BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [修斗] 7.15 後楽園:正城、阿部から金星。山下王座陥落

サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦 BACK TO OUR ROOTS 04 supported by Crymson"
2007年7月15日(日) 東京・後楽園ホール
認定:インターナショナル修斗コミッション

  レポート;本庄功志  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ※大会の模様はサムライTVにて7/18(水)22〜24時ほかOA

◆お詫びと訂正
 セミファイナルのBJ×赤木康洋戦の記事で、最後に赤木選手が悔しさを露にしたと記述した箇所がありましたが、正しくはBJ選手でした。訂正すると共に、赤木選手と関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。


 【ONLINE SHOP】外薗・中蔵を王者にした『吉鷹理論』を映像で学ぶ。DVD「吉鷹 弘 総合格闘技完全打撃マニュアル」
 
 

第9試合 メインイベント 修斗世界ライトヘビー級チャンピオンシップ 5分3R
×山下志功(パラエストラ札幌/王者)
○シアー・バハドゥルザダ(アフガニスタン/ゴールデン・グローリー・タツジンドージョー/世界1位・欧州1位)
判定0-3 (横山26-30/菅野26-30/鈴木26-30)

※1R、右フックで山下に1ダウン
※バハドゥルザダが第5代王者に

 山下はバハドゥルザダの右フックで早々にダウンを喫してしまう。バハドゥルザダの右は強力で、一発放つ度に会場からどよめきが起こる。その後山下はパンチで左目下をカットしてしまい、1Rから下降線を辿る。
 2Rから山下は相手のパンチを見切り始めたものの、攻めの糸口を掴むことができない。再三のタックルも、パンチからのフェイントのワンパターンで一回もテイクダウンを奪えず。山下は引き込みでグラウンドに誘うが、目立った仕掛けができず逆にパウンドをもらいゴングを待った。

 結局山下はローを数発当てた程度でアグレッシブさに欠け完敗。王座陥落した山下は、今後世界ランカーとして戦っていく。今回の試合を見る限り、山下の今後を想像することはとても難しい。

◆バハドゥルザダ「自分のために生まれてきたようなベルト。相手にテイクダウンされるとは思わなかった。ボクシングをするという作戦が成功した。(ダウンを奪った手応えは?)強く覚えている。(テイクダウンの恐れはあった?)全くなかった。この試合に負けることすら想像していなかった。プランがAとB二つあったが、次に行くまでもなかった。(今後の予定は?)なるべく長い間王者でいたい。あと、母国のアフガニスタンでこの試合が放送される。将来は生放送されるぐらいになりたい」

第8試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
○BJ(勝村道場/世界王者)
×赤木康洋(ALIVE/世界6位)
3R 3'36" TKO (レフェリーストップ:右耳の裂傷および大量出血)


 BJはタックルでテイクダウンを先取。だが、赤木のフロントチョークに捕まり、体を入れ替えられ下のポジションに。BJは冷静に凌ぐと、スタンドに戻りパンチで赤木を後退させる。
 2R、いきなり足を止めての打ち合いを演じる両者。BJがパンチヒットを多く重ねるも、赤木にテイクダウンを取られる。ハーフのポジッションを奪った赤木は、苦しい顔を見せるもパウンドを落とし続ける。セコンドの弟・敏倫は「お前スタミナないんだから、気持ちだ!」とはっぱをかける。
 3Rに相手の投げを入れ替え上になったBJ。バックを奪い、側頭部にコツコツパンチを当てながら、スリーパーを狙う。ここでパンチの影響で赤木の耳が裂け、大量の出血。結局レフェリーストップになり、不本意ながらもBJが勝利した。BJは「なんでだよ!もうちょっとじゃねえかよ!」と悔しさを露にした。

◆BJ「王者としては情けない。言い訳できないです。でも、試合はすげー楽しかったですね。思ってた以上に相手がアグレッシブでした。王者と戦うという事で、すごい攻略してきた感じです。根性が自分の方が少しあったという感じですね。(試合途中の)バックの展開が得意だったので生かしたかったです。(レフェリーストップに関しては)個人的な意見としては、すげー悔しいと思う。でもレフェリーは最良の判断をしてくれたと思うので、しょうがないですね。(ノンタイトルで下のランカーを下したが?)すごいプレッシャーでしたね。直前でフェザー級タイトルマッチがなくなったり、阿部(マサトシ)さんが負けたりとあって。」

第7試合 ウェルター級 5分3R
○中蔵隆志(シューティングジム大阪/環太平洋王者・世界2位)
×ヤニ・ラックス(スウェーデン/チーム・スカンジナビア/欧州王者・世界6位)
1R 2'54" 一本 (ヒールホールド)

※1R、中蔵に膝蹴りで1ダウン

 試合序盤のスタンドの攻防で右ストレートを被弾した中蔵。だが、頬を若干赤く染めた程度で、打たれ強さを披露する。しかし、その後組み合うと首相撲からラックスのヒザをもろにくらい崩れるようにダウン。起き上がるのに少々時間がかかり、かなり効いている様子だ。試合が再開され、ラックスの追撃が始まる。中蔵万事休すか?と思われたが、追撃を耐え一本背負いからテイクダウンを奪うと、ヒールホールドを極め勝利をもぎ取った。

第6試合 68kg契約 5分3R
○リオン武(シューティングジム横浜/世界ライト級3位・環太平洋ライト級2位)
×マーク・ドゥンカン(オランダ/タツジンドージョー・チーム・ドゥンカン/欧州ウェルター級3位)
1R 3'16" 一本 (スリーパーホールド)

※1R、右ストレートでドゥンカンに1ダウン

 試合序盤、リオンはドゥンカンの打点の高いヒザにヒヤリとする。だが、離れて距離を作ると、カウンターの右ストレートを降り抜きダウンを先取。その後テイクダウンで上になったリオンが、得意のパウンドを放つ。ここ最近の試合では、パウンドを放つ場面があまり見られなかった為、「これがリオンだ」という久々の姿に会場は沸く。その後パスしてマウント、バックと進めるとスリーパーを極め一階級上の選手を料理した。
 前回の王座陥落から、2ヶ月余りでの仕切り直しを行ったリオン。「2週間前の急なオファーだったが、オファーが来たときが試合をする時」と考えたといい、プロ意識を強く覗かせた。今後の予定については「夏は充電して、秋から環太平洋のベルトを狙う」と宣言。まずは、世界王者・田村が返上し空位になった地区ベルトから。リオンの第二のベルトロードが始まった。

◆リオン「最初のヒザは効いていませんでしたが、(一階級上の選手だけに)力が強いなと思いました。パウンドは得意なんですが、マウントパンチが一番の得意技なのでそれでKOしたかったです。(相手の印象は?)体の力が強いなという印象です。組み技は事前にビデオで見て粗いと思いました」

第5試合 フェザー級 5分3R
△水垣偉弥(シューティングジム八景/世界7位・環太平洋5位・05年新人王)
△上田将勝(パラエストラ東京/環太平洋7位・06年新人王)
判定0-1 (横山28-29/菅野29-29/鈴木29-29)


 上田がタックルでグラウンドに誘うも、水垣は断固として拒否。水垣はワンツー止まりだが、スタンド打撃で上田を攻める。1R終盤に上田がバックを奪うも決定的な場面はない。
 2R、上田がテイクダウンを取り、マウント、バックからスリーパーとグラウンドを支配。だが、スタンドでは水垣のローをたびたびもらってしまう。最終ラウンドも打撃で行きたい水垣、グラウンドに引き込みたい上田の思考が噛み合わずドローに終わった。

第4試合 バンタム級 5分3R
×阿部マサトシ(AACC/世界1位)
○正城ユウキ(X-ONEジム湘南/世界10位)
2R 3'33" 一本 (フロントスリーパーホールド)


 阿部にとってこの試合は、王者BJに挑戦するための最後の試練。“試練”と言っても、世界ランク1位の阿部に対し、今回の対戦相手の正城(しょうじょう)はクラスA初戦、世界ランク10位で、格下と言ってもいい。前回の反則勝ちの試合の嫌な流れを払拭して、スッキリと王座に挑みたい阿部だったが、王座挑戦“王手”寸前で、“参った”をしてしまう大波乱に。
 1Rから阿部がテイクダウンを奪われ、コツコツとパウンドをもらってしまう。ポジションを返したい阿部だが、ロープ際で場所が悪い。時折強烈な一発も被弾し、会場は正城を大きく煽る。
 2R、序盤に阿部が正城のローブローをもらい試合がストップ。その後、両者足を止めての打ち合いで、正城の腰が一瞬落ちる。そこから、タックルを切った阿部がフロントチョークの体勢に入るも不発。
 1R同様、正城のパウンドをもらってしまう阿部。だが、腕を相手の足に潜らせて足関節、リバーサルと仕掛けるも逆にフロントチョークに捕まりピンチ。一回は外すも、正城が再び仕切りなおしてガッチリと極めると阿部はタップするしかなかった。
 番狂わせを起こした正城は雄叫びを上げて喜びを爆発。会場も「まさか」という雰囲気と「やりやがった」という歓喜の声援で、この日一番の盛り上がりを見せた。
 世界1位の阿部に勝利した正城は、一気に王座を射程圏内に捉えた。今回の大会では、不完全燃焼に終わったバンタム級王者BJ。対照的に、一本勝ちで一気に世界トップランカーに躍り出た正城。バンタム級に大きな動きが生まれ、俄然熱気を帯びてきた。

第3試合 ライト級 5分2R
×中尾享太郎(シューティングジム横浜)
○山田啓介(roots)
判定0-3 (19-20/18-20/18-20)

第2試合 ライト級[新人王決定トーナメント準決勝] 5分2R
○谷口智則(マッハ道場)
×直撃我聞(PUREBRED大宮)
1R 3'53" TKO (レフェリーストップ:右眼窩底骨折の疑い)

第1試合 フライ級 5分2R
×豊島孝尚(総合格闘技道場STF)
○猿丸ジュンジ(シューティングジム横浜)※伊藤淳二より改名
1R 0'53" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

Last Update : 07/23 11:20

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | STAFF

Copyright(c) 1997-2007 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。