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(レポ&写真) [修斗] 11.10 後楽園:不死身夜×戸井田はドロー

サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦 supported by Crymson"
2006年11月10日(金) 東京・後楽園ホール
認定:インターナショナル修斗コミッション

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第9試合 メインイベント 修斗ライト級環太平洋王座決定戦 5分3R
△不死身夜天慶[ふじみや・てんけい](シューティングジム横浜/環太平洋2位・世界4位)
△戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場/環太平洋3位・世界3位)
判定1-0 (菅野29-29/横山29-29/鈴木29-28)

※王座は空位のまま

 典型的なストライカー vs. グラップラー対決。寝技に持ち込みたいトイカツは、腰を低くかがめたり、両手を広げて前に出したりしてプレッシャー。しつこくタックルを繰り返し、何度か上になるものの、不死身夜はすぐスタンドに戻す。
 リング上は完全にトイカツワールド。不死身夜はタックルを警戒し過ぎ、得意の打撃がなかなか出せない。逆にトイカツが、打撃を使わないフリをして、不意打ちでパンチを当てる場面も。
 とはいえ2R中盤からは不死身夜のパンチが当たりだし、ラウンド終了間際には飛び膝蹴りがトイカツの顔面をかすめる。トイカツはゴングに救われる形に。この攻撃のおかげで不死身夜は2R目のポイントを取ったか?

 3R序盤、トイカツは不意打ちのワンツーパンチ。そしてセコンドの廣野が「相手、打撃の頭になってきてるよ」と声をかけると、タックルであっさりとテイクダウンに成功する。こうなるとトイカツのペース。なかなかパスガードはできないものの、ハーフガードからプレッシャーをかけ続ける。何度か不死身夜が突き放すが、トイカツは磁石のように不死身夜に再びくっつき、上をキープする。残り1分にはギロチン。極まりは浅かったものの、このラウンドのポイントを確実に奪取した。
 判定結果はドロー。場内は3Rの印象からか、トイカツ勝利といったムードが強かったが、2Rまでの失点が響いたようだ。結局ルミナの手放した王座は空位のままとなった。なお、不死身夜の無敗記録は8に伸びている。

◆トイカツ「試合を動かしたのは僕だと思うけど、相手は防御がうまかった。(2R最後の不死身夜の膝蹴りは?)かすったぐらいだったけど、あれでポイントを取られたのかもしれない。僕の採点は3Rは僕が取って、1・2Rはドローだった。(王者は空位のままだが、再戦は?)お互い試合終わった後、『やりたくない』と言いました(苦笑)。やらなきゃいけなくなったらやるけどね」

◆不死身夜「1Rは僕が取ったと思ったけど、3Rにやられた。(相手の独特のスタイルについて)やりにくかった。一歩でもどっちかが前に入れば、どっちかが取るという間合いが続いた。自分の武器の少なさを感じた。いろんなスタイルに対応できるようにならないと。(空位の王座について)獲ると公約しているんで。相手は誰でもいいです。(戸井田と再戦は?)王座を獲るために戸井田選手しかいなければ喜んでやります」

 
第8試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○大沢ケンジ(和術慧舟會A-3/世界4位・環太平洋3位)
×水垣偉弥(シューティングジム八景/世界7位・環太平洋5位)
2R 0'59" TKO (レフェリーストップ:膝蹴りの連打でダウン後)

※1R左フックと右フックで水垣に2ダウン

 昨年度新人王MVPの水垣は7戦無敗。7月大会では前世界王者・松根良太と引き分けた。その時同様、大沢戦でも豪快な打撃で先手。左右のフックでダウン気味に大沢を吹き飛ばす。大沢が尻餅をつき、リングアナがダウンをコールしたが、若林レフェリーはダウンと認めず、水垣が一瞬攻めを止めてしまう惜しい場面も。
 劣勢の大沢だったが「最初は押されてもいいから、冷静に冷静にと心に言い聞かせた」といい、右ミドル、右ボディを随所でヒット。打ち合いでアゴが上がり気味の水垣に対し左フックを当て、起死回生のダウンを奪うことに成功する。
 こうなると完全に大沢のペース。ダメージの抜けない水垣から右フックで2度目のダウンを奪取。ゴングに救われた水垣はセコンドにかつがれコーナーに戻るほど。2Rも流れは変わらず。大沢がコーナーに詰めてパンチを連打。倒れるように組み付いて防御した水垣に膝を連打したところでレフェリーがダウンを宣告。立ち上がった水垣をレフェリーは歩かせるが、足元がおぼつかないのを見て、ストップを宣告した。

 大沢の豪快な逆転劇に場内はこの日一番の盛り上がりに。大沢はコーナーに登り喜びを表現する。勝利者インタビューで「(水垣は)若くて勢いがあって、僕は30歳になって、オジサンやばかった」と話すと場内は笑いに包まれる。大沢は11/4に30代に突入したばかりだ。さらに大沢は「タイトルマッチ(7月大会の外薗戦)では練習の成果を出せませんでした。松根君と外薗君に一回やってもらって、その勝者とやりたいでーす」とアピールした。

 
第7試合 バンタム級 5分3R
○漆谷康宏(和術慧舟會RJW/世界1位)
×生駒純司(直心会格闘技道場/世界4位)
判定3-0 (菅野29-27/横山29-27/鈴木29-26)

※2R左ハイキックで生駒に1ダウン
※3Rローブローにより生駒に減点1

 前回の対戦同様、大半の時間がスタンドの攻防に。先手を取ったのは生駒。1R右フックを2度クリーンヒットさせる。だがテーピングをガッチリと施している右膝の具合がかなり悪いのか?後ずさりする漆谷に対する追い足が遅く、連打につなげることができない。
 2Rは漆谷が挽回。サウスポーの構えのため、生駒の右膝を狙うことはできないが、ローキックで下に意識を散らした後、右のストレートを当てるようになり、終盤には得意の左ハイでダウンを奪取する。
 3Rにも漆谷は左ハイをヒット。生駒は前蹴りがローブローになってしまい減点1を科される。結局最後まで流れを変えられず試合終了。漆谷が因縁の生駒との決着戦を制した。

 マイクを持った漆谷は「今日はこんな試合をしてすみません。勝つことだけを意識してしまいました」と、やや単調な立ち技戦となったことを詫びた。そして「これで3年間負けていないんで、そろそろタイトルマッチをやらせてもらえたらいいかな」とアピールした。
 漆谷はコンスタントに修斗に上がり続けていたわけではないものの、実際修斗では03年12月のマモルとのタイトル戦以来負け知らず。昨年9月には現王者のBJとも引き分けており、実力は申し分ない。だが現在、BJは同門の阿部マサトシとのタイトル戦にも意欲を示している。BJは10月に王者になったばかりのため、防衛戦はまだ先の話。それまで漆谷とマサトシが今の地位を維持できるかが当面のバンタム級の見所となりそうだ。
 

第6試合 ウェルター級 5分3R
×風田 陣(ピロクテテス新潟/環太平洋8位)
○遠藤雄介(GOKITA GYM/環太平洋9位)
判定0-3 (横山27-30/鈴木27-30/若林27-30)


 体格と若さで勝る遠藤が、フック、アッパーで豪快に攻め、度々テイクダウンを奪い攻勢をキープ。3Rにはリバーサルを許すが、逆に下からギロチンを狙ってリバーサルに成功。終盤には膝十字でチャンスを作る。惜しくもロープの外に出てブレイクがかかったが、完勝を印象づける場面だった。

 
第5試合 バンタム級 5分2R
○菅原雅顕(和術慧舟會Duroジム)
×正城ユウキ(クロスワンジム湘南)
判定2-0 (菅野20-18/鈴木20-19/若林19-19)


 スタンドでパンチがたびたび交錯するスリリングな試合に。的確さでは菅原が上回り、2Rには左ハイを当てる場面も。正城は首相撲からの膝蹴りやローを当てるが、やや印象に欠いたか。2R終了間際の両者足を止めてのパンチ合戦に会場は大きく湧いた。戦績5勝1敗となった菅原はクラスA入り確実か。

 
第4試合 ウェルター級(新人王決定トーナメント決勝) 5分2R
○児山佳宏(パラエストラ松戸)
×佐々木信治(BURST)
判定3-0 (菅野20-18/横山20-17/鈴木20-15)

※児山が2006年度ウェルター級新人王に

 児山が首相撲からの膝蹴りで序盤のペースを握る。佐々木は引き込んでから得意の三角、腕十字を狙うが、児山はきっちり防御。確実に左腕でパウンドと鉄槌を佐々木の顔面に叩き込む。佐々木は下からの攻めに固執しすぎた感があり、最後まで児山のパンチを浴び続け完敗となった。

 
第3試合 ウェルター級 5分2R
△井上裕貴(木口道場レスリング教室)
△ISE(PUREBRED大宮)
判定0-1 (鈴木18-19/横山19-19/若林19-19)
※2R、2度のローブローにより井上に減点1

第2試合 ライト級 5分2R
△中村浩士(東京イエローマンズ)
△山田啓介(roots)
判定0-0 (19-19/19-19/19-19)

第1試合 ライト級 5分2R
×小林正俊(秋本道場JUNGLE JUNCTION)  
○石渡伸太郎(GUTSUMAN・修斗道場)
判定0-2 (19-19/18-20/19-20)

Last Update : 11/12 14:47

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