(レポ&写真) [R.I.S.E.] 6.25 ディファ:須藤KO勝ち。水谷がFtC優勝
R.I.S.E.プロモーション "FULLCAST PRESENTS R.I.S.E. FLASH to CRUSH TOURNAMENT '06" 2006年6月25日(日) 東京・ディファ有明
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第9試合 セミファイナル スペシャルワンマッチ 70kg契約 3分3R ○須藤信充(team SUDO/前NKBウェルター級&ミドル級王者) ×尾崎圭司(チームドラゴン) 2R 1'28" KO (3ダウン:右ハイキック)
K-1 MAXを目指しNKB王座を返上しフリーとなった須藤が「2R以内にKOして格の違いを見せる」という公約通りのKO勝ちを果たした。しかしその道のりは苦難続きだった。前日計量は1回目から7時間経ってようやくクリア。リングインした時の体にもツヤが無く、表情も硬い。 1R序盤、尾崎に得意の飛び膝、バックスピンキック、バックブロー等の回転系の技で攻め込まれる。須藤も左のパンチを返すが尾崎はブロック。重い右ローを当てるものの、逆に踏み込みの際に尾崎に右ローを当てられ、若干バランスを崩す場面も。 2Rも先手を取ったのは尾崎だった。飛び膝で須藤の鼻から出血を誘う。ところが須藤は左ボディをきっかけに一瞬のうちに形成逆転。左右のフックで前に出て、左フックでダウンを先取する。
一撃の破壊力なら須藤だ。須藤は再び左フックでダウンを奪取。尾崎はなんとか立ち上がるが、須藤の右ハイで膝をつき、すぐさま立ち上がったところに須藤が右ローと左フックを畳み掛けたところでレフェリーが試合をストップした。 勝ったとはいえ須藤は鼻血で顔を染め苦しい表情。とはいえマイクを持つとそのハイテンションはいつも通り。「尾崎君のスピードにテンパったけど、試合には破壊力とタイミングとスピードが必要だってことで勉強になりました。ハハハ!」と高笑いし、初めて須藤を見た観客をも楽しませた。
■ FLASH to CRUSH TOURNAMENT
第10試合 メインイベント 決勝 3分3R(最大延長2R) ×KAWASAKI(リアルディール/リアルディール・ライト級王者) ○水谷秀樹(スクランブル渋谷/R.I.S.E. DoA '05 3位) 3R 0'45" KO (左ローキック) ※水谷が優勝
接戦続きの60kgトーナメント・FtC決勝戦に残ったのは、32歳のKAWASAKIと31歳の水谷秀樹だった。スペシャルワンマッチに出た35歳の須藤信充といい、この日のR.I.S.E.は30代の男達の底力が光った。 水谷は準決勝を制したバックブローで奇襲を仕掛けるが、随所でパンチを着実に当てるのはKAWASAKIの方。とはいえKAWASAKIも連打や強打に至らず手こずる。 2R、二人ともこの日通算8R目に突入。足を止め空振りのパンチを振り回し合う攻防が度々繰り広げられ、消耗戦の色が濃くなる。体力ではKAWASAKI。しかし水谷も左ハイをヒットさせる等、一撃逆転の期待を抱かせる。
3R、結末はやや唐突な形で訪れた。実は右脚を痛めていたKAWASAKIは、水谷の左ローの連打で力なくダウン。KAWASAKIは立ち上がるのがやっとで、水谷の左ローでKAWASAKIがすぐさま2度目のダウンを喫したところで内田康弘レフェリーがKOを宣告した。
◆水谷(リング上での質疑)「一回戦で消耗し、準決勝は仲間の板橋選手を短時間で倒した末広選手が相手で、正直びびったけど、セコンドの声もみんなの声援もよく聞こえました。ホント、あきらめなくて良かった。 優勝賞金(100万円)は大塚と大森で開講している『空手維新』の運営費に充て、自分も空手維新も成長させたいです。 10代の頃は悪ガキで、一人で僕を育ててくれた母親には5人分の面倒をかけました。32歳になってようやく親孝行できたかな(青コーナーのKAWASAKIから「あっぱれ!」という声が飛び、場内が笑いに包まれる)。 僕は27歳で格闘技を始めましたが、年齢が遅くても願いは必ずかなうことを、皆さん分かってもらえましたでしょうか? 仕事等で色々あると思いますが、みなさん夢をかなえましょう!」
(バックステージでの質疑)「一回戦のファイヤー選手は結構対策をしてきてたんでやりにくかった。一番厳しかったですね。準決勝が今日のヤマ場でした。トーナメントは優勝者と準優勝者のその後の扱いが全く違うので、決勝は絶対にあきらめないという気持ちで戦いました。神様が『あきらめるな』と支えてくれたと思います。 このトーナメントで優勝するために、自分の練習はもちろん、普段の仕事も空手の指導も一生懸命やってきました。今日は優勝した喜びに浸りたいです。(今後のプランは?)今は気持ちがテンパってるので、落ち着いてから発表したいです。考えていることはあります。もっと上を目指します」
◆KAWASAKI「負けたけど気持ちよかったですね。水谷選手とは通じ合うものがありますね。実は昨日の計量の後、水谷選手に誘われて板橋選手と3人で担々麺を食べに行って、一緒に頑張ろうと誓うたんですよ。八百長の相談ばしとらんですよ(笑)。決勝は右足を痛めててそこを狙われました。途中しんどくて、悪魔が『やめろ』とささやく場面が何度もありました。 (飛び膝を駆使していたが?)あれはジムの床にローキック用のミットを置いて、走って飛び越えてサンドバッグに膝を当てる練習で身につけたんですよ。『なにバカなことやっとるんか?』と若い連中ば見とったたけど、そのうち他の30代の連中も『俺も俺も』と一緒にやり出しましたね」
第7試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R) ×末廣智明(大道塾吉祥寺支部) ○水谷秀樹(スクランブル渋谷/R.I.S.E. DoA '05 3位) 判定0-2 (秋谷29-29/小川28-29/梅澤28-29)
1分足らずで一回戦を突破した末廣が1R、右フック、前蹴り、右ローを当て主導権。2Rも膝蹴りの連打等や離れ際の右フックで水谷を苦しめる。だが「準決勝が今日のヤマ場だったという」水谷は、3Rに底力を発揮。バックブロー2連発を決めた後、左ストレートを当てダウンを奪うことに成功する。ややスリップ気味ではあったが、末廣はダメージが大きく、鼻血を出しドクターチェックを受ける。結局このダウンで差がつき水谷が決勝進出を果たした。
第6試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R) ×上松大輔(チームドラゴン) ○KAWASAKI(リアルディール/リアルディール・ライト級王者) 判定0-3 (大澤28-29/小川28-29/秋谷28-29) ※1R右フックで上松に1ダウン
1R序盤、上松が膝蹴りの後、片足立ちの不安定な状態でKAWASAKIに右フックを当てられ、ややスリップ気味に倒れたところダウンを宣告されてしまう。上松はパンチ、ハイキック、膝蹴りで必死に追い上げ、2R目はポイントを取り返す。KAWASAKIは2R中に2度マウスピースを吐き出し苦しい様子だったが、随所できっちり攻撃を返し決定打を与えず。3R終盤には左ストレート2連発でダウン寸前まで追い込み、逃げ切りに成功した。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R) ×ファイヤー原田(レグルス池袋/J-NETライト級5位) ○水谷秀樹(スクランブル渋谷/R.I.S.E. DoA '05 3位) 判定0-3 (小川29-30/秋谷28-29/大澤28-29)
ゴング前、ファイヤーが両脇を開いて腰を下げる独特の構えをいつものようにすれば、水谷は同じ構えで反対側のコーナーに立ちはだかり、観客を最初から楽しませる。 試合もお互いの闘志が前面に出る好内容に。1R、ファイヤーが左ボディと右ローを的確に当て主導権。2Rも同様の流れだったが、水谷が1Rから放っていた左テンカオをファイヤーの顔面にクリーンヒット。そこからパンチラッシュで一気に主導権を握る。 3Rも水谷が左ローの連打をきっかけに、パンチの連打でファイヤーを追い詰め優勢。ファイヤーも右アッパーを返す等、力を振り絞りパンチで応戦したが、あと一歩及ばなかった。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R) ○末廣智明(大道塾吉祥寺支部) ×板橋 寛(大誠塾) 1R 0'46" KO (2ダウン:右フック)
開始しばらく、サウスポーの板橋が左ミドルを当てるが、末広が右ローで意識を下に向けると、コンビネーションからの右フックをきれいに当てダウンを奪取。板橋は立ち上がるもふらついており、最後も右フックでマットに沈んだ。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R) ×黒田アキヒロ(フォルティス渋谷/J-NETライト級4位) ○KAWASAKI(リアルディール/リアルディール・ライト級王者) 判定0-3 (櫻井29-30/秋谷29-30/大澤29-30)
KAWASAKIがひたすらパンチを振り回し前に出るトンコツドロドロファイトで主導権。随所でテンカオやローも絡め、『具材』の味付けもばっちりだ。3Rはやや攻め付かれたが、それでも黒田にほとんどチャンスを与えず完勝した。
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R) ○上松大輔(チームドラゴン) ×加護秀明(レグルス池袋) 判定3-0 (櫻井30-28/大澤30-28/梅澤30-28)
1Rはやや慎重に見えた上松だが、2Rから膝蹴りと左ボディを当てるようになると主導権。3Rには度々コーナーに追い詰め、パンチと膝で加護を苦しめ完勝した。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R) ×藤井 徹(湘南格闘クラブ) ○龍馬(y-park) 4R 判定1-2 (櫻井9-10/大澤10-9/梅澤9-10) 3R 判定0-1 (櫻井30-30/大澤29-30/梅澤30-30)
互いにパンチを当てるが、差の付きにくい攻防のまま延長戦も終わり、判定は割れ龍馬に軍配が上がった。龍馬は4R終了間際に左マブタから出血した。
■ その他の試合
第8試合 スペシャルワンマッチ 70kg契約 3分3R ×磨裟留(フリー/R.I.S.E. DoA '03 優勝) ○白虎(レンジャー品川ジム/R.I.S.E. DoA '05 準優勝・元NKBウェルター級王者) 判定0-3 (秋谷29-30/小川29-30/梅澤29-30)
両者とも蹴り主体の攻防からスタート。技術の高さを見せるが、手数が少なく攻撃がなかなかつながらず、トーナメントの試合よりも淡白に映る。2R以降はパンチの攻防が増える。終盤には白虎がテンカオをきっかけに攻勢。白虎が判定で勝利をもぎ取ったが、3Rは詰めに欠き課題を残した。
オープニングファイト第2試合 女子49kg契約 3分3R △ジェット・イズミ(クロスポイント吉祥寺/IKUSA U-50 女王) △岡田敦子(ドージョー・チャクリキ・ジャパン) 判定0-1 (梅澤29-30/大澤29-29/小川29-29)
ボクシングデビューも果たした岡田がパンチ戦で主導権。コンビネーションや左ジャブを的確に当て、ジェットの鼻から出血を誘う。2Rからはジェットも左ボディ、右フック等を当て巻き返すが、岡田は左ミドルや回し蹴りも駆使。3R終盤にはパンチで反撃し、殊勲のドローをもぎ取った。本戦での決着戦を期待したい。
オープニングファイト第1試合 68kg契約 3分3R ○加藤大輔(NJKF・OGUNI-GYM) ×斉藤武彦(スクランブル渋谷) 判定2-0 (29-29/30-29/29-28)
Last Update : 06/26 18:08
|