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(レポ&写真) [パンクラス] 6.7 ディファ:シュートボクセのカストロ、山宮に“圧”勝

パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2003 HYBRID TOUR"
2003年6月7日(土) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・パンクラススレッド]

メインイベント ライトヘビー級 5分2R
×KEI山宮(パンクラスism/6位)
○ニルソン・デ・カストロ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
1R 4'00" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 ディファにはカストロの同僚のヴァンダレイ、ニンジャ、翌日PRIDE.26での試合を控えたアンデウソン、師匠のフジマール会長らが来場し、試合前からシュートボクセ流の「ヘェーイ」という掛け声が会場に響き渡る。その大きさは山宮への声援をかき消すほどだった。ライトヘビー級王者の菊田も解説者席から見守る。
 試合は序盤、カストロの鋭い打撃をかいくぐり、レスリング出身の山宮が得意の低空タックルでカストロをテイクダウンすることに成功する。だがカストロはそのままネックロックで山宮を捕まえたり、山宮が首を抜いてからも顔を押したりプレッシャーをかけ、山宮に何もさせない。「今まで戦った選手では感じたことのないような圧力だった」と振り返った山宮。なんと、せっかくテイクダウンしたというのに、「このままだと相手に立ち上がられると思ったので、先に立ち上が」ってしまう。

 立ち上がる直前、セコンドからは寝技で勝負するよう指示が飛んでいたが、山宮はここで自ら立ち上がったことについて、作戦ミスではなかったと語る。だがスタンドに戻るのはカストロにとって望み通りの展開。カストロは山宮のストレートを軽々とかわすと、首相撲で山宮をがっちりとつかまえ、強烈な膝蹴りを連打。山宮はカストロの膝を「効いたというより、うまい。疲れさせられた感じ」と振り返る。

 これで完全にリズムを自分のものにしたカストロ。最後は飛び膝蹴りで山宮をマットに倒してから、ハーフガードの体勢で山宮を圧しながらパンチを連打。山宮は「効いていなかった」というが、頭を両手でブロックして亀のような状態でうずくまりながらパンチを浴び続けたため、レフェリーは試合をストップ。直後は山宮も止められたことに不満を示したが、インタビューで「セコンドに聞いたら止められても仕方ない状況だった。今は納得している」と認めた。
 シュートボクセの面々とともに大喜びのカストロ。マイクを持つと「パンクラスの一番を目指す」と宣言。8.31両国大会への参戦も濃厚で、ライトヘビー級戦線の台風の目となりそうだ。
 大会終了後、パンクラスの尾崎允実社長は、両国大会に新日本プロレスから複数の選手が参戦すると発表。「両国はパンクラス対新日本、パンクラス対世界の2本立てになる」と語った。近藤 vs. 菊田の再戦は両者の希望もあり8月大会では行わないが、12月開催予定の大規模大会で行う意向を示した。

セミファイナル ミドル級 5分3R
○竹内 出(SKアブソリュート/1位)
×窪田幸生(パンクラスism/10位)
判定3-0 (廣戸30-28,岡本30-29,梅木30-28)


 窪田が的確な左ロー、伸びのある右ハイ、飛び膝蹴りなど打撃面での成長を見せる。だが2R終盤の竹内の右ストレートで腰が沈み、グラウンドのポジショニングでも竹内に優位を許す。3R後半はテイクダウンに成功した竹内が上を制して強烈なパンチを連打し続け窪田を圧倒。窪田はランキング1位の牙城を崩せなかった。

第6試合 ウェルター級 5分3R
△芹澤健市(RJW/CENTRAL/3位)
△和田拓也(SKアブソリュート/7位)
判定1-1 (廣戸29-30,岡本29-29,梅木29-28)


 1R、芹澤のローに合わせてタックルでテイクダウンに成功した和田だが、上からの攻め手に欠く。2Rも同様。芹澤も下から三角を狙うが失敗。
 3R、倒れた和田の顔面に、芹澤が強烈な蹴りを放つ。和田が必死にタックルでしがみつき上になるが、ハーフガードのまま攻め手がなくブレイクがかかる。後半には芹澤がスリーパーを狙うが、和田は防御しインサイドガードに戻し試合終了。
 評価の難しい試合となり、結局ドロー。芹澤は足を引きずり、守山トレーナーに肩をかつがれ退場した。

第5試合 無差別級 5分2R
×石井 淳(超人クラブ/10位)
○多田尾秀樹(RJW/CENTRAL)
判定1-2 (廣戸19-20,岡本20-19,梅木19-20)


 いつものように応援団の大声援を受けた石井だが、1R序盤、多田尾(右)の右ストレートで腰が落ちいきなりのピンチ。試合は多田尾が石井をコーナーに押し込む展開が何度も繰り返される。石井は2Rこそ打撃戦でやや盛り返し、スタンドでのギロチンも狙うが極まりが浅く最後まで決め手に欠く。結局序盤に右を当てた多田尾が判定勝ち。

第4試合 ウェルター級 5分2R
○小沢 稔(V-CROSS)
×飯田崇人(A-3)
判定3-0 (廣戸20-17,岡本20-17,梅木20-17)


 2R序盤に飯田の右ストレートでぐらつく場面もあった小沢だが、2R通して何度もテイクダウンを奪い、マウントを数度取るなどポジショニングで強さを発揮し勝利。飯田はDEMOLITIONルールの癖が出たのか?2Rに4点ポジションで小沢の頭に膝を叩き込んでしまい、イエローカードをもらっている。

第3試合 ミドル級 5分2R
△金井一朗(パンクラスism)
△外山慎平(和術慧舟會東京本部)
判定1-1 (廣戸19-20,岡本20-19,梅木20-20)


 外山が何度もテイクダウンを奪い、バックマウントを取りかける場面もあったが、金井にすぐ立たれてしまう。金井もスタンドでアームロックを狙ったり、コーナー際で膝を連打するなど積極的に攻めるが、互いに決め手に欠きドロー。

第2試合 フェザー級 5分2R
○和知正仁(チームRoken)
×島袋零二(HYBRID WRESTLING 武∞限)
判定2-0 (廣戸20-19,岡本20-19,梅木20-20)


 和知はハックハンドブロー、島袋は右フック主体で、終始スタンドでの激しい殴り合いを繰り広げる。島袋の右フックで左目尻を切った和知だが、右ストレートの的確さで勝り、終盤には島袋の鼻から出血を誘い、僅差の判定勝ちをおさめた。

第1試合 フェザー級 5分2R
○志田 幹(P'sLAB東京)
×吉信(四王塾)
判定3-0 (廣戸20-19,岡本20-19,梅木20-19)


 志田が両ラウンドともテイクダウンを奪い、攻め手に欠いたものの上を制し続け判定勝ち。

Last Update : 06/13

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