(レポ&写真) [修斗] 10.31 北沢:ウェルター新人王決定戦は圧倒の秒殺劇
ガッツマン・プロモーション "下北沢修斗劇場 第7弾 〜若大将は誰だ!〜" 2003年10月31日(金) 東京・北沢タウンホール 認定:インターナショナル修斗コミッション
レポート&写真:井田英登 [→掲示板・修斗スレッド]
メインイベント 第7試合 バンタム級 5分3R ○生駒純司(直心会格闘技道場/世界5位) ×廣野剛康(和術慧舟會GODS/世界7位) 判定3-0 (30-26,30-29,30-28)
接戦とは言えないかも知れない。 両者の身長差は15センチ。しかしリングに立った二人の見た目の差はそれ以上にも見える。まるで聖書に謳われた、巨人(ゴリアテ)と少年(ダビデ)のように。 だが廣野は身長差をものともせずよく闘った。リーチを活かしてパンチを放ってくる生駒のそれをかいくぐり、カウンターのパンチをヒットさせる。逆に生駒は下がらざるを得なくなり、廣野はそのタイミングで胴タックルを仕掛け、ロープに押し込んでいく。 組み合って倒せば、身長差は関係ない。そういう作戦だったのだろう。果敢に足払いを仕掛けてテイクダウンを狙う。だが現実問題リーチ差は如何ともしがたい。ただでさえ長い生駒の腕が、下から廣野の首に絡みつき、スリーパーを狙ってくる。いつの間にか絶対のピンチの体勢に。何とか抜いたかと思えば、今度は下からの腕十字と、生駒は柔らかな体を活かして極めを狙ってくる。
ただスタンドでの攻防となると、やはり的が小さいためか、生駒のパンチはなかなか廣野を捉えることが出来ない。ましてちょこまかと動き回る廣野のこと、スタンドの差し合いまではむしろ、廣野のほうが勢いがあるようにも見える。だが最終ラウンドにも下からの腕十字、バックを取られてのスリーパーと、“形”になる攻撃を仕掛けたのはいずれも生駒だった。当然のように判定は生駒に傾く。だが、「一本を取れなかったら引き分けと同じです」と生駒は嘆くことしきり。33歳の遅れてきたメインイベンターはどこまでも謙虚だった。
第6試合 03年度新人王トーナメント ウェルター級決勝戦 5分2R ×鹿又智成(武蔵村山道場) ○帯谷信弘(ガッツマン修斗道場) 1R 0'11" TKO (レフェリーストップ)
いきなり打って出た帯谷の右フックが鹿又の顎を打ち抜いた。「当たった瞬間、終わったなと思った」と帯谷が振り返った通り、ガクッと力の抜けた鹿又を払い腰で投げると、そのまま覆いかぶさってパウンドの嵐。「もうあとは鈴木さん(レフェリー)が早く止めてくれないかなと思ってました」とうそぶく。だが、アブダビ出場、アマチュア時代の敗戦、そして今回もアメリカントップチームへの出稽古とマスコミに取り上げられる事の多かった鹿又に対するジェラシーが、ずっと心には渦巻いていたという。「でもここは修斗だから関係ないと思って闘った」とすっきりした表情で、圧勝に終わった一戦を振り返る。 「これからはガッツマンを背負う存在にならなければいけませんね」というインタビュアの言葉に、すかさず「まだまだだな」とツッコむ師匠桜田直樹氏とのコンビネーションも最高だ。今後、ウェルター戦線をかき回す存在に育っていくかもしれない。
第5試合 03年度新人王リーグ戦 フライ級 5分2R ×鶴見一生(RJW/G2) ○タイガー石井(パレストラ吉祥寺) 判定3-0 (19-17,20-18,19-18)
序盤から切れのいいローを放ち、テイクダウンされても下からのアームロックを取るなどタイガーの攻めが目立つ。2Rにもフックでダウンを奪い、三角絞めでのキャッチまでいった石井だが、結局詰めが甘く極めきれなかった。
第4試合 ライト級 5分2R ×菅谷Gatch正徳(直心会) ○リオン武(シューティングジム横浜 1R 3'04" TKO (タオル投入)
序盤は互角の攻防となった両者だが、リオンが足払いからのテイクダウンで上を取り鉄槌を落としている最中に、菅谷は左目の上を切って流血。結局傷が深く、血が止まらなかったため、セコンドのタオル投入となった。
第3試合 ウェルター級 5分2R ×竹内コウジ(シューティングジム横浜) ○天突頑丈(PUREBRED大宮) 判定3-0 (20-18,20-19,20-18)
ケンカ腰の打撃で天突が突進。組み付いては上を取る、セオリーどおりのパウンド攻撃を仕掛けていく。ただ、相手の竹内もベテランらしく、天突の手首を取りながら、足の裏で天突の腰をコントロール。なかなか殴らせてくれない。結局この攻防が延々と続いて判定へ。勢いの勝った天突の勝利は動かなかったものの、竹内のしたたかさも光った一戦だった。
第2試合 フェザー級 5分2R ○田澤 聡(GUTSMAN・修斗道場) ×細井貴洋(パレストラ松戸) 1R 0'58" アームロック
飛び蹴りで奇襲を掛けてきた細井に対して、田沢はパンチで応戦。乱打の中で右が細井の顔面を捉えて、腰が砕ける。タックルで凌ごうとする細井だが、すかさず鮮やかな一本背負いでテイクダウンする田澤。立とうとする細井の腕を獲ってそのままひねり上げるという息もつかせぬ連続攻撃で、ホームでのデビュー戦を鮮やかに飾った。 試合後も涙に暮れる田澤は舞い上がったままだったらしく、師匠の桜田氏に「何が当たってました? 全然覚えてません」と問いかけるほど。いかにもガッツマンの選手らしい人間味のある風景であった。
第1試合 バンタム級 5分2R ×BJ(AACC) ○佐瀬純一(パレストラ千葉) 判定3-0 (20-19,20-18,20-19)
開始早々師匠・阿部兄譲りの素早いタックルで上を取るBJだが、佐瀬はオープンガードを有効に使い、下から腕十字を仕掛けてくる。何とか腕を抜いてアリ猪木状態になると、今度はヘンゾキックが顔面を襲ってくる。まさにレスラーvs柔術家の典型のような試合展開。2RでもBJの積極性は空回りし、逆に上を取られ洗濯バサミで切り替えしたものの、再び下からの十字で腕を狙われるなど、佐瀬の粘り強さの前に苦しんだ。
Last Update : 11/04
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