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(レポ) [Dynamite!!] 6.2 ロス:ホイス、勝ちに徹し桜庭にリベンジ

FEG "SoftBank presents Dynamite!! USA in association with ProElite"
2007年6月2日(土) 米国カリフォルニア州・ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム

  レポート:井原芳徳  参考情報源:Dynamite!! USA公式サイト 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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※全試合HERO'Sルール


第10試合 メインイベント 5分3R
○ブロック・レスナー(アメリカ/ミネソタ・マーシャルアーツ・アカデミー/117.9kg)
×キム・ミンス(韓国/リングス・コリア/114.8kg)
1R 1'09" タップアウト (グラウンドパンチ)

※チェ・ホンマンはカリフォルニア州アスレチックコミッションから脳の腫瘍によりドクターストップがかかり欠場。キムに変更。5Rから3Rに変更

 ローキックを放ったミンスに対し、レスナーはタックルで組み付き上に。ミンスは下から抱きつき防戦一方。レスナーはハーフからマウントにすんなりと移行すると、抱きつくミンスに重い左右のパンチを叩き込み、タップを奪った。


第9試合 セミファイナル 5分3R
×桜庭和志(日本/フリー/84.2kg)
○ホイス・グレイシー(ブラジル/ホイス・グレイシー柔術/84.6kg)
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)

※5Rから3Rに変更

 試合は長い膠着状態が続き、結果的にホイスがリベンジを果たした。だが、ホイス本人も「ルールに従って、そして勝った」「1Rずつ計算して闘った」と話したように、泥臭く勝ちに徹した印象の強い試合だった。7年前の黒星が、それだけ重くホイスにのしかかっていたことの裏返しともいえよう。

 前回対戦時同様、ストロングマシーンのマスクをかぶって入場した桜庭。セコンドにシュートボクセのフジマール・フェデリコ会長がついたことが大きな違いだ。ホイス陣営の下では93歳のエリオ・グレイシーが静かに試合を見守る。

 開始すぐ、組み付いてきたホイスに桜庭が右のショートフックを当てると、ホイスはダメージを誤摩化すようにガードポジションへ。下からの蹴り上げで桜庭を突き放すと、猪木アリ状態での細かい蹴りの打ち合いが続くが、マリオ・ヤマサキ・レフェリーはいっこうにブレイクしない。7年前の1R15分の試合の時ならともかく、今の1R5分の試合では異例の対処だ。
 2分以上この状態が続き、ようやく桜庭がトップポジションに戻るとパウンド。バックを取りかけた状態でアームロックの体勢となり、そのままスタンドに戻りロープの外に顔を出す。前回の対戦を再現が見られるが、ホイスが振りほどくと1R終了のゴングが鳴る。

 2R、ホイスは離れても組み付いても桜庭のサポーターをつけた右膝に細かい蹴りを集中。ホイスが押し込んだ状態で、桜庭は最下段のロープを踏んでいるが、レフェリーは何も言わない。長い膠着の末、ようやくブレイクがかかると、桜庭はシュートボクセ仕込みの首相撲からの膝蹴りを2連発。そのままコーナーに押し込むが、ブレイクがかからないままラウンドが終了する。

 3R、ホイスのタックルを潰して桜庭が上になると、ホイスは下からアームロックを仕掛ける。だが桜庭は防御しながらバックに回ると、1R同様スタンド状態でのアームロックへ。桜庭は何かつぶやきながら極めに持ち込もうとしているが、なかなか極まらず。外したホイスは背後から桜庭の頭にパンチを連打する。ここでも膠着状態が続き、残り40秒でようやくブレイクがかかると、桜庭は再びアームロックを狙いに行くが終了のゴング。

 カリフォルニア州アスレチックコミッション派遣のジャッジは3者ともホイスを評価し、ホイスの勝利に。アメリカではUFCでも全ラウンドどちらかの選手にポイントをつけることが通例となっており、サブミッション狙いの桜庭より、細かい蹴りの手数でホイスを評価したようだ。
 とはいえアメリカの数多くの大会をリアルタイムで速報しているシャードッグの記事は、2Rをホイスにつけたものの、1・3Rは桜庭を評価し、桜庭の勝ちと採点している。主催者のFEGの谷川貞治代表は「桜庭選手は負けていないと思います。ジャッジがあることですけど、ドローでもよかったなと」と評した。
 また、試合前に顔面のカット防止のため、アスレチックコミッションのスタッフが顔にワセリンを塗ることがアメリカでは通例だが、桜庭は「腕を取れるタイミングでワセリンと汗で滑ってしまいました」とコメント。とはいえ「取れない自分が悪かったです」と反省し、ルールのせいにする気持ちは無かった。


第8試合 5分3R
×ブラッド・ピケット(イギリス/エリート・ファイティングシステム/69.3kg)
○所 英男(日本/チーム・ゼスト/68.9kg)
1R 2'41" 腕ひしぎ十字固め


 所が下からの腕十字やヒールホールドを仕掛けるが、ピケットは対応し脱出。スタンドでは右のパンチを当てる。だが所は、ヒールを防いでサイドを奪ったピケットに対し、下から速攻で腕十字を極め、見事一本。素早い動きでロスの観客を魅了した。


第7試合 5分3R
×メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム/86.4kg)
○ユン・ドンシク(韓国/フリー/85.5kg)
2R 1'17" 腕ひしぎ十字固め


 開始すぐ、マヌーフの左フックでダウン気味に倒れ、右目を塞がれたドンシクだが、パウンドラッシュを耐えて脱出。スタンドでパンチを当て返し、マヌーフの右ハイをかわすと、大量に来場した在米コリアンから大喝采を浴びる。
 その後、グラウンドに引き込むと、下から腕狙い。再びスタンドに戻った後、テイクダウンを奪うと、サイドからマウントへ。マヌーフがブリッジで逃れようとすると、カウンターで腕十字を狙い、グラウンドで主導権を握る。
 2R、開始早々の飛び膝を浴びてしまったドンシク。右目は眼窩底骨折でドクターストップがかかっても不思議ではないぐらい、腫れが激しくなり痛々しいが、気力と体力は十分だ。差し合いから上になると、マウント、バックと優位なポジションを次々と取り、最後は相手を仰向けにして腕十字を極めた。
 総合に適応した寝技をかなり習得したドンシク。HERO'Sでようやく素質を開花させそうだ。


第6試合 5分3R
○マイティ・モー(アメリカ/フリー/131.4kg)
×ウォーパス[Ruben "Warpath" Villareal](アメリカ/ノーリミッツ/121.5kg)
1R 1'33" TKO (レフェリーストップ:左ストレート→グラウンドパンチ)

※チェ・ムベ欠場でウォーパスに変更

 差し合いの攻防の後、ウォーパスのローキックをもらったモーだが、パンチの連打で左フックをヒット。ダウンしたウォーパスの背後に回り、冷静にアゴにパンチをねじ込み、ウォーパスの戦意を奪った。


第5試合 5分3R
×ジョニー・モートン(アメリカ/フリー/95.9kg)
○ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー/93.2kg)
1R 0'38" KO (右フック)


 ゴングが鳴るとモートンはパンチのラッシュで突進し、タックルで倒そうとするが、アメフトの動作が抜けきらず、アッカを倒す事ができない。パンチが交錯した後、モートンが右フックで飛び込んで来ると、ガラ空きになったアゴにアッカがカウンターの右フックを叩き込みKO。モートンは首を固定され、担架で運ばれた。


第4試合 ProElite & SHOWTIME提供試合 5分3R
○ジェイク・シールズ(アメリカ/シーザー・グレイシー柔術/76.5kg)
×イド・パリエンテ(イスラエル/75.6kg)
1R 2'06" チョークスリーパー



第3試合 ProElite & SHOWTIME提供試合 5分3R
×ティム・パーシー[Tim Persey](アメリカ/ノーリミッツ/119.3kg)
○ジョナサン・ウィゾレック(アメリカ/バルドスタ・マーシャルアーツ・アカデミー/119.3kg)
2R 0'50" TKO (レフェリーストップ:バックマウントからのパンチ)

※アントニオ・“ペザオン”・シウバ欠場でパーシーに変更


第2試合 5分3R
×アイザイア・ヒル[Isaiah Hill](アメリカ/70.2kg)
○永田克彦(日本/新日本プロレス/70.2kg)
判定1-2 (29-28/28-29/27-30)

※ハビエル・バスケス欠場でヒルに変更

 開始すぐ、ヒルの飛び膝で永田は鼻血。変形の三角絞めやギロチンでピンチもあったが、再三テイクダウンを奪い、サイドポジションを奪ったことが評価され、辛うじて勝利をもぎ取ることに成功した。


第1試合 5分3R
○J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/HERO'Sミドル級トーナメント'06優勝/72.0kg)
×ナム・ファン(アメリカ/エイペックス柔術 / Ma Du/69.8kg)
1R 0'26" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 パンチで突進してきたナムを、カルバンは脇を差して抱え上げて倒すと、腰を浮かした状態からパウンドを連打。これがクリーンヒットし、ナムの頭がのけぞったのを見たレフェリーがストップした。

Last Update : 06/05 12:24

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