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PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR 99.9.4 仙台市泉総合体育館
第4試合(10分1本勝負)
○ 山田学  vs  韓泰潤 ×
(東京)      (韓国)
0分48秒 腕ひしぎ十字固め

「秒殺世界最短記録樹立ならず」
 
 国・金道場から初参戦となる韓だが、実は誠ジムの興行には参戦経験があり、ネオ・ブラッド・プリトーナメントに参戦した誠ジムの宮崎と対戦して敗れている。その戦積からみてもあきらかな通り、山田の相手としては役者不足。山田は「秒殺の世界最短記録を狙っていた」と言うとおり、最初から勝負を決めに行く。ゴングが鳴り終わらないうちにテイクダウン。しかし、そこからパスガードするのに若干手こずり、腕十字でタップを奪うまでに48秒。世界最短記録樹立はならなかった。

 第1試合の片瀬もそうだが、レベルが低い選手の試合を観客に披露するのは、プロ興行としていかがなものか? ましてパンクラスの仙台興行は団体設立以来初である。いつまでも船木・鈴木を看板に興行を打てとは言わないが、生でパンクラスを見たいと思って会場へ足を運んだ観客は、この試合をもってパンクラスのイメ−ジを決めると言っても過言ではない。どんな地方大会でもおろそかにせず、観客の期待に答えられるだけのマッチメイクを準備するのがプロ団体の務めであろう。

 山田の秒殺宣言は逆にいえば、マッチメイクの弱さを試合内容で補おうとしたプロ意識の現れであるとも解釈できる。

 試合後「今日の自己評価は0点に近い。シミュレーション通りなら、10秒以内に終わっていたはず。自分の思い通りに行かなかった。格闘技人生かけて、世界最短時間を作りたい。ボクシングの試合で4秒というのがあるので、4秒以内。元の自分に戻ってきた感触はつかめたので、今後に期待してください。」と語った山田の意気に答えるだけのマッチメイクをやはり団体側には望みたい。


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レポート:慈村弓太