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Report

新日本キックボクシング協会 「ROAD TO MUAY-THAI 2000」
2000年10月28日(土) 東京・後楽園ホール

第11試合 トリプルメインイベント第3試合
日・豪ウェルター級国際戦/5回戦 
ラジャダムナン・スタジアム認定ウェルター級2位,日本ウェルター級王者
武田幸三
(治政館)
1R1分16秒

KO
オーストラリア・ウェルター級
ユージン・エクレブルーム
(オーストラリア)
×

 年1月21日後楽園大会でチャラーダム・シットラトラガーンの持つラジャダムナン・ウェルター級タイトルマッチへの再挑戦が決定し、さらにはその前哨戦となる今年12月のラジャ興行を控えた武田幸三が、オーストラリアからやってきたユージン・エクレブルーンを問題にせず一蹴した。

 試合内容はいたってシンプルだった。序盤ユージンが長いリーチを生かして首相撲に捕らえ、そのままロープに押し込み、肘や膝蹴りを狙う。この時点で彼に対し「それほどパワーはない」と感じ、つまりそれほど怖さはないと判断した武田は、無理に抵抗することなく下がりつつローを入れて様子を伺う。
 そして「膝(蹴りが得意な)の選手のクセにアゴがあがってる」と冷静に観察すると、距離が空いたところで得意の右フックを振るい、その顔面に直撃させる。一瞬棒立ちになったユージンに対し左右のフックを連打で入れ、さらに右を追加するとユージンはあっけなくダウン。多大なダメージを被った彼の様子を見て取ったレフェリーがすぐさまストップを要請。わずか76秒で試合は終了することになった。

 武田にとっては役不足の相手だったのだろう、試合後の彼のコメントは今日の試合のことよりも次に控えた大仕事に対してのものばかりだった。
「明日から(次の試合に備えての)クールダウンに入ります。2〜3日少な目の練習して、それから次の試合の準備をします」
 次の試合、というのは12月のラジャ興行という意味も多少は含まれるだろうが、やはり1月を指しているのは間違いない。
 たとえ12月の試合で強豪タイ人との試合が組まれる可能性が高いとは言え、武田のいるフィールドはその日の試合に勝った負けたで一喜一憂するレベルにはすでにない。

Q.対戦相手は(前回のタイトルマッチと同じ)チャラーダムということで、どんな選手かわからない、という心配はないですね。対策も立てやすい・・・?
「それは確かにそうですけど。つまり相手にとっても同じ、ということですから。工夫していかないと。変えていかないと。それが今後の課題」
Q.それはスタイルは変えるということ?
「まさか。そんな器用じゃないです(笑)」
Q.夏場のタイ修行の成果は?
「首相撲を中心に。脱力してうまく自分が有利なポジションになれるかっていう、最低限の事を」

 1月のタイトルマッチについて武田は「命がけで取りに行く」と言い切った。「これまでやって来た意味がなくなる。自分の一生を決める試合だから」。
 そして「3度目はないです。3度目はない・・・」と呟くように語った。

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レポート:新小田哲  写真:薮本直美

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