のオランダ大会で膝を負傷したため、急遽、アリスター・オーフレイムに交代。
初出場同士の顔合わせ。ツベトフは柔道およびサンボでブルガリアの国内大会に何度も優勝している選手。一方のトラヴェンは、アリアンシ柔術のトップ選手であり、昨年のアブダビ・コンバット無差別級では、修斗の桜井“マッハ”速人を下している。 試合開始早々、トラヴェンがツベトフをコーナーに押し詰める。ところが、圧倒的なまでに太い下半身をもつツベトフは、トラヴェンを突き倒してしまう。下から足をきかせようとするトラヴェン。ツベトフはその足に戸惑いがちだが、さすが柔道の猛者。ひっかかることなく、体格差も利用して、潰してしまう。 これで警戒したのか、トラヴェンは完全に打撃戦に切り替える。ややクラウンチング気味の姿勢から正統的なパンチとローを繰り出すトラヴェン。ツベトフは、それに対し、張り手をぶんまわし、前蹴りや下段・・・というより足払い的な蹴りを出す。打撃の選手に対してロシアや東欧の大男がつたないながら当たれば痛い張り手をふりまわすという昔懐かしい光景が展開する。さらにツベトフは、ソバットはやるわ、蹴り足を取られると側転して逃げるわ、試合終了間際にはドロップキックまでかましたため、会場は大盛り上がり。筋肉質のサンタクロースみたいなのがくるくる回ったり飛んだりするのだから、もう、もの凄い。 さすがリングス。こんな選手を発掘できるプロモーションは他にはない。 だが、それでも判定は非情。パンチやローをきちんと当てていったトラヴェンが2-0 できっちり勝利をものにした。
いきなりラッシュしてパンチを突き出すコーラー。そのまま後ろにとばされてしまうオーフレイム。だが、コーラーが上に覆い被さった直後、オーフレイムが足首を取り、ボディ・パンチを狙うコーラーをものともせずに、膝十字固めをがっちり極めた。前の試合の消化不良を補って余りあるオーフレイム久々の快勝であった。 ※この第二試合は、当初、坂田vsコーラー戦の予定だったが、坂田が練習中に頭部を負傷したため、急遽、ヴァレンタイン・オーフレイムに交代。
いきなりラッシュしてパンチを突き出すコーラー。そのまま後ろにとばされてしまうオーフレイム。だが、コーラーが上に覆い被さった直後、オーフレイムが足首を取り、ボディ・パンチを狙うコーラーをものともせずに、膝十字固めをがっちり極めた。前の試合の消化不良を補って余りあるオーフレイム久々の快勝であった。
※この第二試合は、当初、坂田vsコーラー戦の予定だったが、坂田が練習中に頭部を負傷したため、急遽、ヴァレンタイン・オーフレイムに交代。
パンチの打ち合いからタックルを仕掛ける上山。それを潰してバックを狙うメネー。この展開を軸に、パンチの打ち合いでも、グラウンドでも優勢に試合を進めていくメネー。だが、上山のディフェンスも厳しく、バックから首を狙うも、極めにはもっていけない。このままメネーの判定勝ちになるかと思われたが、インサイド・ガードからのメネーのパンチが上山の頭をかすめたことによるイエロー・カードの減点(マイナス1点)があったため、結果はドローに終わった。