(レポ&写真) [スマック] 8.5 後楽園:辻、歴史に残る逆転勝利
スマックガール実行委員会 "OgmaOnline Presents SMACK GIRL 2004 〜聖地凱旋〜" 2004年8月5日(木) 東京・後楽園ホール 観衆:1414人(超満員)
レポート:井原芳徳 写真:米山真一 【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]
◆テレビ放映 J SPORTS「ワールドファイティング」 9/5(日)ほか
第8試合 SGS特別ルール(グラウンド顔面パンチ有り・グラウンド時間制限なし) -53.5kg契約 5分3R ○辻 結花(総合格闘技闇愚羅) ×エリカ・モントーヤ(アメリカ/ネクスト・ジェネレーション) 3R 4'00" 腕ひしぎ十字固め
大会進行が押しに押し、メインイベントのゴングが鳴ったのは9時55分。4時間を越える長丁場の興行に。VTRトラブル等の進行ミスも相まって、観客は待ちくたびれた様子だった。しかし辻とモントーヤは疲れを忘れさせるような名勝負を繰り広げ、最後は日本の女子MMAの歴史に残るであろう劇的フィニッシュ。見る者全てに強烈なインパクトを残した。 1R開始早々、辻のパンチに合わせて柔術式のタックルでテイクダウンに成功したモントーヤ。あっさりとバックを取り、スリーパー、腕十字で一気に攻める。辻はいきなりピンチの連続に見舞われるが、腕十字を外すことに成功すると観客から大歓声。なんとか1Rを凌ぎきる。 2Rからエリカはスタミナ切れ。「相手の息遣いが聞こえて、自分の方がバテてないとわかって、冷静に戦えた」という辻。エリカの三角狙いを防御すると、上からパンチと鉄槌を落とし、攻勢に転ずる。
3Rもエリカの三角と腕十字に苦しめられたが、脱出するとパウンドを落としてサイドへ。鉄槌で痛めつけた後、渾身の腕十字。エリカも腰を浮かせて防御するが、辻はあきらめず1分程粘り、試合終了1分前、ついにエリカの腕を伸ばすことに成功。見事大逆転勝利をおさめた瞬間、満員の会場は大歓声に包まれた。 グラウンド顔面パンチ有りのルールが採用されたことで、女子に似合わぬ凄惨な試合になると危惧する声が戦前あった。しかしこの試合に関してはそういう雰囲気にならず、結果的には好勝負を作り上げる好材料となった。スマックガールの篠泰樹代表は、グラウンド顔面パンチ有り・グラウンド時間制限なしの特別ルールは、ある程度の技術の備わった選手同士の試合のみでしか採用しないと語っている。試合自体もスマック4年の集大成と言える内容となったが、そういった運営側の冷静な判断も、4年の集大成と言えよう。
第7試合 SGS特別ルール(グラウンド顔面パンチ有り・グラウンド時間制限なし) -52kg契約 5分2R ○藤井 恵(ガールファイトAACC) ×松本裕美(PUREBRED京都) 1R 0'40" チョークスリーパー
開始早々、松本のパンチに合わせた勢いのあるタックルでテイクダウンに成功した藤井。相手陣営のコーナー際でややもつれてしまうが、素早い動きでバックを取り、スリーパーを極め完勝。総合プロデビュー戦を秒殺で飾った。マイクを持った藤井は「今日はみんな凄くいい試合をしていたので緊張しました。今日は松本さんに胸を借りるつもりで試合をしました。勝ててうれしいです」と笑顔で喜びを語った。
第6試合 SGS公式ルール 無差別級 5分2R ○高橋洋子(SOD女子格闘技道場) ×唯我(プロレスリング・ナイトメア) 1R 4'33" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチでの2度目のダウン後)
高橋がパンチで唯我をコーナーに追い詰めダウンを奪取。その後もボディブロー、顔面とボディへの膝蹴りで攻め続け、最後はパンチラッシュでスタンディングダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップ。唯我にほとんど何もさせないまま完勝した。
第5試合 SGS公式ルール 無差別級 5分2R ○AKINO(フリー) ×たま☆ちゃん(SOD女子格闘技道場) 判定2-1 (AKINO=山崎,川村/たま☆ちゃん=和田)
1R、AKINOが2度マウントを奪うが、いずれもたま☆ちゃんがリバース。スタンドではたま☆ちゃんがパンチを当て、優位に試合を運ぶ。2R、AKINOがギロチンでたま☆ちゃんを捕まえるが、力まかせで極め所が悪い。パンチで反撃する場面もあったが、たま☆ちゃんの左ストレートで逆に動きを止められる。その間にもたま☆ちゃんは2度腕十字でチャンスを作るなど、総合格闘技のキャリアの差を見せつけたが、判定は何故かAKINOに軍配が上がってしまった。
第4試合 The Next Cinderella Tournament決勝戦 SGS公式ルール 5分2R ○舞(パレストラ松戸) ×川畑千秋(Red Devil KIS'S) 判定3-0 (舞=和田,山崎,川村) ※舞が優勝
舞の回転の速いパンチに、川畑も右フックで応戦。その影響か?舞は左耳から出血したようで、途中から頭に包帯を巻いて試合を続行することに。2R、川畑が得意の腕十字でチャンスを得るが、寝技30秒制限に阻まれる。大差は無かったが、舞がパンチの連打で数度川畑をひるませたことが評価され、判定勝ち。新人王戦的な意味合いを持つこのトーナメントを制したことで、今後強豪との対戦が予想される。
第3試合 SGS 6人タッグマッチルール 15分3本先取 ×藪下めぐみ&せり&忍田なほみ(SOD女子格闘技道場) ○虎島尚子(RJW/Central)&真武和恵(和術慧舟會東京本部)&端貴代(和術慧舟會東京本部) 判定0-3 (虎島組=和田,芹澤,川村)
両チームとも一本を取る機会が無かったが、寝技でチャンスを多く作った慧舟會チームが判定で勝利。寝技30秒制限の後、すぐ選手がタッチに行く展開が繰り返され、やや単調な内容となってしまった。
第2試合 SGSタッグマッチルール 10分1本勝負 ○大室奈緒子(和術慧舟會東京本部)&内藤晶子(RJW/Central) ×羽柴まゆみ(BBdoll)&川江礼子(S-KEEP/キックネス) 1R 4'39" 腕ひしぎ十字固め(内藤→川江)
お揃いのコスチュームで闘った慧舟會コンビがチームワークの良さを発揮。最後は内藤がきっちり一本を奪った。羽柴の蹴りの技術の向上も光った。
第1試合 BackDrop杯 ロイヤルスマック2004 <参加選手>(順不同) おっさん(総合格闘技闇愚羅) KAZUKI(フリー) HARI(フリー) 村野麻子・浜島佳代子・稲葉陽子(Az乙女チック柔術倶楽部) 吉田正子(NATIVE SPIRIT) 15(所属不明) 井上明子(フリー) 三谷弘子(S-KEEP) X=ナナチャンチン(フリー) XX=藪下めぐみ(SOD女子格闘技道場) XXX=近藤有希(PUREBRED京都) <優勝> 17'35" 藪下めぐみ(SOD女子格闘技道場)
引退したナナチャンチンから始まったロイヤルスマック。藪下が圧倒的な強さを発揮し、半数以上の選手から一本を奪う活躍の末優勝を果たした。しかし薮下は右足の甲を7針縫う裂傷を負ってしまい、第2試合の後、第3試合のスタートまで20分近く観客を待たせることに。この日2試合出場したのは薮下のみ。アクシデントのリスクを考えると、トーナメントでは無い限り、今後1日2試合出場は控えたほうが良いだろう。
フレッシュファイト第2試合 SGS公式ルール -46.5kg契約 5分2R ○金子和美(フリー) ×山田純琴(y-park) 2R 1'23' 腕ひしぎ十字固め
フレッシュファイト第1試合 SGS公式ルール -56kg契約 5分2R ○長島佳代子(y-park) ×まりぃ015(S-KEEP) 判定3-0 (長島=和田,山崎,川村)
Last Update : 08/06
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