(レポ&写真) [MAキック] 6.2 後楽園:野嶋、森田をKO。早千予防衛
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟 "SURPRISING 4th 〜梶原一騎20回忌追悼記念 第9回梶原一騎杯 キックガッツ2006〜" 2006年6月2日(金) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板】
第6試合 53.5kg契約 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ×森田晃允(橋本道場/MA日本フライ級王者) ○飛燕野嶋[ひえん・のじま](KAKUMEI・契明ジム/MA日本フライ級2位) 2R 2'15" KO (左フック)
森田は接近戦になるとパンチのコンビネーションを当てるものの、そのチャンスは少なく、細かいステップで回る野嶋を捕まえきれない。野嶋は随所で左ボディをヒット。2R、やや苦しげな表情を見せ始めた森田はフックを振り回し突進する。だがそれをかわした野嶋は、下に意識が向いていたと思われる森田のアゴに左フックをクリーンヒット。森田はあおむけに倒れたまま動けなくなった。 契約体重制の試合とはいえ、チャンピオンがランカーにまさかのKO負け。とはいえ野嶋はこれで戦績が13戦9勝(6KO)3敗1分とKO率が高い選手で、この勝利はまぐれとは思えない。これまで西日本での試合が多かった選手だが、この1勝をきっかけに他団体のトップクラスからもマークされる存在となるだろう。
第8試合 UKF世界女子フライ級タイトルマッチ(肘無し) 3分5R ○早千予(白龍ジム/王者) ×グレイシャア亜紀(J-NET・ソーチタラダ渋谷/挑戦者) 4R 0'50" KO (バックスピンキック) ※早千予が王座防衛
開始早々、早千予はバックブローを皮切りにラッシュを仕掛け、左ボディ、右フック、バックスピンキック等を何発もクリーンヒット。始めはパンチとローを返していたグレイシャアだが、体格差も相まって次第に押されるようになり、1R最後は立っているのがやっとの状態に。 しかし2R、グレイシャアは早千予のパンチをもらいながらも一歩も引かず、右フック、右アッパー、左ストレート等のパンチを何発も当て反撃し、ローも交え早千予の出足を止める。 3Rは両者頭を付けて一進一退のドツき合い。会場はこの日一番の盛り上がりに。これが女子に比べ体が硬い男子の試合なら、何度もダウンしているであろうクリーンヒットが何発も見られる。たまに前蹴りやローも出るが、距離を取る程度の技で、ほとんどはパンチ。何発も当たるため、パンチに固執してしまうのだろうか。
だがフィニッシュはそんな懸念を吹き飛ばす、キックボクシングらしさあふれる一撃だった。4R、打ち合いで早千予がグレイシャアをロープ際に追い詰めると、1Rにも見せたバックスピンキックを右脇腹に一撃。グレイシャアは腰からマットに崩れ落ちる。なんとか立ち上がったものの、足元がふらついているのをレフェリーが確認し、KOを宣告した。 マイクを持った早千予は「真樹先生、出させて頂いてありがとうございます。この度はみなさんにご迷惑をおかけしてすみませんでした」と、ひき逃げ事件を謝罪。続いて「グレイシャア選手、対戦していただき心から感謝しております。今までやったフライ級の選手の中でも強い選手でした。これからまたMAの選手として頑張りますので、応援よろしくお願いします」と話しリングを降りた。
第10試合 王者対決 バンタム級 3分5R ×岩波祐次(渡辺ジム/MA日本バンタム級王者) ○国崇(NJKF・拳之会/NJKFバンタム級王者) 1R 終了時 TKO (ドクターストップ:右ハイキックによる左目尻のカット)
序盤、積極的に攻めるのは岩波。国崇はいつものNJKFの大会と進行が異なるため、ウォームアップが不十分だったといい、序盤の動きが硬い。「最近は左ボディや飛び膝に頼り過ぎた(国崇)」ため、ローを出したかったというが、ローも打つものの左ボディ主体に。岩波も右フックを返し、次第に両者のスピードあふれる動きがうまく交わるようになり、好勝負の予感がした。しかし国崇の右ハイキックで岩波が左目尻をカット。1R終了後のドクターチェックでストップがかかってしまった。 国崇は「相手が未知数のまま終わった。勝った気がしない」と話し、両者とも再戦には前向き。2日後に真王杯の抽選が行われ、一回戦では対戦が実現しなかったものの、準決勝以降で激突するか? 真王杯の楽しみがまた一つ増えた。
第9試合 国際戦 62kg契約 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ×木村 允(土浦ジム/MA日本ライト級王者) ○ランサヤーム・センモロコットジム(タイ/元ルンピニー・ライト級1位) 3R 判定0-2 (大澤29-30/小林30-30/緒方29-30)
木村がランサヤームをロープ際に何度も追い詰めローを出すが、なかなかクリーンヒットが出せず、ランサヤームが前蹴りや組み付いての膝を出すという攻防の繰り返し。最後まで噛み合わず延長突入でも不思議ではなかったが、手数で少し勝ったランサヤームがリベンジに成功した。木村のスランプが続く。
第4試合 ランキング戦 ライト級 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ×TAKI(士道館/3位) ○渡辺大介(ダイケンジム/4位) 3R 判定0-2 (梅澤29-29/小林28-29/秋谷28-29)
渡辺が細かいステップから右ローを当て、2Rまで主導権。だが3R、TAKIがローを皮切りに肘の連打で反撃。渡辺の頭と額から出血を誘う。渡辺はドクターチェックを受けたものの、なんとか3R終了まで凌ぎきり勝利。木村の持つ王座に一歩近づいた。
第3試合 ランキング戦 ライト級 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ○佑機(橋本道場/スーパーフェザー級3位) ×近藤一輝(真樹ジム愛知/ライト級9位) 2R 2'14" KO (右ストレート)
佑機が回りながらローと左ストレートを着実に当て続ける。1R終盤、近藤のパンチと肘の突進で少しひるむが、直後に左フックでダウンを奪うことに成功する。2Rも左ボディも効かせつつ優位に試合を運び、最後も右ストレートでKO。ライト級転向初戦を白星で飾った。8月大会で渡辺大介と王座挑戦者決定戦を行う。
◆真樹日佐夫杯ヘビー級(-85kg)トーナメント
第7試合 決勝戦 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ○松本勇三(勇三道場) ×天昇山(NJKF・キングジム/NJKFヘビー級3位) 4R 判定3-0 (緒方10-8/松田10-8/小林10-8) 3R 判定1-0 (緒方29-29/松田30-28/小林30-30)
松本がロー、ハイ、カカト落とし等で手数多く攻めるが、決定打に欠き、天昇山の右ストレートや膝ももらい延長へ。だが準決勝と合わせての疲れもあってか、天昇山はやや攻撃が荒くなる。3Rには投げの反則でイエロー、4Rには蹴り足をつかんで肩から抱え上げレッドカード(減点1)をもらう。さらに松本は右ローとパンチの連打も当て、延長は圧倒。苦しみながらも優勝をもぎ取ることに成功した。
第2試合 一回戦(肘無し) ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ×野口 学(土浦ジム/MA日本ヘビー級5位) ○天昇山(NJKF・キングジム/NJKFヘビー級3位) 3R 判定0-3 (小林29-30/秋谷28-30/梅澤29-30)
天昇山が右ストレートと膝蹴りの手数で上回る。3R序盤は野口のミドルやフックをもらい失速したが、終盤に攻撃を集めポイントを与えなかった。
第1試合 一回戦(肘無し) ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ○松本勇三(勇三道場) ×YABU(SB・龍生塾/SB日本ミドル級5位) 3R 判定2-0 (小林30-29/梅澤29-29/松田30-29)
YABUのパンチのコンビネーションをもらう場面もあった松本だが、ローを着実に当て続け勝利。
※第5試合はプロレス
◆ヤングファイト(肘無し)
第5試合 ランキング戦 バンタム級 3分3R ×桜井裕也(習志野ジム/7位) ○RIOT(真樹ジムオキナワ/9位) 1R 1'35" KO
第4試合 ランキング戦 フライ級(52kg契約) 3分3R ×野口清文(マイウェイジム/7位) ○佐藤アキラ(谷山ジム) 判定1-2 (30-29/29-30/29-30)
第3試合 ランキング戦 ライト級 3分3R ○道浦義和(多田ジム/10位) ×中村ひろき(真樹ジムオキナワ) 判定3-0 (30-29/30-28/29-28)
第2試合 ライト級 2分3R ×大山和也(真樹ジムアイチ) ○森久保創(山木ジム) 1R 2'00" KO
第1試合 スーパーフェザー級 2分3R ○島田 泰(真樹ジムオキナワ) ×希 〜Nozomi〜(習志野ジム) 判定2-1 (29-30/30-29/30-29)
Last Update : 06/08 11:17
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