リングスのKOKトーナメント覇者ダン・ヘンダーソンがついにPRIDE参戦。グレコローマンレスリングの全米選手権を制し、バルセロナ、アトランタオリンピックに出場を果たしたトップレスラーだ。NHBファイターに転向しても98年5月15日のUFCミドル級トーナメントでは同じくPRIDE.12に出場するアラン・ゴエス、カーロス・ニュートンに判定勝ちし優勝。去年から今年にかけて開催されたリングスKOKトーナメントでもギルバート・アイブル、アントニオ・ホドリコ・ノゲイラ、レナート・ババルらを破り優勝と、素晴らしい実績を残している。その後オリンピック出場を目指しレスリングに専念していたが(結果は国内予選落ち)、この度NHBに復活。
迎え撃つヴァンダレイ・シウバもブラジル版UFCと言われるIVCのミドル級チャンピオンで、8月のPRIDE.10ではガイ・メッツァーをKOするなど波に乗っている。世界中の格闘技関係者が注目するミドル級トップ対決がPRIDEで実現する。
両者試合前からにらみを効かす。いきなりシウバがパンチの連打で攻め、ヘンダーソンはたまらず引き込み。膠着の後、猪木アリ状態となりスタンドのシウバがロー。またも膠着となりブレイク。スタンドでのパンチ合戦の後、ヘンダーソンの右アッパーでシウバが左目を出血。ガードとなりヘンダーソンがパンチを連打したところでドクターチェック。シウバのガードから試合再開するが、間もなくスタンドに。
この後またもアクシデント。シウバの連打でヘンダーソンがふらつきロープ際で倒れこむ。すかさず上四方で押さえ込んだシウバが、体の四点(手足)をマットに付けたヘンダーソンに膝蹴りを入れる反則を犯しイエローカードをもらう。
ヘンダーソンは明らかに冴えない顔色に。3分のブレイクが終わり試合再開するが、シウバの打撃にますますヘンダーソンが苦しむ。ガードを取るヘンダーソンにシウバがパンチ。立ち上がってもキックで攻める。インサイドガードになっても腰を上げパンチを連打する。また立ち上がると、今度はガードをまたぐように踏み付ける。これでパスに成功しマウントを取ると、左手でヘンダーソンの顔を押さえ付けながらの右手でパンチを落とす。またまたスタンドに戻り、今度はロープをつかんだままの踏み付け。これにはレフェリーも注意。シウバのラフさが目に付く。
2R序盤は両者パンチ合戦。互いにクリーンヒットを見舞う。ヘンダーソンがタックルするがシウバは切りインサイドガードに。シウバは1R序盤負傷した左目の出血が再発。猪木アリ状態でシウバは左回りのパスガードを狙うが失敗。スタンドに戻りシウバのフックが命中、ヘンダーソンはタックルに失敗しまたも猪木アリ状態。シウバの左ミドルにヘンダーソンがひるんでコーナーに押し込まれる。ヘンダーソンがガードに。膠着が続き、消極的とみなされ両者にイエローカードが出される。シウバは残り注意1で失格となる窮地に。スタンドに戻るがまたもヘンダーソンがガード。シウバはパンチをこつこつ当ててようやくパス。ヘンダーソンは両腕でクラッチするのみで苦しい展開。膠着が続きこのまま試合終了。
シウバは注意2つをもらったものの、終始押し続け判定勝ち。シウバが怖さをまざまざと見せ付けた試合だった。
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