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キック・ユニオン　"RAVING FIGHT IN THE WALL"
2001年５月２日(水)　東京・渋谷 ON AIR EAST

「瀬尾、元ルンピニーランカーをクラブの大音響の中ノックアウト！」

メインに登場したのはいまやＫ−Ｕの顔とも言えるウェルター級暫定王者(同団体唯一の王者でもある)瀬尾尚弘。その肉体美と全てを叩き潰すようなファイトスタイルは相変わらず。キックは今日が初観戦という観客にも多大なインパクトを与えただろう。

「よく居酒屋やクラブみたいなとこでエキジビションの試合はやってるんです。だからこういうノリは好きですね」という瀬尾。実は対戦相手のビチュヌサックとはデビュー直後にそういう非公式戦で対戦、「首相撲でボロボロにされて負けた」との事だったが、さすがにそれから両者の立場は逆転。腹のだぶついたタイ人をハイキックとパンチの連打であっさりと二度倒し、試合を終わらせた。
公式試合では初めてタイ人越えを果たしたことになる瀬尾だが、本人はあまり気にしていない様子で、「とにかく強い人とやりたい。それだけですよ」。今後はＮＪＫＦを初めとする４団体合同で計画されているウェルター級トーナメントに出場の意志を表明している。

Ｋ−Ｕライト級のホープ、高野洋一がはまっこムエタイジムの新鋭藤牧鷹人と激しい打撃戦の末を展開。判定ながら完勝で無敗のレコードを伸ばした。
高野はシャープなパンチを武器にここまで6戦して6勝5KO。その他に団体から公式戦と認められていないが、３回戦時代にウルフレボリューションのベルファーレ興行で大宮司進(正道会館)と引き分けたキャリアがある。
藤牧鷹人はプロの公式戦こそリングこそ今日が初めてだが、アマチュアシュートボクシング王者に輝き、インディーズのリングでも2 戦(2勝1KO)の実戦経験がある。そこで某団体のタイトルマッチにも出場経験のある現役ランカーをハイキックでＫＯしたこともあるという。
序盤アッパー、フックといった左右のパンチコンビネーションからローを決める高野に対し藤牧はフットワークを使いつつ踏み込んでロー、首相撲からの膝。互いに相手のパンチをスウェーでかわしながらアグレッシヴに打撃の交換、それを見て会場も大きな盛り上がりを見せた。
その後藤牧が会場と高野のプレッシャーに押され次第に後退。高野もスタミナ切れかガードが下がったがそれでも両者手数は衰えず。その中で高野が要所要所でラッシュ。また肘で藤牧の眉間を切裂くなどして確実にポイントを稼ぎ、文句なしの判定勝利を収めた。高野はこれで7戦7勝(5KO)。そろそろ他団体の実力者との対が見たいところだ。本人も王者クラスを希望している。

デビュー以来5連続KO勝ちを誇る脅威のハードパンチャー小野寺亮がはまっこムエタイジムの前田大輔を三度倒しまたも1RKO勝ち。全勝全KOの記録は6まで伸びている。
リングの周りでは観客が踊り、試合中も大音量の音楽が鳴り響く普段と全く違う状況だったが、元パンクロッカーの過去を持つ小野寺は「ノリが違うので違う意味で変にテンションが上がった」と動じる事はなかった。
いつものようにゴングと同時にパンチのラッシュでコーナーに押し込む小野寺だが、前田は定石通り首相撲に捕らえ膝蹴りを連打。しかし小野寺は前回の広川靖之(小国)戦でも同様の展開で苦戦しており、「あれに比べれば、たいしたことはなかった」と落ち着いて対処。かまわずボディにパンチを連打し、焦った前田にパンチの打ち合いを誘う。そしてカウンターで立て続けに右フックを相手の顎に打ち込むと前田はことごとくキャンバスに沈み、小野寺がKO勝ちを決めた。これで小野寺は6戦6勝(6KO)。

第１試合　フェザー級／４回戦
K-Uフェザー級　　　　 K-Uフェザー級
大出義昭(神武館)　対　KAZUYA(JK国際)
勝者：ドロー　判定1-0[40-39,40-40,40-40]