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[修斗] 星野育蒔、日本初の女子公式戦で勝利/2.28 北沢 (レポ&写真)

SHOOTO GIG EAST Vol.8
2002年2月28日(木)東京/北沢タウンホール
主催:パレストラTOKYO

レポート:石動 龍
写真:井原芳徳(1〜6試合)、飯島美奈子(7〜8試合)

【→大会前のカード紹介記事】

第1試合 女子 フェザー級 5分2R
○星野育蒔(日本/米里倶人満(べりーぐっどまん))
×尾上佳子(日本/禅道会)
2R 4'28" TKO ※タオル投入

 国内初の女子プロ修斗公式戦。SMACK GIRL、AXと違って寝技の時間制限が無く、グラウンドでの顔面パンチも認められる修斗ルールに、マア★ティンこと星野と禅道会の尾上が挑む。

 星野はドレッド風の髪形で、いつもに増して気合の入った印象を受ける。試合が始まると星野は13センチの身長差を警戒してか、なかなか打撃を出さない。しかし片足タックルでテイクダウンするとあっという間にパスガード。顔面に躊躇なくパンチを叩き込み尾上を苦しめる。終盤にはマウントを奪いパンチから一気に腕十字へ。腕が伸び、完全に決まったかに見えたが、尾上はポイントをずらして耐えきった。男性よりも女性は関節が柔らかいことも、簡単に腕十字が極まらなかった一因だろう。

 2R前半こそ尾上がバックを取りスリーパーを狙う場面もあったが、あとはほとんど1Rと同様の展開になり、鼻から出血した尾上にドクターチェックが入る。ドクターストップこそならなかったものの尾上は最後まで展開を変えることができず、パンチを受けて出血がひどくなった所でセコンドがタオルを投入。星野がTKO勝ちをおさめ、女子プロ修斗・国内初の勝者となった。

◆星野コメント
「もっと戦いたかったです。まだまだという感じです。練習していることが出せなかったので、今日の試合で失敗したことをまた練習して頑張ります。グラウンドの顔面パンチは初めてだったけど特に違和感はありませんでした。
(ドレッド風のヘアスタイルは?)もうほどきます。練習する時に前髪が邪魔で切ったんですよ、そしたら余計にフワフワして邪魔になって(笑)。もう刈るか、編むかなので編もうと。
 今日は必要以上に右ストレートにびびってしまって中途半端なタックルの入り方になってしまいました。で、バックからスリーパーをくらっちゃって。あれ、危なかったです。スリーパーがまずいというのは知ってて、これはやばいと思ったけどセコンドの声が聞こえたんでうまく対応できた。なんか落ち着いて試合ができました。前みたいにパニックになって“あ、どうしよう、どうしよう”というのがなかったですね。
(今日の満足度は?)62点・・くらい?。もっと練習してまた辻さん(昨年12月のAXで初の黒星を喫した相手)と戦いたいです」

第2試合 ウェルター級 5分2R
△小谷ヒロキ(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
△内村世己(日本/パレストラTOKYO)
判定1-0(20-19,19-19,19-19)

 1R、スタンドでは小谷がカウンターパンチを当て、その後はハーフガードの体勢でこう着状態が続く。2R、内村の蹴り足をつかんだ小谷がテイクダウンを狙うが、内村は耐えて逆にテイクダウンに成功する。インサイドガードになると上下から両者が細かいパンチを打ち合う。下の小谷は次第に鼻血を出すようになる。1Rは小谷、2Rは内村がポイントを取った形でドローに。

第3試合 02年度新人王トーナメント ライト級1回戦 5分2R
×村山英慈(日本/シューティングジム八景)
○小松寛司(日本/格闘サークルコブラ会)
判定 0-3(18-20,18-20,18-20)

 粘り強いタックルで小松がテイクダウンしパンチを落とす。村山も下から仕掛けるものの思い通りに攻めることができない。2Rを通して上をキープした小松が判定勝ちで新人王トーナメント2回戦に駒を進めた。

第4試合 02年度新人王トーナメント ウェルター級1回戦 5分2R
×大内 敬(日本/パレストラTOKYO) 
○尾松 賢(日本/格闘サークルコブラ会)
1R 3'02" TKO ※グラウンドパンチによるレフェリーストップ

 ノーガードでゆっくりと大内に近づく尾松。射程圏内に大内を捉えると鋭い右ストレートを放つ。一瞬ひるんだ大内だが組み付いて半身になると鮮やかなビクトル投げから膝十字へ。さらにヒールホールドに移行してキャッチを奪うが、尾松をタップさせるには至らない。執拗に足関節を狙い続ける大内に対し、尾松は徐々に体勢を立て直し、がら空きの大内の顔面に強烈なパンチを落とす。それでも諦めない大内に対し尾松が激しいラッシュを仕掛けたところでレフェリーが試合をストップ。豪快なTKO勝利で尾松が新人王トーナメント2回戦へ進出を決めた。

第5試合 ブラジリアン柔術スペシャル・エキシビジョンマッチ 5分
−中井祐樹(日本/パレストラTOKYO) 
−三島☆ド根性ノ助(日本/格闘サークルコブラ会)
※エキシビジョンのため勝敗なし

 ABKZの欠場を埋める形でほぼ一年ぶりに第3代ウェルター級王者、中井祐樹がリングに登場。修斗の現役トップ選手である三島との激突はエキシビジョンながら非常に興味深い。中井が日本のブラジリアン柔術のパイオニアらしく鮮やかなスイープを決め、マウントも奪う。しかし三島もジャイアントスイングで中井を回転させるなど、大いに見せ場を作る。二人とも休むことなく5分間動き続け、ゴングが鳴ると会場は拍手の大きな音に包まれた。

第6試合 ブラジリアン柔術アダルト紫帯チャレンジレーヴィ級 7分
×富樫健一郎(日本/パレストラHIROSHIMA) 
○中山巧(日本/パレストラTOKYO) 
判定(ポイント0-2)

 両者同時に引き込もうとするが一瞬早く中山が下になる。上になった富樫はパスガードを狙っていくが中山は足を利かせてそれを許さない。やや膠着するも、中山が立ち上がってタックル気味に富樫を倒し、リバーサルの2ポイントが中山に入る。その後は中山がパスを狙い、富樫がそれを凌ぐ展開が続いて試合終了。青帯の中山が紫帯の富樫から金星を奪った。

第7試合 ブラジリアン柔術 アダルト紫帯レーヴィ級 7分
○鶴屋 浩(日本/パレストラMATSUDO)
×桑原幸一(日本/無所属)
判定(ポイント2-0)

 ゴングとほぼ同時に鶴屋がタックルで突っ込み、テイクダウンの2ポイントを奪う。いきなりリードされた桑原だが下から三角、起き上がってのタックル、さらにはスイープを狙うなど多彩な仕掛けでアグレッシブに攻めていく。しかし鶴屋は絶妙のバランスで桑原のすべての攻撃に耐え切って、そのままタイムアップ。鶴屋が虎の子の2ポイントを守りきり勝利をおさめた。

第8試合 ウェルター級 5分2R
×鈴木洋平(日本/パレストラTOKYO)
○村濱天晴(日本/WILD PHOENIX)
判定0-3(18-20,18-20,18-20)

 村濱が強烈な左ミドルから組み付き、持ち上げて豪快にテイクダウン。サイドポジションをキープし続け、終盤に足を取ってアンクルホールドへ。さらに膝十字に移行して極めを狙う。鈴木はポイントをずらしてなんとか凌ぐ。
 2Rも村濱がタックルで上を取り、ハーフガードの体勢からアームロックを仕掛ける。そのまま細かい攻防が続くが残り1分を切ったところで村濱がマウントを奪取。パンチを落とし、嫌がって背を見せた鈴木にスリーパーを仕掛けたところで試合終了のゴング。
 村濱が嬉しい一年ぶりの勝利を文句なしの内容で飾った。

◆村濱コメント
「最近負けが多かったんで正直ホッとしましたね。練習の変化の成果が出たと思います。膝十字はちょっと無理でしたね、でもアンクルは結構音が出てたんでもうちょっと練習で精度を上げていければ。あとはパンチと僕らしいトリッキーな技が出来ればいいかな、と。
(クラスAが見えたんじゃないかと思うのですが?)いつも見えるだけじゃないですか(笑)、また遠くに行っちゃいますんでねぇ・・。クラスAに上がる前にもう1人倒してからということになると思うんで。まぁ、来る者は拒まず、“いつ、何時、誰の挑戦でも受ける”というのが村浜家のポリシーなんでねぇ。でもできれば中山(巧)君との再戦がいいとは思うんですけどね。
(弟・武洋のK−1での活躍を見ていてどう感じましたか?)凄いっすね、見ていてそれしかないですよ。(須藤)元気君もそうなんですけど凡人の考えなんかを吹き飛ばしてくれましたからね。人間としても格闘家としても尊敬できる人が近くにいるのにこれを吸収しない手はないでしょう」

Last Update : 03/17

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