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(レポ&写真) [全日本キック] 6.18 後楽園:白鳥、サムゴー下し優勝

全日本キックボクシング連盟 "全日本ライト級最強決定トーナメント2004 FINAL STAGE/決勝戦"
2004年6月18日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:2018人(超満員札止め)

  レポート:BOX-T(KillerDoop) 写真:井原芳徳  【→掲示板スレッド】
  【→大会前のカード紹介記事】  【→一回戦】 【→二回戦】  【→昨年大会】


【全日本ライト級最強決定トーナメント】 ※サドンデスマッチは3分3R・最大延長2R

第3試合 準決勝 サドンデスマッチ
○白鳥 忍(モンゴル/高橋道場/1位)
×吉本光志(AJジム/3位)
判定3-0 (30-28/30-29/30-29)


 リング中央で額をつけて睨み付ける吉本に対し、苦笑いで眼を逸らす白鳥。しかし、白鳥はゴングが鳴ると一転して、羽ばたくような左右のフックとミドル、ハイのコンビネーションを矢継ぎ早に繰り出して行く。吉本はいつも通りに序盤はガードを固め、単発ながらも重いミドルで応戦。
 2Rも1R同様、白鳥が軽やかな動きで鋭いコンビネーションを上下に叩き込み、カカト落としも見せる。吉本も押され気味ながらも左ハイをヒットさせる。接近戦になると、禁止されているヒジの代わりにアッパーの応酬。残り30秒、白鳥は更に回転を上げ、怒涛のラッシュ。吉本は手が出なくなる。
 3R開始直後、吉本がパンチのラッシュを仕掛けるようとする。しかし、白鳥がその機先を制し、逆に左右のフック、ミドルの連打を打ち込んでいく。吉本の左ミドルに白鳥が右ローを合わせ、吉本は崩れるように倒れるが、これはスリップ扱い。立ち上がった吉本の左足に、白鳥が鬼の形相で右ローを連発。更にアッパー、ボディーのパンチ連打で畳み掛け試合終了。終始押していた白鳥が3-0の判定で勝利した。
 

第4試合 準決勝 サドンデスマッチ
○サムゴー・ギャットモンテープ(タイ)
×サトルヴァシコバ(勇心館/フェザー級4位)
判定3-0 (30-28/30-29/30-28)


 ゴング直後にヴァシコバは、スルスルと走りよりいきなりパンチの連打。サムゴーは左ミドルを返す。驚いたのは、いつもの威力がない事。ヴァシコバは至近距離から重い左ストレートをゴツゴツと当てていく。サムゴーは後退しながら左ミドルを連発するが、ヴァシコバの前進を止めることが出来ない。サムゴーをコーナーに詰めるとヴァシコバの怒涛のパンチ攻撃。アップセットか?と会場の期待は一気に高まる。
 しかし、突如、ヴァシコバは謎の失速。試合後、左足首を負傷した事をヴァシコバは明かしたが、事態の判らない青コーナーのセコンドは、もどかしそうに「行けー!行けよ!」と絶叫。距離が開いた所で、サムゴーの左ミドルからの強烈な左ストレートが顔面に炸裂。ヴァシコバをぐらつかせた。
 2R、サムゴーは相変わらず後退していくが、左ストレート、左ミドルを連発。段々と威力が増してきたサムゴーの左ミドルに、ヴァシコバの右肩周辺がドス赤くなっていく。攻撃を出せないヴァシコバに対し、完全に余裕を取り戻したサムゴーが小刻みにステップを踏み始める。
 3R、ヴァシコバは捨て身でパンチ攻撃を仕掛けるが、サムゴーに距離をとられ、左ミドルを浴びる。ヴァシコバの左ストレートがようやくヒットし、サムゴーの顔色を変えた。しかし、ヴァシコバには逆転する力は既になく、老獪なサムゴーにローで転ばされ、逃げ切られた。
 

第7試合 決勝戦 サドンデスマッチ
○白鳥 忍(モンゴル/高橋道場/1位)
×サムゴー・ギャットモンテープ(タイ)
5R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
4R 判定1-0 (10-10/10-9/10-10)
3R 判定1-0 (30-30/30-29/30-30)

※白鳥が優勝

 準決勝では吉本と眼を合わせなかった白鳥だが、サムゴーに対しては瞳孔を開き気味に睨み付ける。
 1R、白鳥が綺麗にワンツー。サムゴーは準決勝より威力のない左ミドルを返す。そこに白鳥はお構いなしに左右のフックを叩き込む。懐に入って来る白鳥に対し、サムゴーはヒザと、足を引っ掛けるローで対抗。白鳥は左後ろ回し蹴り等の大技を見せ、撹乱しようと試みる。

 2R、白鳥は歯をむき出して挑発したかと思うと、左のブラジリアンハイキックをサムゴーの顔面にヒットさせる。続いて、左後ろ回し蹴り、カカト落しの大技も見せ付ける。余裕を見せる白鳥に頭に来たのか、サムゴーは鬼の形相で左ミドルを出していくが、やはりパワーもキレもない。当たらなかったが、白鳥は更に飛びまわし蹴りまで繰り出す。
 3R、白鳥は小刻みにステップを踏み、鋭いステップインからパンチを叩き込む。これに対してもサムゴーはキレのない左ミドルを出していく。ここで、3Rが終了し判定へ。試合後、「トーナメントだからハッキリとした形じゃないと延長になるだろうと思っていた」と白鳥が語ったように、トーナメント決勝という性格上か、白鳥が終始押していたように見えたが、豊永以外のジャッジはドロー裁定。延長へ。

 4R、左ミドルを出すサムゴーに、白鳥は構わずワンツーを返す。サムゴーは白鳥のパンチに対し、苦し紛れに組み付く。時折、弱々しい眼を自コーナーのセコンドに向けるサムゴー。採三のホールディングにイエローカードを出される。4Rが終了し、再度判定になるが、やはり1-0でドロー。
 5R、いきなりサムゴーが強烈な左ストレートをヒットさせ、白鳥をグラつかせる。その後も、まるで左ミドルを捨てたかのように、サムゴーは接近してパンチ攻撃を仕掛ける。意表を突かれた会場は大興奮。
 しかし、パンチは白鳥の方が一枚上手。形勢を建て直すと、的確なパンチで段々とサムゴーを圧倒し始める。サムゴーはマウスピースを吐き出し、レフリーにアピールして試合を止めさせ時間を稼ぐ。再開後、白鳥は怒涛の連打。マストシステム判定3-0で、白鳥が、先日、交通事故で亡くなった兄との約束を果たし、優勝を手に入れた。サムゴー陣営は納得行かない様子でリングを後にした。

【ワンマッチ】

第6試合 バンタム級 サドンデスマッチ
○藤原あらし(S.V.G./1位)
×辻 直樹(山木ジム/MA日本フライ級王者)
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)

第5試合 フェザー級 サドンデスマッチ
○山本真弘(藤原ジム/2位)
×ラスカル・タカ(月心会/8位)
判定2-0 (30-29/30-30/30-29)

第2試合 フェザー級 サドンデスマッチ
○石川直生(青春塾/3位)
×竹村健二(名古屋JKファクトリー/5位)
判定3-0 (30-28/29-28/29-28)

第1試合 ミドル級 3分3R
×飯島浩二(健成會)
○森田礼王(建武館)
2R 1'31" KO (パンチ)

オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R
○森 卓(勇心館)
×小宮隆司(TEAM-1)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

オープニングファイト第1試合 -60kg契約 3分3R
×水落洋祐(はまっこムエタイジム)
○村山トモキ(AJジム)
1R 1'01" KO (膝蹴り)

Last Update : 06/19

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