全日本キックボクシング連盟 3月16日 後楽園ホール大会 "LEGEND-3" |
第10試合 セミファイナル 日本・ベルギー国際戦69kg契約/5回戦 | |||||||
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Jrミドル〜ウェルタークラスでは間違いなく世界のトップ中のトップであるオワリ。98年にはセンティアンノーイをTKOで破り、日本でも港太郎、吉鷹弘に勝っている。実際ゴングがなって鋭いステップから繰り出すハイキック、パンチからのコンビネーション、そしてバックスピンキックには確かにスピード、威力ともに威圧感が感じられる。
しかし新田もそれらの攻撃をすべてカット。時計回りにサークルしつつオワリの小刻みなリズムを狂わすかのようなゆったりとしたステップ。そしてオワリの攻撃をしっかりガードするとその都度ロー、ミドルを返していく。
2R、新田がミドル連打で圧力をかける。オワリ強力なボディフックからミドルを返す。新田はオワリのパンチにカウンタでローを合わせていくが、逆にオワリがそのローにカウンターの右ストレートを合わせる場面も。
しかしオワリ新田のローに苛立っているのか強引な攻撃が目立つ。無理矢理新田の頭を抱えてヒザ、そしてパンチ。しかし新田慌てずこつこつとロー。
そして3R、もしかしたらこのラウンドがこの試合の山場だったのかも知れない。ラウンド早々にオワリのバックスピン、そしてパンチを出すと新田そこにミドルを合わせる。オワリ明らかに苛立ち、繰り出す攻撃が単発で強引になり、足払いで新田を転がす場面が何回か見られる。ラウンド中盤から後半にかけて新田がミドルからストレートで前進、オワリがロープを背にし、場内大いに盛り上がる。
後半のラウンドもオワリの強力だが単発な攻撃に新田がカウンターを合わせる展開には変化はなかった。5Rになると、オワリがミドルのトリプルなどラッシュをかけるが新田もハイキックで応戦。オワリをロープに詰めロー。
後半はオワリのパンチと新田のローの打ち合いになり、最終ラウンドも終了した。ジャッジは全員1ポイント差という非常に微妙な勝負だったが、二人が新田を支持するスプリット・デシジョンながら新田の勝利が告げられると、場内は大歓声に包まれた。大金星の新田だったが「まだまだですよ」とどこまでも謙遜。「これで自信がついたかっていうとまだ自信はないです。オランダで実績を上げたいです。以前オランダに修行に行ったときに相手にされなかったんで」と意欲を見せる。
唐突な感のあったオワリ戦だったが、絶対不利の予想を覆してきっちり答えを出して見せた。全日本のエースとして、これからも厳しい試合が続くだろうが新田ならやってくれるのでは、そう思わせる一戦だった。
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レポート:新小田哲 写真:薮本直美 |
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