[修斗] 7.19 後楽園 (速報レポ&写真):阿部兄、王者ノゲイラをノックアウト!
ガッツマン・プロモーション "プロフェッショナル修斗公式戦" 2002年7月19日(金)東京・後楽園ホール
レポート:石動龍 写真:井原芳徳
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第8試合 ライト級 5分3R ×アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター/王者) ○阿部裕幸(日本/AACC/4位) 1R 4'37" KO(左フック)
阿部兄の初のメインイベントは、ライト級不動の王者・ノゲイラを敵に回してのものとなる。今回はノンタイトル戦ながら、もし勝利すれば昨年の勝田哲夫のようにベルトをかけてのリマッチという運びになるだろう。 「僕にとってはタイトルマッチ」と語ったように、阿部にとっては選手生活最大のチャンス。穴の見えない王者に対し、セコンドとしても定評のある阿部はどんな作戦で挑むのか。
試合は静かな立ち上がり。阿部はオーソドックス、ノゲイラは顎を引かない独特の構えからそれぞれ軽快なステップを刻んでいく。両者見合ってなかなか手を出さない。阿部の鋭いローが時折ヒットすると、ノゲイラも重いパンチで反撃。時間が進むに連れ打撃戦は激しさを増す。
攻防は一進一退。緊張感の全く途切れないまま達した1R4分過ぎ、突然フィナーレが訪れた。ノゲイラの大振りのパンチにあわせた阿部の左フックが、ノゲイラの顎を打ち抜く。無敵のチャンピオンはマットに崩れ落ちる。左手が人形のようにブラリとして、目もうつろだ。300人以上詰め掛けた阿部兄弟の大応援団の絶叫の中、10カウントが数えられ、試合はまさかのKO決着で幕を閉じた。しばらく阿部の表情は緊張したままだったが、リング下にいた弟のマサトシ、セコンドの高阪剛と宇野薫に抱きかかえられると、次第に笑顔を見せ、四方のファンに手を振るようになった。
試合後に阿部は「ベルトをかけてもう一度戦いたい」と語った。ノゲイラは試合前日に膝を負傷していたことを明らかにしながらも「阿部とはまた戦う」とそれに応えた。32歳のチャレンジャーは悲願のベルトを巻くことができるだろうか。ノゲイラの回復次第だが、リマッチの場は12月のNKホールが有力視されている。
◆阿部兄のコメント 「今日は作戦通りでしたね。ローからの右はシュートボクシングに出た時から練習してたので。タックルに行く気は全然なかったですね。やっぱりフロントチョークがありますから。ノゲイラが入ってくるところで体を横にずらして、右フックか右ストレートを狙ってました。返しの左が当たったと思うんですけど。打撃を一生懸命練習してきたんでそれを生かしたいなあ、と。 (快挙のわりに冷静ですが?)ベルトかかってないですからね(笑)。みんな僕が勝てると思ってなかったと思うし、僕もまさかKOで勝てるとは(笑)。もちろん倒すつもりで練習してましたけどね。 (タイトルマッチはNK大会になるのでは?)バーリトゥードジャパンの頃からずっと見てて、いつか自分もNKでやりたいなと思ってましたからね。そういう機会があるならやってみたいです」
◆ノゲイラのコメント 「昨日の練習で右膝を痛めた(弟子で第1試合に出場したドウドゥ・ギマラエスが猪木アリ状態で寝転んでいる時、ノゲイラの膝を蹴ってしまい負傷。ノゲイラとドウドゥは控え室でその時の様子を動作で再現してくれていた)。膝をまっすぐに伸ばせない状態で、歩くのも辛い。いつもは5日ぐらい前に来日するけど、今回は2日前に来た。疲れと時差ボケも相まって、昨日は痛くて眠れなかった。(怪我のことを知っていたのは?)我々(ノゲイラとセコンド陣)と修斗のスタッフの一人だけだ。 (今日の作戦は?)普段ならグラウンドでギロチンを狙うけど、膝が痛くてグラウンドができないから、スタンドで戦うしかなかった(ダウンは初めて?)はい。(怪我が無ければ勝てた?)もちろん。(再戦は?)アベは素晴らしかった。次はベルトを賭けて戦いたい。」
第7試合 ライト級 5分3R △勝田哲夫(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY/1位) △井上和浩(日本/インプレス/7位) 判定 0-1(29-29,28-29,29-29)
第6試合 バンタム級 5分3R ×廣野剛康(日本/和術慧舟會) ○久保山 誉(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY) 判定 0-3(29-30,29-30,28-30)
第5試合 ウェルター級 5分2R ○朴 光哲(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY) ×トニコ・ジュニオール(ブラジル/ワールド・ファイト・センター) 1R 4'50" TKO(グラウンドパンチによるレフリーストップ)
第4試合 02年度新人王トーナメント ウェルター級準決勝 5分2R ○川尻達也(日本/総合格闘技TOPS/8位) ×椎木 努(日本/直心会格闘技道場) 1R 4'42" スリーパーホールド
第3試合 02年度新人王トーナメント バンタム級準決勝 5分2R ×生駒純司(日本/直心会格闘技道場) ○阿部マサトシ(日本/AACC) 判定 0-2(18-20,18-20,20-20)
第2試合 フェザー級 5分2R ×高橋大児(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY) ○塩沢正人(日本/和術慧舟會) 判定 0-3(18-20,19-20,19-20)
第1試合 ウェルター級 5分2R △富樫健一郎(日本/パレストラ広島) △ドウドゥ・ギマラエス(ブラジル/ワールド・ファイト・センター) 判定 1-1(20-20,19-20,20-18)
Last Update : 07/21
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