(レポ&写真) [全日本キック] 5.14 後楽園:大宮司、石川との激闘制す
全日本キックボクシング連盟 "CROSS OVER" 2006年5月14日(日) 東京・後楽園ホール 観衆:1700人(満員)
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第8試合 メインイベント CROSS BOUT 60kg契約 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ×石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者) ○大宮司進(シルバーウルフ/ISKA世界スーパーフェザー級王者) 判定0-2 (和田28-28/豊永28-29/朝武28-29) ※1R右フックで石川1ダウン
1R中盤、大宮司が左右のフックのラッシュで石川をぐらつかせる。石川はロー、前蹴り、肘で持ち直すが、終了間際、大宮司が「新しいトレーナーとの練習どおりに出せた」という右フックでダウンを先取する。 2Rは石川が前蹴りで大宮司をひるませるが、石川もパンチを返し一進一退。3R、後が無くなった石川は膝蹴り、パンチで猛ラッシュを仕掛けると、残り1分には右肘で大宮司の額を切り裂くことに成功する。
ドクターチェックの末、続行が決まると、両者はパンチと膝を激しく交錯させ、後楽園ホールは割れんばかりの大歓声に包まれる。大宮司も「血を見てチンピラ時代の俺が顔を出した」というほどの猛攻。石川も過去に見せた事のないようなラッシュを繰り広げたが、あと一歩のところで仕留めきれず、初メインを勝利で飾ることができなかった。 マイクを持った大宮司は「60kgの奴を全部喰って、K-1で60kgを作ります」と宣言。石川は「内容も大事だけど、負けちゃいけないですよね」「一番気をつけないといけない右フックで倒れた」「最初から肘と膝で行けば良かった」「大宮司のセリフは俺が言いたかったこと」と話し、バックステージでガックリとうなだれていた。
第7試合 セミファイナル CROSS BOUT 55kg契約 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ○寺戸伸近(BOOCH BEAT/全日本バンタム級1位) ×真二(OGUNI GYM/NJKFバンタム級3位) 判定3-0 (野口30-27/梅木30-27/豊永30-28)
両者とも1Rから一歩も引かずに右ロー、右フックを積極的にぶつけ合う白熱の展開。だが2R中盤あたりから寺戸の右ストレートのクリーンヒットが増え、コンビネーションや膝蹴りも決まりだす。真二は効くと一瞬下がるがすぐに持ち直し右ローをお返しする。だがイギリス、タイへの遠征で成長した寺戸は、全く引くことなく終盤は圧倒し、文句無しの判定勝ちをおさめた。 去年のMACH 55では一回戦で国崇にTKO負け。だがそれ以降は6連勝と絶好調。団体内でも藤原あらしが射程圏内に入ってきた。この快進撃はどこまで続くか?
第6試合 CROSS BOUT & ランキング戦 ライト級 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ×海戸 淳(S.V.G./7位)※凱斗亮羽から改名 ○増田博正(スクランブル渋谷/2位) 判定0-2 (朝武28-30/勝本30-30/豊永28-30)
海戸が増田の周りを回る展開が続くが、2Rから増田のローとストレートのヒットが増え始める。海戸は二段蹴りやバックスピンも繰り出すがなかなかクリーンヒットせず。互いにストレートでぐらつく一進一退の攻防となるが、スタミナロスの目立った海戸が勝利を逃した。
第5試合 CROSS BOUT ミドル級 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ○中村高明(藤原ジム/1位) ×貴之ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム/J-NETWORK 2位) 2R 2'22" KO (右肘打ち)
1R序盤、パンチで勢い良く責めたのは貴之の方だったが、すぐさま中村が攻勢に転じ、右ストレートで2ダウンを奪う。2Rも豪快な攻めで貴之を圧倒し、右肘で2連続ダウンを奪ったところで中村が立ち上がれなくなった。TOMOに王座を譲ってから11か月ぶりの試合で完勝。30歳からの開花に期待したい。
第4試合 CROSS BOUT ライト級 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ×山田健博(高橋道場/3位) ○藤原王子(レグルス池袋/J-NETWORK 3位) 判定0-3 (豊永28-29/和田28-29/朝武28-29) ※3R右フックで山田に1ダウン
サウスポーの王子に対し、山田は右ミドルを当て続け主導権。2Rには王子が嫌がる素振りを見せ、終盤には右フックと右ハイも浴び、劣勢に立たされる。 だが3R、打ち合いの場面で右フックをクリーンヒットさせ逆転のダウンを奪取。王子は3月のMAの壮泰戦に続きアウェーでまたも勝利し、デビュー以来連勝記録を7に伸ばした。
第3試合 CROSS BOUT ウェルター級 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ×宝樹まもる(勇心館/6位) ○黒田英雄(アクティブJ/J-NETWORK 3位) 1R 0'40" KO (左フック)
39歳の宝樹と、40歳の黒田の対決は、奇しくも勝者・黒田の歳の数と同じ40秒で決着。宝樹がミドルとロー、黒田がコーナーにつめてのパンチラッシュで攻めた後、パンチの打ち合いで黒田のカウンターの左フックがヒット。宝樹は必死で立ち上がろうとするが足元がおぼつかず。黒田にとっては55秒の自己ベストを越す最短KO勝利だった。
第2試合 71kg契約 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ○佐藤皓彦(JMC横浜GYM/全日本Sウェルター級6位) ×中園貴宏(S.V.G.) 判定3-0 (梅木30-24/勝本30-24/豊永30-24)
佐藤が2Rに左ストレート、右フックで2ダウン、3Rに右フックで1ダウンを奪取。判定で大差をつける勝利だったが、中園も右ローを効かせ、3Rにはフックとアッパーで佐藤をぐらつかせる場面も。入場テーマ曲の「ルビーの指輪」と、奇抜なヘアースタイルも相まって、観客に強い印象を与えた。
第1試合 ランキング戦 ウェルター級 サドンデスマッチ (3分3R+延長1R) ○金 統光(藤原ジム/7位) ×森 卓(勇心館/9位) 4R 判定3-0 (野口10-7/勝本10-7/梅木10-7) 3R 判定0-0 (野口30-30/勝本30-30/梅木30-30)
単発の攻防のまま延長にもつれると、森が右フックと左ボディで主導権。だが終盤、パンチが交錯しよもやのダウン。ややスリップ気味で森は不満をあらわにしたが、ムキになって打ち合いに応じてしまい、右フックで完全なダウンを喫し、負けを決定づけられてしまった。
■オープニングファイト
第3試合 ウェルター級 3分3R ×荒井崇志(SOUL GARAGE) ○ダイスケ・ルークハマッコ(はまっこムエタイジム) 判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第2試合 ライト級 3分3R ○畑尾龍宏(REX JAPAN) ×安川文健(AJジム) 1R 1'30" KO
第1試合 フェザー級 3分3R ○水落洋祐(はまっこムエタイジム) ×武田晃一(アクティブJ) 1R 1'01" KO
Last Update : 05/19 18:23
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