(レポ&写真) [K-1 WGP] 12.4 東京ドーム:ボンヤスキー二連覇
FEG "アルゼ K-1 WORLD GP 2004 決勝戦" 2004年12月4日(土) 東京・東京ドーム 観衆・64,819人(超満員・主催者発表)
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 [→掲示板スレッド]
※判定合計の0.5ポイント差は、本戦ではドロー扱いとなり、延長では差が付いたとみなされる
第1試合 リザーブマッチ(1) 3分3R(最大延長2R) ○ジェロム・レ・バンナ(フランス/ボーアボエル&トサジム) ×天田ヒロミ(日本/TENKA 510) 2R 1'03" KO (2ダウン:左ローキック)
バンナは序盤からサウスポーからの左ロー、ミドル、ハイでプレッシャー。天田もパンチの打ち合いで渡り合う。だがバンナの左ローが次第に威力を発揮。左ストレート、左ミドルのダメージも相まって、天田は2R開始まもなく、バンナの左ローで連続ダウンしマットに沈んだ。
第2試合 準々決勝(1) 3分3R(延長1R) ○ガオグライ・ゲーンノラシン(タイ/伊原道場) ×マイティ・モー(アメリカ/シャークタンクジム) 1R 2'41" KO (右ジャンピングハイキック)
ガオグライの蹴りに合わせて、モーは返しの大振りフックを当てる。ガオグライ戦法不発かとのムードも漂ったが、モーのフックに合わせ、ガオグライのジャンピングハイキックが見事こめかみにクリーンヒット。モーは立ち上がれず、ガオグライが豪快KO勝ちで一回戦を突破した。
第3試合 準々決勝(2) 3分3R(延長1R) ×レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイト・アカデミー) ○武蔵(日本/正道会館) 4R 判定0-3 (御座岡9-9.5/黒住9.5-10/武井9.5-10) 3R 判定0-0 (御座岡29-28.5/黒住30-30/武井29-28.5)
フックを当てるセフォーに対し、武蔵は左ミドル、ローキックで応戦。いい当たりをもらうとセフォーはニヤリと笑う。だがセフォーも鋭いローを当て、武蔵を苦しめる。結局本戦では差がつかず延長へ。 セフォーは左ローを効かせやや優勢。だがセフォーは右ローを武蔵の股間に当ててしまい注意1を受ける。その後、セフォーはフック、ストレート、アッパーを当てるが、武蔵は耐えると、ローで反撃し、膝でセフォーを苦しめる。有効打の数で上回ったセフォーに軍配が上がるかにも思われたが、最後の武蔵の攻めが評価されたようで、武蔵が接戦をものにした。
第4試合 準々決勝(3) 3分3R(延長1R) ×ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ) ○フランソワ・ボタ(南アフリカ/スティーブズジム) 1R 1'13" KO (2ダウン:右足の負傷)
ボタはアーツの右ローをカットできず、アーツが主導権を握るかにも思われた。しかしアーツは自ら放った右ローでふくらはぎの肉離れを起こしてしまう。立ったまま痛がり背中を向け、スタンディングダウンを宣告される。続いてのダウンも同様で、ボタはほとんど何もしないまま準決勝への切符を手にした。アーツは全治4週間と判明し、大晦日出陣が絶望的となった。
第5試合 準々決勝(4) 3分3R(延長1R) ○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム) ×アーネスト・ホースト(オランダ/ボスジム) 4R 判定3-0 (御座岡10-9.5/黒住10-9.5/大成10-9.5) 3R 判定0-0 (御座岡29-28.5/黒住29.5-29.5/大成29.5-29)
ボンヤスキーが左ミドル、膝蹴りを放つのに対し、ホーストは接近戦でのアッパーやボディ、ローで応戦。だが本戦では互いに決定打に欠き延長戦へ。これまで同様の攻防となるが、ボンヤスキーが手数で勝り、離れ際に右アッパーをヒットさせるなど、やや優位に試合を運び、決勝への切符を手にした。
第6試合 リザーブマッチ(2) 3分3R(最大延長2R) ×シリル・アビディ(フランス/ブリゾンジム) ○ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバコ/フリー) 1R 3'00" KO (2ダウン:右フック)
互いにガード不要の激しいパンチの打ち合い。一進一退の展開となるが、グッドリッジが2連続ダウンを奪い豪快にアビディを粉砕した。
第7試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R) ×ガオグライ・ゲーンノラシン(タイ/伊原道場) ○武蔵(日本/正道会館) 4R 判定0-3 (御座岡9.5-10/黒住9.5-10/朝武9.5-10) 3R 判定0-0 (御座岡30-30/黒住29.5-29.5/朝武29.5-30)
武蔵はガオグライの蹴り足をつかんでコカしたり、前蹴りを当てるなど、ムエタイスタイルを本場のタイ人相手にも披露。3Rには武蔵の左ローにガオグライが背中を向け嫌がるような場面もあったが、3Rまで互いに決定打に欠き延長へ。武蔵は左右のローを当て、ガオグライのミドルやハイをかわすなど、やや優位に試合を運び、準々決勝同様接戦をものにした。
第8試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R) ×フランソワ・ボタ(南アフリカ/スティーブズジム) ○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム) 3R 判定0-3 (御座岡25.5-27.5/岡林27.5-28.5/大成27.5-28.5) ※3Rに右ハイによりボタ1ダウン
声をあげながら放たれるボタの右ボディで、ボンヤスキーは何度もコーナーに詰められ劣勢。ボンヤスキーも左ハイ、膝蹴りで応戦するが、ボタはこらえてパンチを打ち返す。だが3R終了間際、ワンツーで突進してきたボタを突き放すと、ボンヤスキーが右ハイをクリーンヒットさせダウンを奪い大逆転。これが決定打となり、ボンヤスキーが決勝進出を果たした。
第9試合 決勝 3分3R(最大延長2R) ×武蔵(日本/正道会館) ○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム) 5R 判定0-3 (御座岡9-10/黒住9.5-10/大成9.5-10) 4R 判定0-1 (御座岡9.5-9.5/黒住9.5-10/大成9.5-9.5) 3R 判定0-0 (御座岡27.5-28.5/黒住29-29/大成28-28.5) ※ボンヤスキーが2年連続2度目の優勝
決勝は去年と同じ組み合わせ。開始22秒、ボンヤスキーが右ストレートでダウンを奪う。だがその後は武蔵がローを当て続け反撃。2R終盤には右ローの連打でボンヤスキーをダウン気味にスリップさせると、大歓声が巻き起こる。 3R、ボンヤスキーがジャンピングハイキックの勢い余って、ロープを飛び越えてしまい背中からマットに落ちるアクシデントが発生するが、大きなダメージはなく試合続行。武蔵が右ローを打てば、ボンヤスキーも膝蹴り、ハイキックで応戦し、消耗戦が繰り広げられる。 判定は2R以降の武蔵の巻き返しが功を奏しドロー。延長R、ボンヤスキーがハイキック、膝蹴りの手数とクリーンヒットで上回るが、武蔵も耐えてローを返す。ボンヤスキーが二連覇を決めたかに思われたが、ジャッジは厳しく再延長戦へ。結局最後はボンヤスキーがハイ、膝、パンチの手数で圧倒し、ダメ押しとも言える内容で二連覇を成し遂げた。
◆ボンヤスキー「(左腕を三角巾で吊っているのは?)ホースト戦の2Rの途中から痛くなった。(二連覇したことで真の王者であることを証明できた?)去年はホーストがいないから優勝したと言われたが、今年はホーストに勝ったことで、真の王者であることを証明できたと思う。(決勝は再延長になったが?)最初の延長で勝ったと思ったので驚いた。だが気持ちを切り替えて倒しに行こうと思った」
Last Update : 12/05 03:25
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