(レポ&写真) [K-1 WGP] 6.6 名古屋:ボクサーとの対抗戦はK-1全勝
FEG "アルゼ K-1 WORLD GP 2004 in NAGOYA" 2004年6月6日(日) 愛知・名古屋市総合体育館レインボーホール
レポート&写真:井原芳徳 【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第8試合 3分3R(最大延長2R) ○武蔵(日本/正道会館) ×レイ・マーサー(アメリカ/アメリカン・トップチーム) 判定3-0 (御座岡30-27/中川30-27/大成30-26) ※1Rマーサーに左ハイキックによる1ダウンあり
マーサーはシューズ着用のため、蹴りが禁止の特別ルールの採用されたこの試合(イグナショフ戦も同様)。武蔵がサウスポーからの蹴りを上下に散らしてボクサーを翻弄し、左ハイでダウンを先制する。だがこのハイが原因か?1Rで武蔵は左足の甲を負傷。この後はローに耐えるマーサーと、自分の蹴りで自爆しないか焦る武蔵の「我慢比べ(武蔵談)」に突入する。 マーサーのジャブをバックステップでかわす武蔵。だが今度は膝蹴りを放ったところでマーサーに抱え上げられ、腰から叩き付けられてしまう。武蔵はヘルニアを患っており、今度は腰を負傷。ダメージが大きかったのは足の甲の方で、腰は2分のインターバルで回復するが、この間にマーサーの足のダメージも回復させることに。 痛みに耐えて左足でローやミドルを打ち続ける武蔵だが、威力は十分でなく、そのまま試合終了。マーサーを仕留めることができず「本当に未熟者だと思います」と観客にマイクで語ったが、その裏には左足の激しい痛みがあった。
さらに武蔵は「タイソンと戦うチャンスを与えてください」とアピールした。谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「アピールしてくれた気持ちはうれしい」と語るにとどまったが、「途中に足を痛め、ヘルニアを患っていながら、よくあそこまで戦ってくれた」と武蔵の奮闘を大いに称えていた。 直前のカードの大幅変更に悩まされた谷川プロデューサーだが「今日終わって第一の感想は、『やっぱりK-1っていいなあ』と。純K-1ルールで、倒し倒されの試合が続き、久々にK-1らしい大会になりましたね」と安堵の表情を浮かべていた。
第7試合 3分3R(最大延長2R) ○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム) ×フランソワ・ボタ(南アフリカ/スティーブズジム) 判定3-0 (後川30-27/中川30-27/大成30-26) ※1Rボタに膝蹴りによる1ダウンあり
「一撃」のフィリォ戦の敗退から一週間、急遽出場となったボンヤスキー。1Rこそ膝蹴りでダウンを奪うことに成功するも、ボタのボディブローをもらううちに動きが鈍くなり、ハイキック、飛び膝蹴りの切れ味も今ひとつ。「体調は良かった。来週も試合できるほどだよ」と試合後豪語したいたが、3Rは王者らしからぬ大味な攻めとなってしまい、KO勝ちとはならなかった。 対するボタはK-1参戦以来5戦全敗だが、「負けたけど気分は悪くない。キックも出せたし、自分が進歩しているのを感じた」と手ごたえを感じた様子。「以前はK-1を見下していたが、今はリスペクトしている」「蹴りの威力は凄いもんだね。俺も街でケンカを売られれば、今なら蹴りを出すだろうよ」「努力すればボクサーだってK-1で成功できる」とも語り、本格的にK-1ファイターとして戦っていくつもりがあることをうかがわせた。
第6試合 3分3R(最大延長2R) ○アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/チヌックジム) דキング”・アーサー・ウィリアムス(アメリカ) 1R 1'48" KO (右ローキック)
イグナショフが開始早々、右ロー一発でウィリアムスをスリップさせると、あとはやりたい放題。最後は左ハイをクリーンヒットさせた後、とどめのローでウィリアムスをマットに沈めた。試合後イグナショフは今後はK-1ルールに専念する意向を示した。
第5試合 3分3R(最大延長2R) ○ピーター・アーツ(オランダ/チーム・ピーター) ×ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバコ/フリー) 3R 1'40" KO (3ダウン:右ローキック)
12月のK-1 GP以来の試合となるアーツ。豪腕を振り回し突進するグッドリッジをジャブで突き放すと、右ローを着実に効かせ、グッドリッジを苦しめる。だが2R、グッドリッジに頭からマットに叩き付けられるアクシデント発生。3月のMMAデビュー戦前に痛め、欠場原因になった首を痛みを再発させてしまう。 「頭に血が昇り、息が詰まりそうなほど苦しかった」というアーツだが、怒りの炎が点火。グッドリッジの猛攻をしのぐと、再び右ローで形勢逆転。コーナーに詰め、ハイ、膝、ローの波状攻撃。3R、立て続けに3度のダウンを奪い、グッドリッジを葬り去った。 「今年はK−1に専念する。首が治れば総合に挑戦したい。グッドリッジと総合ルールでやろうか?」と冗舌なアーツ。谷川プロデューサーにも「今年のベストバウト」と言わしめ、今年のGP戦線での大活躍を予感させた。
第4試合 3分3R(最大延長2R) ×ヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ(南アフリカ/スティーブズジム) ○トム・エリクソン(アメリカ/フリー) 1R 0'55" KO (3ダウン:右ストレート)
ノルキヤのエンジンがかかる暇もなく、エリクソンがパンチラッシュで3連続ダウンを奪い快勝。会場を沸かせた。
第3試合 3分3R(最大延長2R) ×マーティン・ホルム(スウェーデン/ヴァレンテュナ・ボクシング・キャンプ ) ○ジャビット・バイラミ(スイス/チーム・アンディ) 判定0-3 (黒住29-30/中川29-30/岡林29-30)
マービン・イーストマンが4日の健康診断の結果、欠場。3月大会同様急遽代替出場となったバイラミが、2,3Rに単発ながらもハイや左フックを当て、僅差の判定勝ちをおさめた。
第2試合 3分3R(最大延長2R) ○マイケル・マクドナルド(カナダ/フリー) ×タケル(日本/正道会館) 2R 1'15" KO (3ダウン:右フック)
タケルの首相撲からの膝蹴りに対し、マクドナルドはすばやいボディとアッパーを返し、2Rにパンチで3連続ダウンを奪い完勝。直前のオファーながらも好調ぶりを発揮した。
第1試合 3分3R(最大延長2R) ○カーター・ウィリアムス(アメリカ/チーム・ブードゥーUSA) ×ピーター・ボンドラチェック(チェコ/バカルディージム) 2R 1'57" TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
2R、ウィリアムスが蹴り足をつかんでのパンチの連続攻撃でボンドラチェックをダウン気味に倒すが、反則にあたるため、減点1を宣告される。2分のインターバルが設けられるが、ボンドラチェックは体力を十分に回復できず。ウィリアムスのパンチで2度目のダウンを喫したところでレフェリーストップとなった。
Last Update : 06/06
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