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(レポ&写真) [TITANS] 8.22 代々木:武田&石井、王座奪えずも激闘

新日本キックボクシング協会 "TITANS 2nd"
2005年8月22日(月) 東京・代々木競技場第2体育館

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ■大会の模様はCS放送のGAORAにて10月7日(金)24:00〜26:00放映(再放送あり)
 
 

第9試合 WKBAスーパーウェルター級(-69.85kg)王者決定戦 3分5R
×武田幸三(日本/治政館ジム)
○ジョン・ウェイン・パー(オーストラリア/ブンチュウジム)
3R 2'24" KO (右フック)

※パーが王者に

 1Rから両者とも積極的なパンチの打ち合い。パンチではウェインが優勢だが、武田も右ローを着実に当て、互いに一歩も引かないシーソーゲームとなる。だが2R終盤、ウェインのパンチと膝の連打で武田は劣勢に。クリンチでかろうじてダウンを逃れる事態に。
 ところが3R、ウェインが右ローのダメージの蓄積でバランスを崩した直後、武田がパンチラッシュで反撃。会場は大歓声に包まれる。だが直後、ウェインが武田をロープに詰めて武田が右ローを放ったところに合わせ、ウェインのフックが武田のアゴに炸裂。武田は立ち上がれず、惜しくもKO負けとなってしまった。

 試合後の武田は「負けたのは悔しいけど、一番の課題だった『お客さんを湧かせる事』ができたのでいい」と爽やかな表情。ウェインについては「かなりローを効かせてたけど、顔に出さなかったのは超一流ですね」と評した。勝ったウェインも「ポーカーフェイスを保つのが大変だった」と苦闘だったことを認めていた。
 武田が後ずさりする場面が多かったが、ウェインにあえて右のパンチを打たせて左フックを当てる作戦だったという。敗れた事で課題はみつかったか?という問いにも「ディフェンスをしっかりやらないことは博打なんですけど、課題にはしたくないですね。僕らしさは無くしたくないんで」と返答。危険を顧みずお客さんを楽しませるスタイルを、今後も貫くという態度を示していたのが印象的だった。

 なおこの日、魔裟斗とともにメインとセミを観戦した谷川貞治K-1イベントプロデューサーは、MAX世界王者・アンディ・サワーの相手候補として、武田幸三を検討していることを明かした。このことを聞いた武田は「先生(長江国政・治政館館長)と相談します。ダメージは無いんで。お客さんが見たいのなら」と前向きな姿勢を示した。
 

第8試合 ラジャダムナンスタジアム認定・ライト級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
○ジャルンチャイ・ジョー・ラチャダーゴン(タイ/ジョッキージム/王者)
×石井宏樹(日本/藤本ジム/挑戦者・新日本キックライト級王者)
判定3-0 (サマート49-48/ポンメーム49-48/ハタイトーン48-47)

※ジャルンチャイが防衛

 ジャルンチャイは2Rは左ミドル、3Rは膝蹴りを何発も当て、ポイントを稼ぐ。石井も相手の打ち終わりに右ローを合わせる等、一歩も引かず応戦する。
 だがこれからが勝負となる4R開始早々、石井はスリップして倒れたところでジャルンチャイの膝をもらってしまう。体力回復の時間が設けられ、再開直後からアッパーと肘打ちを何発も当て果敢に攻めるが、ジャルンチャイの左右のミドルをもらってしまい、ポイントを奪うには至らない。最初のダメージでリズムが狂ったか?

 とはいえ流れをつかんだのは石井。5Rには右ロー、パンチの連打、肘打ち等でジャルンチャイを圧倒。最終ラウンドのポイントを得るが、ダウンを奪うには至らず試合終了。
 判定はジャルンチャイ。場内は騒然とする。キックボクシングの基準では石井の勝ちだが、ミドルと膝を評価するムエタイ式の採点なら、2Rと3Rはジャルンチャイが10-9、5Rは石井が10-9で、49-48の採点が妥当だろうと思われた。ところが協会が大会翌日リリースしたジャッジペーパーを見ると、採点にかなりのバラツキがある。1Rはともかく、2Rと3Rはスプリット、4Rは三者三様、5Rはあれだけ守勢だったジャルンチャイがなんと2票を得ている。

1R (10-10/10-10/10-9)
2R (10-9/9-10/9-10)
3R (9-10/10-9/10-9)
4R (10-9/10-10/9-10)
5R (10-10/10-9/10-9)
計 (49-48/49-48/48-47)
※左からサマートレフェリー、ポンメームジャッジ、ハタイトーンジャッジ。点数は「ジャルンチャイ-石井」の順

 だが王者相手に圧倒されることなく、肘の打ち合いでも互角に渡り合い、膝蹴りで捕まりっぱなしになることなく、与えたダメージで勝るファイトを繰り広げた石井の強さ・巧さはお見事だった。4R序盤のアクシデントさえなければ、KO勝ちの可能性はもっと高かったはず。まだ26歳と若く、大きな怪我も無い選手だけに、近い将来の王座奪取も夢ではない。

第7試合 ヘビー級 3分3R
○ガオグライ・ゲーンノラシン(タイ/伊原道場)
×中迫 剛(日本/ZEBRA244)
判定3-0 (林30-27/酒井30-27/北沢30-27)

※2R右ストレートで中迫1ダウン

 互いにガードを下げ、ローを打ち合う展開が続いたが、2Rにガオグライが右ストレートでダウンを奪取。以降も回りながらローで中迫を翻弄し、得意パターンでK-1ファイターを完封した。

第6試合 70kg契約 3分3R
○シン・ノッパデッソーン(タイ/伊原道場/ラジャダムナン・ウェルター級王者)
×新田明臣(日本/バンゲリングベイ)
判定3-0 (林30-28/島田30-29/酒井30-29)


 両者とも蹴りの攻防。ノッパデッソーンは体調が悪かったのか?練習が1週間しかできなかったといい、破壊力抜群の左ミドルはほとんど出さず、ハイ、ロー、前蹴り主体の攻めに。2R終盤には珍しくパンチの連打でチャンスを作る。新田もローキックで果敢に応戦。パンチの打ち合いにも応じるが、最後まで流れを引き込むことはできなかった。

第5試合 71kg契約 3分3R
△ラムソンクラーム・スワンアハーンジャーヴィー(タイ/チュワタナジム/ラジャダムナン・ミドル級王者)
△後藤龍治(日本/伊原道場)
判定1-0 (酒井30-30/島田30-30/北沢30-29)


 伸びのある前蹴りやミドルを当てる長身のラムソンクラームに対し、後藤は接近戦に持ち込みパンチで応戦。だがなかなか連打で痛めつけることができず、結果はドロー。苦い国内復帰戦となってしまった。

第4試合 58kg契約 3分3R
○菊地剛介(日本/伊原道場/新日本キック・フェザー級王者)
×クリス・ホワイト(フィリピン/リドラーズ・ジム/WMTAサウスパシフィック王者)
判定3-0 (林30-28/北沢30-29/島田30-29)


 ホワイトは構えを左右に何度も変え、パンチを当てる選手。菊地は得意の蹴りがなかなか当てられず、攻めにくそうだ。3R終了間際にようやくパンチの連打を集め、判定勝ちをものにしたが、菊地に笑顔は見られなかった。

第3試合 新日本キック・日本バンタム級タイトルマッチ 3分5R
×加村健一(日本/伊原道場/王者)
○蘇我英樹(日本/市原ジム/2位)
判定0-2 (林49-49/酒井48-49/島田49-50)

※蘇我が新王者に

 1R、蘇我がパンチで勢いよく攻め、蹴りを得意とする加村の距離を潰すが、2Rからは加村の蹴りが当たりだし、3Rには加村が肘で蘇我の頭部を切ることに成功する。だが4Rからは再び蘇我のパンチが当たりだし反撃。5Rには肘で額を切られてしまいドクターチェックを受けるが、それでも最後の力を振り絞って左右のパンチで攻め続け、王座奪取に成功した。

第2試合 ヘビー級 3分3R
○内田ノボル(日本/ビクトリージム/新日本キック・ヘビー級1位)
×ネイサン・コーベット(ニュージーランド/ファイブ・リングス・ドージョー)
1R 1'29" 反則失格


 内田が蹴りでスリップした後、コーベットのサッカーボールキックが内田の後頭部にヒット。内田の右足がけいれんしているため、審判団が終了を命じた。

第1試合 ヘビー級 3分3R
○ポール・スワロンスキー(ポーランド/ファイブ・リングス・ドージョー)
×クァク・ユンソブ[郭 允燮](韓国)
2R 0'38" KO (左ローキック)

エキシビジョンマッチ 3分1R
−ラターシャ・マラゾラ(アメリカ/マスター・トディー)
−篠原 光(日本/チーム南部)
勝敗なし
※マラゾラの負傷によりエキシビジョンに変更

オープニングファイト第3試合 65kg契約 3分3R
×中川タカシ(日本/トーエルジム/日本ウェルター級6位)
○高 修満(日本/伊原ジム/日本ライト級1位)
判定0-3 (北沢29-30/林29-30/酒井29-30)

オープニングファイト第2試合 63kg契約  3分3R
△マサル(日本/トーエルジム/日本ライト級2位)
△朴 龍(韓国/市原ジム/日本ライト級3位)
判定0-1 (島田29-30/林30-30/酒井30-30)

オープニングファイト第1試合 女子特別試合「ANGEL'S」 フライ級 3分2R
○千葉歌織(日本/伊原道場)
×奥有紀子(日本/トーエルジム)
判定3-0 (島田20-15/北沢20-16/酒井20-16)
※1R、2Rにスタンドパンチ連打で奥に1ダウンずつあり

Last Update : 09/23 15:43

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