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(レポ&写真) [ZST] 3.7 台場:末っ子・所英男、組技トーナメント制す

ZST事務局
"ZSTフェザー級グラップリングトーナメント GT-F"

2004年3月7日(日) 東京・スタジオドリームメーカー

  レポート:井田英登・石動龍
  写真:井田英登
  【→大会前のカード紹介記事】
  【→掲示板・ZSTスレッド】

第1試合 GT-F 一回戦(1)
×今成正和(TEAM ROKEN)
○若林次郎(SKアブソリュート)
判定1-2


 “今成のための大会”と主催者側も謳うほどの大本命、足関十段今成が1回戦敗退の波乱。スタンドでの攻防では絶対の自信を持つ若林が、足払いなど積極的な攻めを仕掛ける。グラウンドに入っても、オープンガードの足をがっちりヒザで押さえるなど、足関節を警戒する若林の固い守りもあって、今成は全般にカウンター狙いの戦いを強いられる。1Rには飛びつきから、2Rにも下からの二度の三角締めであわやのシーンを作った今成だったが、全体のアグレッシブネスを重視する判定基準に阻まれた形で、1回戦敗退を喫した。相手の攻撃を受け流し余裕を見せる、“イリホリスタイル”を貫いた試合態度も墓穴となったのかもしれない。

第2試合 GT-F 一回戦(2)
○ジェフ・カラン(チーム・エクストリーム)
×エヴァルダス・ブネビュチス (リトアニア・ブシドー協会)
1R 1'23" 三角絞め


 柔道強豪として鳴り物入りで登場したブネビュチスだが、このスタイルに対する準備不足は隠せず。カランは豪快に体を預けた飛びつき三角で、グラウンドに引き込み、回転して逃れようともがくブネビュチスを絞め上げ、勝負を決めた。

第3試合 GT-F 一回戦(3)
○松本秀彦(日本サンボ連盟)
×朝日 昇(東京イエローマンズ)
判定3-0


 今回、若林が胴着を着用しなかったため、唯一のジャケット使用となった松本。だが朝日はこの着衣を利用する引き込みに執着しすぎて、逆にグラウンドではこのクラスでは随一の腕力を誇る松本に、引きずり回される形になる。立ちでの強力な足払い、グラウンドでも樽を転がすように自由自在に相手をコントロールする松本。ほぼ一方的といっていい試合内容だった。

第4試合 GT-F 一回戦(4)
○所 英男(STAND)
×大石真丈(K'zファクトリー)
判定3-0


 ZST-GP開幕戦での痛恨の敗退から、3ヶ月。大石にとっては待望の再戦となったこのカード。リベンジを期して乗り込んできた大石だが、飛び付きを多用、グラウンドでも次々攻め手を止めない所の豊富な運動量に、後手に回らざるを得ない大石。抜けても抜けても、腕十字、ヒザ十字、アキレス、アンクルと、飽く事なく次々にアタックを繰り返す所の“若さ”が局面を切り開いていく。対する大石はようやく終盤になって、組み崩したところからバックを突いてのスリーパーを仕掛けるが、これも決まらず。

※この試合の後、休憩明けに今回休場となったエース小谷が登場。次回5月5日・ZST 5で、GP覇者マーカス・アウレリロと対戦すると発表した。

第5試合 GT-F 準決勝(1)
○若林次郎(SKアブソリュート)
×ジェフ・カラン(チーム・エクストリーム)
判定2-1


 早いタックルでバックを突いたカランだが、落ち着いて腕を押さえた若林はこれを切り返す。ならばと1回戦突破の必殺の三角に切り返すカラン。肘を入れてこれを乗り切った若林はこの後、再三サンビスト得意の足関でカランを翻弄。タップこを奪えなかったものの、堅実にポイントを重ね逃げ切った。

第6試合 GT-F 準決勝(2)
×松本秀彦(日本サンボ連盟)
○所 英男(STAND)
判定2-1


 序盤から所は再三の飛びつき十字を仕掛けるも、松本は着実に見切って腕を渡さず、いずれも不発。むしろ単調になった感があった。2Rも後転から入るヒザ十字など奇襲を狙うも極まらず。逆に松本の豪快な払い腰を浴びるなど、突破口が見つからない。2R終盤、ようやくいなし合いの隙をついて背中に飛びついてスリーパーを仕掛けたのが、唯一のアドバンテージというところか。結局、この攻めを松本が前に落として凌いだ所でゴング。両者がガッツポーズで勝利をアピールするもつれた展開となったが、僅差で所が逃げ切った。

第7試合 GT-F 決勝
×若林次郎(SKアブソリュート)
○所 英男(STAND)
2R 2'39" 裸絞め


 決勝は今成、ジェフ・カランを僅差の判定で下し勝ち上がってきたサンビスト・若林と、前修斗王者・大石とサンボ世界選手権銀メダリスト・松本を破ってきた所の組み合わせとなった。
 開始早々、所は若林に「予想以上だった」と言わしめたスピードを生かし、バックを奪う。そこからしつこくスリーパーを狙い続けるが、若林は落ち着いてガード。3分間耐えた後に反転して脱出し、アキレス腱固めを狙っていく。若林がヒザ十字、アンクルホールドなど積極的に足関節を仕掛けるなか1R終了。
 2R、若林が組みついてビクトル投げを仕掛けるが、所は潰してバックを奪う。所は1Rと同様しつこくスリーパーを仕掛け、粘る若林もついにタップアウト。
「矢野さんや今成さん、小谷君に追い付きたい」と語る控え目な“ZST4兄弟の末っ子”が、強豪揃いのトーナメントの頂点に輝いた。

 

第6試合 ZSTルール ライト級
○レミギウス・モリカビュチス(リトアニア・ブシドー協会)
×内山貴博(総合格闘技武蔵村山道場)
1R 1'48" KO


 この日唯一のZSTルールマッチ。ジェネシストーナメント準優勝を経て、本戦進出を果たした内山。このところ強烈なストライキングでKOの山を築き、「ZSTのミルコ」の異名をとるレミギウスの対戦相手に抜擢された。
 顔面にワセリンを塗ってきたことでイエロースタートとなったレミギウスだが、パンチ合戦ではやはり強烈な閃きを見せ、いきなり左フックで内山をぐらつかせる。だが腰が落ちた内山へのローが不幸にして顔面を襲うことになり、グラウンド状態の相手への顔面キックと見なされ、再びイエローカードを貰う。再開直後、派手な二ールキックで客席を湧かせた内山だが、この直後のタックルはフロントチョークで切り替えされるなど、いずれも勢いだけの攻めに終わってしまう。フィニッシュはパンチの打ち合いでカウンターの左フックを浴びて、大の字に伸ばされてしまった。



【ジェネシス・フェザー級グラップリングトーナメント】

1回戦では、“リングドクターVS漫画家”の異色対決が話題を呼んだ花くまゆうさくと綱川“DOCTOR”慎一郎の対戦が、意外な(といっては失礼だが)スィングぶりを見せて客席を沸かせた。引き込みを多用する砂川に対して、それをいなして、ひたすらバックからのスリーパーを奪いに行く花くま。ジェネシスバウトとは思えない“回転体”の攻防はなかなかの見ごたえだった。試合終了とほぼ同時に、花くまのスリーパーで細川が失神するというフィニッシュも劇的であった。(公式結果は判定3-0)

しかし、二回戦ともなると、パンツに「膠着」の二文字を刻んで、老獪な押さえ込みに徹する佐藤が、花くまのトリッキーな動きを封じて、着実に決勝へコマを進める。一方、足の効きを武器に、確実なポジションワークで勝ち上がった代官山。決勝は2Rで行われたが、相手をコーナーに貼り付け、徹底して相手の持ち味を殺す佐藤が、消極イエローカードをものともしない“ブラックホール”ファイトで優勝を飾った。

第1試合 一回戦(1) 5分1R
×小松俊明(ロデオスタイル)
○岩佐“ジャージ”貴虎(SKアブソリュート)
判定0-3

第2試合 一回戦(2) 5分1R
○代官山剣Z(TEAM ROKEN)
×宮川博孝(チーム・アライアンス)
判定3-0

第3試合 一回戦(3) 5分1R
○佐藤 力(SKアブソリュート)
×加藤壮一郎(ストライプル)
1'18" ヒールホールド

第4試合 一回戦(4) 5分1R
○花くまゆうさく(AXIX柔術&一番星グラップリング)
×綱川“DOCTOR”慎一郎(K'zファクトリー)
判定3-0

第7試合 準決勝(1) 5分1R
×岩佐“ジャージ”貴虎(SKアブソリュート)
○代官山剣Z(TEAM ROKEN)
判定0-3

第8試合 準決勝(2) 5分1R
○佐藤 力(SKアブソリュート)
×花くまゆうさく(AXIX柔術&一番星グラップリング)
判定3-0

第9試合 決勝 5分1R
×代官山剣Z(TEAM ROKEN)
○佐藤 力(SKアブソリュート)
判定0-3

【ジェネシスバウト・ワンマッチ】

第5試合 ジェネシス・グラップリングマッチ クルーザー級
○渡部悠太(G-スクエア)
×野津恒行(ストライプル)
3'22" 腕ひしぎ十字固め

第6試合 ジェネシス・グラップリングマッチ ライト級 
○藤沢卓也(禅道会)
×坂本 猛(フリー)
4'06" 腕ひしぎ十字固め

Last Update : 03/08

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