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キックボクシング 2000.2.26 日本キックボクシング連盟 "2000年感動シリーズ" 後楽園ホール
メインイベント 日・APKF交流戦 58kg契約/5回戦 
日本フェザー級1位
佐藤ツヨシ
(ピコイ・錦)
判定0-1
48-49
49-49
49-49
APKF Jrライト級3位
清野浩志
(みなみ)
 今大会から日本キック連盟は従来のNJKFに加え、キック・ユニオン(K−U)、アジア太平洋キック連盟(APKF)の2団体と新たに交流戦を行うことになった。そのメインを飾るのは日本フェザー級のトップコンテンダー佐藤ツヨシと、APKFのホープ清野浩志。ゴング前に両者が顔を突き合わせて睨み合い、いやが上にも場内はヒートアップ。佐藤にとっては交流戦で他団体に勝利することだけでなく小野瀬邦英と大塚一也の二枚看板が不在の大会のメインを締めること、また公式発表こそなかったがこの試合の勝利を条件に6月に大塚一也とのタイトルマッチが組まれることなど重責の大きい一戦だった。

 しかし試合が始まると無名の清野が思わぬ攻勢。身長差を生かしてミドルや前蹴り、サイドキックでうまく距離をとり、佐藤得意の左フックを生かす距離を与えない。逆に佐藤が前に出てくると首相撲に捕らえて間合いを殺してしまう。一発攻撃があたるごとに、また相手の攻撃を受ける度にガッツポーズして自らを鼓舞する清野。

 2Rまで同じ様な展開だったが3R、ボディへのパンチに活路を見出した佐藤がフックを連打。首相撲に捕まえて膝蹴りにいこうとする清野だがそこに佐藤が強引に顔面への左フックを強打。このラウンドは明らかに佐藤が優勢だった。

 しかし4R、気迫に勝る清野が反撃、前蹴りで佐藤を吹っ飛ばすとハイキックで佐藤の頭部をかすめ、膝蹴り、そしてまたハイ。さらにパンチのラッシュをかけると佐藤ずるずると後退。勢いにのる清野はさらにロープに詰めてラッシュ。佐藤ローやフックを返すがその攻撃に力がない。なおも攻める清野だがゴング。

 最終回、両者必死の打ち合い。清野が首相撲から膝、肘を狙えば佐藤もボディへのストレート、顔面へのストレート、アッパーで対抗。両者一歩もひかぬ打撃戦に場内も大きな声援を送る。終了間際佐藤の右ロングでぐらつく清野だがそれでも負けじとパンチを返す。打ち合いの最中に終了のゴングが打ち鳴らされた。

 勝利を確信しガッツポーズを繰り返す清野、うなだれる佐藤と対照的な両者だったが採点の結果は一人が清野を支持したものの規定に達せずドロー。

 客観的には妥当な裁定だと思われたが納得がいかず絶叫する清野、「気迫に押されて相手に合わせてしまった。決着戦が組まれるなら当然やりたい。」と語った佐藤。交流戦が新たなストーリーを生むことになった。

 キック他団体時代に「生き残り」をかけて交流戦拡大に踏み切った日本キックだが、3回戦から熱戦続きでまず第1戦は成功したのではないかと思われる。またラウンドガールやマスコットガールも登場、NJKFとのウェルター級総当りトーナメントに出場する小野瀬のアピールなど、今までになく熱意を感じる日本キック、日本で最も古い歴史を誇るこの団体が、今年はブレイクするかもしれない。


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レポート:新小田哲

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