[J-DO] 6.17 渋谷 (レポ&写真):柔道ルーツの新総合格闘技、ついに東京進出
J-DO "第1回東京大会" 2002年6月17日(月) 東京・渋谷ON AIR EAST 観衆:330人(満員)
レポート:井原芳徳(冒頭),BOX-T(試合) 写真:井原芳徳
【→大会前の概要&ルール紹介記事】
▼柔道ベースの総合格闘技・J-DO(ジェイ・ドゥ)がついに東京に進出した。試合場は柔道と同じ畳敷き。寝技は2、3秒ほど膠着するとスタンドに戻るという、柔道式の「待て」の基準がそのまま踏襲されていた。スタンドの攻防は通常の総合に近く、迫力ある投げや打撃の応戦に観客は大いに湧いた。 技術水準ではまだまだ発展途上にあるが、演出面では既存の格闘技系のイベントには無い切り口でいろんな試みがなされており、主催者の「柔道の魅力を多くの人に伝えたい」という意気込みがひしひしと伝わってくる大会だった。 第5試合ではサンボの強豪でクラブファイトやプレミアムチャレンジにも出場している小澤幸康(写真右)が腕ひしぎ十字固めで勝利している。J-DOのメインイベンターの池田篤志の友人である高阪剛も観戦に訪れていた。 第2回東京大会は8月4日にZepp Tokyoにて開催予定だったが、大会運営の組織変革に伴い、10月(予定)に延期となった。(→延期の経緯・次回以降の大会予定についての詳細記事)
第7試合 ヘビー級 3分3R ×金城 旭(総合格闘技) ○池田篤志(J-DO神戸館長/柔道) 2R 1'10" SKO(投げ2回)
金城が大振りのパンチを出すが当たらず、組み合った状態でローキックの打ち合いに。池田(写真右)が大外刈りを決めて一本を取る。途中、金城が薬指を痛めて止まってしまうと、レフリーがダウンを宣告。その後、なんとか劣勢を挽回しようと金城がドロップキックを見せるが、届かずに不発に終わり、池田も飛びつき逆十字を出すが失敗し、1R終了。2R目、池田が内股。大外刈りを豪快に決めSKO勝利。エースの貫禄を見せつけた。
第6試合 ヘビー級 3分3R ○大村裕之(J-DO大阪館長/修斗) ×藤井啓太(柔道) 判定8-1
大村がグレートカブキ張りに水を口から霧噴射させながら登場。序盤にいきなり大外刈りで一本を取ると奇妙なガッツポーズを取ったり、ローを受けるとわざと痛そうに「う〜ん」と唸るなど、コミカルな動きで観客を沸かす。これで藤井は調子を狂わされたのか守勢に。無防備にガブリ寄る大村に、藤井は策もなく真後ろに下がってしまう展開が続く。大村は3Rにも内股で豪快に一本を取り判定勝利。
第5試合 ヘビー級 3分3R ×前河稔尚(柔道) ○小澤幸康(サンボ) 2R 1'23" 腕ひしぎ十字固め
1R目は前河が衿を掴まれたまま左右のフックをヒットさせる等、パンチで優勢に進めるが、小沢もサンボの足関節を試みる。2R目、組み合いから小沢が力ずくで倒し腕十字を冷静に極め一本勝ちを収めた。 胴着着用のJ-DOルールでは色々な格闘技の選手がそれぞれ固有の技を出す事が出来るので、今後も面白い組み合わせを期待したい。
第4試合 ミドル級 3分3R ×辻 貴志(実戦空手) ○酒井太一(キックボクシング) 1R 2'54" SKO(投げ2回)
辻は長身を活かしてヒザを出すが、キックボクサーの酒井は冷静に対処。序盤から相手を掴んだらすぐ投げに入り、2本の投げでポイントを取り、SKOで勝利を奪う。J-DOでは投げでポイントを奪う為には、やはり打撃の高い 技術が要求されるようだ。
第3試合 ミドル級 3分3R ×満村啓司(ブラジリアン柔術) ○西山健太郎(柔道) 判定0-9
1Rに西山がバックドロップのような豪快な裏投げを決め一本を取る。その後、柔道の基本的スタイルを貫こうとする満村に対し、J-DOルールを巧みに利用する西山が、組み合った状態で左の蹴りをボディにヒットさせる。満村は悶絶するようにダウン。その影響か、満村が西山の打撃を怖がっているような素振りを見せ始め、それを振り払うかのように声を出しながらタックルに行くが、うまく行かず。結局、判定で西山が勝利を収めた。
第2試合 ライト級 3分3R ×藤原康平(柔道) ○星野啓太(柔道) 2R 2'08" TKO(パンチ→レフェリーストップ)
藤原は右のロシアンフック、星野はJ-DOならではの相手の奥衿を左手で掴んでの右パンチと、両者ともに得意な攻撃のみを繰り返す展開。1R目には星野は藤原のロシアンフックをかなりもらっていたが、2Rにはブロックし始め、最後は右フックをカウンターで当てTKO勝利。
第1試合 ライト級 3分3R △坂口進持[みちよし](ボクシング) △大室 剛(柔道) 判定6-6
序盤、坂口は得意のボクシングを使おうとするが、胴着を掴まれるのを警戒しすぎてか、あと半歩前に出る事が出来ず、パンチが届かない。そこへ大室が積極的に投げを狙い、足技で倒すがポイントにはならず。 お互いにあと一歩という展開が続いたが、3Rにようやく大室が一本背負いで一本を取る。これで開き直ったか、坂口が右ストレート2 発を顔面にヒットさせダウンを奪う。判定はドロー。まさに柔道VSボクシングの試合となった。
Last Update : 07/24
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