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Report

日本キックボクシング連盟 4月22日 後楽園ホール大会
“2000年感動シリーズ”
第9試合 日本バンタム級王座決定戦/5回戦 
× 日本バンタム級1位
尾崎英樹
(ピコイ・錦)
判定3-0

50-48,50-49,50-48
日本バンタム級3位
田村健治
(渡辺)
※田村が新王者に

前王者村上信次(大阪真門)の王座返上を受けて、2月大会で組まれた王座決定トーナメント、その大会で両者はいずれもKOで勝ち上がってきた。
1位の尾崎は同級元王者。1997年11月に川島康人(村越)に敗れ王座を失 って以来巡ってきた奪回のチャンス。2月のトーナメント緒戦では4位の海老沢朋和(平戸)から4度のダウンを奪い圧勝のKO勝ち。強烈なパンチと頑丈なボディの持ち主。

一方の3位田村は1年振りの登場となった2月の一戦で4Rに渡って一方的に首相撲からの膝蹴りを打ち込み続け、最後はハイキックで元王者の川島康人を担架送りにするという衝撃的な復帰戦を披露して見せた。
休養中にはタイ修行に行き、現地で試合もしていたという、パンチ主体の連盟では珍しい首相撲からの膝蹴りを主体にしたスタイリッシュな技巧派タイプ。
まさに王座決定戦にふさわしい両者による一戦だといえそうだ。

1R、グローブを胸の前に構えた攻撃重視のスタイルの両者。尾崎は左手を若干前に突き出し田村との距離を測る。先に動いたのは田村。軽くローを出して様子を伺う尾崎にミドルをヒットさせ先手をとる。
そしてすかさず首をとりそのままロープへ押し込んで固定すると膝蹴りの体勢へ。
当然膝蹴りを警戒する尾崎がブロックするとその体勢のまま肘を尾崎の顔面へ。しかし有効打は与えられず、ブレイク。
その後は大きな動きはなくラウンド終了のゴング。

2Rも先手をとったのは田村。首相撲の体勢になると抜群のクラッチの強さで尾崎を離さない。しかし尾崎も押し返したり、膝を打ち返したり(もともと膝蹴りは尾崎も得意としている)して抵抗。
ブレイク後も田村、尾崎のミドルを掴んで肘を入れるなど隙を見せない。いつのまにか尾崎のグローブが顔の位置まで引き上げられている。
攻勢で試合を進める田村、インターバル中にラウンドガールにちょっかいを出す余裕のパフォーマンス。

3Rは完全に田村のラウンド。首をとると尾崎を振り回して膝蹴りに優位なポジションに持っていく。そして易々と頭部へ膝を入れていく。尾崎は離れて活路を見いだそうとするがすっかり調子にのった田村の前にローの打ち合いでも後退を余儀なくされる。それを追いかけて首をとり、膝、肘を入れる田村。
結局この中盤の攻勢を守った田村がポイント差以上に明確な勝利をものにした。

念願の王者となった田村は
「ずっと自分が最強だと思っていたから3位というランクは屈辱だった。だから自信はあったし、一番強いことをこれで証明と思う」とコメント。

今後については「これからは外に目を向けていきたい。他団体のチャンピオンでもいいし、機会があればタイ人とも」。
一方の尾崎は控え室に入るなり号泣。会長の「よく頑張った。足を使って戦えたのが成長した証拠だよ」と慰めていたのが印象的だった。 これでフェザー級の大塚一也、ライト級の小野瀬邦英と日本キック連盟のチャンピオンは全て渡辺ジムで占められたことになる。まさに恐るべし、だ。
このバンタム最強が集ったトーナメントを制したことで連盟内では敵なしを証明した田村、出来ることなら今日の小野瀬のように外敵と戦って「強さの測定」の機会が訪れる事を祈る。

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レポート:新小田哲 カメラ:薮本直美 

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