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(レポ&写真) [修斗] 5.4 後楽園:松根、フェザー級王座挑戦権獲得。漆谷が金星

サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦" 2003年5月4日(日)東京・後楽園ホール

  レポート:石動龍  写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】  [→掲示板・修斗スレッド]


メインイベント 第10試合 J SKY SPORTSプレゼンツ・フェザー級サバイバートーナメント・決勝戦 5分3R
×今泉堅太郎(SKアブソリュート/2位)
○松根良太(パレストラ松戸/3位)
判定0-2 (28-29,29-29,28-29)


 サバイバートーナメントの決勝はお互い警戒しあってか、静かな立ち上がり。しばらくお見合いが続くが、松根は今泉の左ハイキックをガードすると、素早く間合いを詰めての右フックでダウンを奪う。

 今泉はすぐに立ち上がり、ダメージは少ないようだ。再開後は激しい打ち合いとなる。松根は左右のフック、今泉は顔面への膝蹴りを狙い、お互い一歩も引かない。さらに松根はパンチから組み付き、外掛けで今泉をテイクダウンする。上からこつこつとパンチを落とし、1Rが終了。
 2Rもフック、膝が交錯する打撃戦となる。顔面にパンチを当てあい、両者とも鼻から出血する。3分過ぎ、今泉が下からアームロックを仕掛けるが、松根はなんとか逃れる。
 最終ラウンド。ポイントで不利な今泉はゴングと同時に飛び膝蹴りで突進する。松根が組み付いてテイクダウンするも今泉がスイープし、上からパンチを落とす。そこから今泉はパスガード、バックを狙うも松根もしぶとくハーフガードでこらえ、決定的な差のないまま試合終了のゴング。勝敗は判定に委ねられる。1Rのダウンが決め手となったか、松根が僅差で今泉を下し、賞金100万円と大石真丈の持つベルト挑戦の資格を手に入れた。

◆松根(リング上)「(1Rに奪ったダウンは)治政館の長江(国政)館長や道場の方と練習して自信がつきました。本当にお礼を言いたいです(※治政館は松根の師匠の鶴屋浩(左)が昔いた道場で、武田幸三も所属する)。僕は修斗が好きで、毎日修斗のことばっかり考えて、修斗のために生きてきました。その気持ちはこれからも変わりません。絶対にチャンピオンになります」

◆大石(リング上)「誰が勝ってもおかしくないトーナメント勝って来たんで、逆に挑戦する気持ちで戦いたいです」

◆今泉(バックステージ)「やりたいことができなくて、打撃を封じ込められてしまいました。最初のダウンはそんなに効かなかったんですけど、松根選手は以前より拳の握り方がうまくなってましたね」

第9試合 ウェルター級 5分3R
×雷暗 暴(米国/PUREBRED東京/1位)
○ヴィトー・“シャオリン”・ヒベイル(ブラジル/ノヴァ・ウニオン/5位)
判定0-3 (27-30,28-30,28-30)


 シャオリンの同僚・ホーキと去年9月DEEPで戦った時の雷暗は、契約体重が低いためコンディションが良くなく十分力を出せなかった。ブラジルでレスリング王者に何度も輝いているシャオリンは強靭な足腰と動物的な反射神経を発揮するが、雷暗はしつこいタックルでなんとかテイクダウン。ホーキ戦の反省から、先に上を取ることに成功する。
 しかし下になっても強いのが柔術の天才シャオリン。雷暗が先に上になる場面が多かったが、綺麗にスイープを決め、ことごとく体勢を逆転してみせる。パスガードこそなかなか許さなかった雷暗だが、下になる時間が長い。互いにダメージはほとんどなかったが、シャオリンの優勢勝ち。1位の雷暗を下したことで、王者・五味への挑戦に大きく前進した。

第8試合 バンタム級 5分3R
×ホビソン・モウラ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン/1位)
○漆谷康宏(RJWセントラル/3位)
判定1-2 (28-29,29-28,28-29)


 昨年9月に前フェザー級王者マモルを圧倒したモウラが、新人王漆谷を迎え撃つ。1R開始早々モウラが低空タックルで漆谷をテイクダウンする。モウラはそこからあっさりハーフ、サイド、マウントとポジションを奪い、寝技の実力差を見せつける。さらにモウラはマウントから腕十字を狙うが、漆谷は辛うじて逃れる。回転して上になった漆谷だが、モウラは下から三角締めを仕掛けながらポジションを入れ替える。モウラが上になったところで1R終了。

 モウラ優位で試合が進むかに思われたが、2Rに入ると漆谷の反撃が始まる。モウラの執拗なタックルをがぶって切り、得意分野である寝技に持ち込ませない。漆谷はスタンドではローキックをヒットさせ、タックルにもカウンターの膝を当てる。タックルを切られて寝転ぶモウラの足にもキックを連打。足を踏み付けにかかると、会場がいっそうヒートアップする。
 3R、疲れの見えるモウラに対し漆谷はローを当てていく。ヒットするたび足が流れ、モウラは苦悶の表情を浮かべる。さらに漆谷はスタンドでプレッシャーをかけ続け、ローだけでなく飛び膝蹴りを繰り出し、モウラを苦しめる。防戦一方だったモウラだが、終盤ようやくテイクダウンに成功。寝技になると実力を発揮し、1Rと同様あっという間にマウントを奪う。そこからパンチを落としていくが大きなダメージを与えられないまま試合終了。ポジションは支配されたものの打撃で与えたダメージが評価され、漆谷が大金星を挙げた。

 漆谷は感極まり涙を流しながらマイクアピール。直前に肘の靭帯を損傷し、出場を迷ったことも明かした。そして、マモルとのバンタム級タイトル戦をアピール。「とにかく上には1人しかいないんで、次はちゃんと一本で勝ちます」と叫んだ。

◆モウラ(バックステージにて)「判定には納得いかない。ペデネイラス先生も僕が勝ったと言ってくれたし、僕もそう思う。コミッションは今日の試合内容を後で冷静に分析してほしい。いいポジションを取ったほうが判定で評価されるルールだと思ってたのに残念だ。また漆谷と戦いたい。実際戦ってみた漆谷は戦前予想していたぐらい強さで、それほど手強くなかった。僕のほうが先にスタミナロスしてしまって、彼がたくさん蹴りを出していたけど、それは判定には関係ないはず。蹴りのダメージはない。」

第7試合 ライトヘビー級 5分3R
△マルタイン・デヨング(オランダ/タツジン・ドージョー/5位)
△山下志功(パレストラ札幌/6位)
判定1-0 (28-28,28-28,29-28)
※テクニカル・ドロー
※3Rマルタインにロープつかみの減点1あり


 開始のゴングと同時に山下が突進。タックルでマルタインをテイクダウンする。山下は上からパンチを落としていくが、マルタインはしっかりガード。山下は有効打を当てることができない。逆にマルタインの下からのパンチがヒットし、山下の顔面は腫れ上がる。
 2Rに入っても山下が前にでる。だが、マルタインは闘牛士のように突進をかわし、膝とパンチをひっとさせる。山下も右フックで反撃し、マルタインをぐらつかせる場面も。一進一退の攻防のまま、2Rが終了。
 3Rも山下が前に出る。差し合いからテイクダウンしかけると、マルタインはロープ掴みの反則。減点1が課される。再開後は山下が上からパンチを落とす展開。マルタインはしっかりガードして下からパンチを返していき、山下の顔をさらに腫れ上がらせ、出血させる。山下がパウンドを続ける中で試合終了。判定は割れたが、2対1で山下に軍配が上がった。

(8/15 up) 大会後デヨング側は採点を不服とし提訴。インターナショナル修斗コミッション(ISC)は8月3日、判定1-2 (27-29,27-29,29-28)による山下の勝利から、判定1-0 (28-28,28-28,29-28)の「テクニカル・ドロー」に裁定を変更した。[詳細]

第6試合 フェザー級 5分3R
×塩沢正人(和術慧舟會/4位)
○マルコ・ロウロ[Marcos "Louro" Galvao](ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
判定0-2 (29-29,28-29,28-29)


 昨年末NK大会で実力者・池田久雄をKOし、タイトル有力候補に踊り出た塩沢と、シャオリン・ホビーニョを擁するノヴァ・ウニオンからの刺客マルコ・ロウロの一戦。メインのサバイバートーナメント決勝と合わせ、今後のフェザー級戦線を占う上で見逃せない試合となった。
 開始早々マルコが鋭い低空タックルで塩沢をテイクダウン。下になった塩沢は、スイープを成功させるなど寝技の実力を見せ付ける。だが下になる時間が多く、マルコに上からのパウンドを許す。マルコが再三テイクダウンし、優勢のまま1R終了。
 2Rに入ってもマルコがタックルを仕掛ける。塩沢はテイクダウンを許す場面もあったが、中盤にタックルを切っての腹固めで反撃開始。そこからアームロックとの複合技に移行し、マルコをあと一歩のところまで追い詰めるが極めきることはできない。
 3Rは塩沢のラウンドになる。膝蹴りやローキックでプレッシャーをかけ、タックルを切って上を取るとパンチを落とす。終盤にはパスガードにも成功するが、大きなダメージを与えることはできずに試合終了。前半のリードを守ったマルコが僅差で塩沢を振り切った。

第5試合 68.0kg契約 5分3R
○門脇英基(和術慧舟會/ライト級クラスA)
×石川 真(PUREBRED大宮/ライト級クラスA)
判定3-0 (30-28,29-28,30-28)


 寝業師のイメージが強い門脇だが、今回は「剛術シューター」の異名を持つ石川とスタンドで真っ向勝負。開始から門脇は左フックを度々ヒットさせ、石川の右目を腫らす。2Rに入っても門脇の左フックが当たり、石川は目じりから出血する。石川もタックルでテイクダウンするが、門脇の巧みなガードワークに阻まれ、有効打を当てられない。出欠がひどくなり、ドクターチェックが入る。
 3Rになっても門脇の優位は変わらない。石川のタックルをがぶってテイクダウンを許さず、スタンドでは左フックを当て、石川を2度目のドクターチェックに追い込む。そのまま試合は終了し、門脇が嬉しいクラスA初勝利を手にした。

第4試合 バンタム級 5分2R
△阿部マサトシ(AACC)
△生駒純司(直心会格闘技道場)
判定1-0 (19-18,19-19,18-18)


 昨年七月の後楽園大会以来の再戦。前回は豪快なスープレックスで生駒を何度も投げ飛ばした阿部が判定勝ちを収めている。敗れた生駒はその後2連勝、2つの一本勝ちと調子を上げており、前回と同様の展開にはなりそうにない。
 試合開始からリーチに勝る生駒が右ストレートでプレッシャーをかける。阿部はタックルから生駒をコーナーに押し込み、テイクダウンを狙うが生駒も耐えてテイクダウンを許さず、前回からの成長を見せる。コーナーで膠着したまま1Rが終わるかに思われたが、ラウンド終了直前阿部が離れ際の右フックでダウンを奪う。
 2Rは阿部がタックルで上を取り、パンチを落とす。ポイントで不利な生駒だが、下からの腕十字で反撃開始。今までの勝利が全て一本勝ちという極めの強さを見せ、キャッチを奪う。阿部も必死に逃げ、一度は逃れるが生駒は執拗に腕十字を狙い再びキャッチ。今度こそ極まったかに思われたが阿部はしぶとく脱出し、スタンドに戻って試合終了。痛み分けに終わった。

第3試合 ミドル級 5分2R
△徳岡靖之(パレストラ加古川)
△岩瀬茂俊(総合格闘技TOPS)
判定0-0 (19-19,19-19,19-19)


 1Rは岩瀬が優勢。タックルでテイクダウンし、バック奪ってスリーパーを狙うも極めるまでには至らない。
 2Rに入ると、今度は徳岡に試合の流れが傾く。ローキックとワンツーをヒットさせ、岩瀬にプレッシャーをかける。岩瀬は間合いを詰めることができず、遠い距離から仕掛けるタックルは全て切られてしまう。その後も展開は変わらず、徳岡が優勢のままで試合終了。1Rずつポイントを取ったか、引き分けに終わった。

第2試合 03年度新人王トーナメント・ミドル級2回戦 5分2R
○福本よう一(和術慧舟會千葉支部)
×杉浦“C坊主”博純(シューティングジム大阪)
判定3-0 (20-19,20-18,20-18)


 開始直後に両者が突進。打撃が交錯する中で福本の右フックが杉浦のアゴを捕らえ、開始2秒で先制のダウンを奪う。杉浦はすぐに立ち上がり、ダメージは見られない。再開後は杉浦がタックルでテイクダウンする。さらに上からパンチを落とすと、福本は嫌がって背を見せる。杉浦はバックからスリーパー、続けて腕十字を狙うが福本も腕を抜いて防戦。一進一退の攻防を見せる。
 2Rに入ると福本が上を制する時間が増え、一瞬マウントを奪う場面も見せる。杉浦もバックからの腕十字で反撃するが極めきれず。福本が3-0で判定勝ちを収めた。

第1試合 03年度新人王トーナメント・ウェルター級2回戦 5分2R
○鹿又智成(総合格闘技武蔵村山道場)
×滝田J太郎(和術慧舟會東京本部)
1R 4'49" 腕ひしぎ十字固め


 翌日は子供の日。鯉のぼりをアレンジした衣装の滝田は「屋根より高いJ太郎」と歌いながら、“Jボーイズ”の騎馬に乗って入場。試合開始後もタックルからの外掛けでテイクダウンに成功し、主導権を握りかける。
 だが鹿又の倒れ際の三角絞めに捕らえられ、万事休す。極まりかけるも滝田は一分ほど耐えてしぶとく脱出。上からパンチを落として反撃開始と思われたが、鹿又はパンチに合わせて腕十字を仕掛ける。今度はがっちり極まり、滝田は無念のタップアウト。鹿又が新人王トーナメント決勝へ駒を進めた

Last Update : 05/14

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