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(レポ) [K-1] 10.5 さいたま:Mr. パーフェクト陥落!10年目の激震、Kの祭典を揺るがす

K-1 "アルゼ K-1 WORLD GP 2002 開幕戦"
2002年10月5日(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
観衆・20200人(超満員札止め:主催者発表)

レポート:高田敏洋  カメラ:井田英登  取材:仲村直 今野夕子

【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・K-1ヘビー級戦線スレッド]

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第7試合 K-1ルール 3分3R
×アーネスト・ホースト(オランダ/ボスジム)
○ボブ・サップ(米国/チーム・ビースト)
1R 3'00" TKO (ドクターストップ:ホーストの左眉上部裂傷のよる)

サップはいつもどおり巨体の勢いに任せて突進し、相手をコーナーポストに押しつけて大振りの左右フックを振り回すラフな攻撃。ホーストは両腕で顔面ブロックし、素早いコンビネーション・ブロー、がら空きの左太股裏側へのローキックなどで確実にダメージを蓄積させていく。特にディフェンスを知らないサップにローキックはかなり効いたようで、サップの突進が止まり、ホーストのローを受けるたびその巨躯がグラグラと揺れる。ついにMr.パーフェクトが巨獣狩りに成功するかに思われたが、気を引き締めるように体を丸め、片腕でホーストをコーナーに釘付けにしたサップのパンチラッシュが、ホーストのガードを吹き飛ばしその隙間から顔面を捉えて、ダウンを奪取。左まぶたから出血するホーストに試合は一時中断。これで勢いを取り戻したサップがホーストをコーナーに詰めて滅多打ちにする。ホーストは2度目のダウンを奪われ、続く3度目は辛うじてゴングに救われたが、左目カットのダメージが大きくここで試合はドクターストップ。「3タイムズ・チャンピオン」ホーストをもってしても、サップのパワーを止めることはできなかった。

 

第6試合 K-1ルール 3分3R
○ジェロム・レ・バンナ(フランス/ボーアボエル&トサジム:チーム・ネオ・ウルフ)
×ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ/フリー)
1R 0'42" KO(右ストレート)

試合前から闘争心を露わにする両者に、場内はヒートアップ。かくしてゴングと同時に激しい撃ち合いに突入するが、やはり基本的な技術、地力の差がすぐにはっきりと現れた。試合を決したのはグッドリッジのガードの隙間からコンパクトにその顎を打ち抜いた、バンナの右ジャブ一発。

 

第5試合 K-1ルール 3分3R
○セーム・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー)
×マイケル・マクドナルド(米国/チーム・アンディ)
判定3-0 (27-30,29-30,27-30;3Rにマクドナルド膝でダウン)

シュルト211センチ、マクドナルド180センチ。30センチを越す身長差が全てと言って良い試合であった。時にはジャンプしながらパンチを放つなど、何とか対抗しようとするマクドナルドだが、上から打ち下ろすよなシュルトのパンチと、押さえつけるような首相撲からの膝蹴りはいかんともしがたい。しかし試合をあきらめず3Rに入ってシュルトの顔面に立て続けにパンチを届かせたマクドナルド、シュルトの体が揺らぎ場内は歓声に包まれる。だが試合終了間際にシュルトがマクドナルドの両肩をロックして顔面に右膝、これでマクドナルドがダウンし試合が決した。

 

第4試合 K-1ルール 3分3R
×アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/チヌックジム)
○ステファン・レコ(ドイツ/ゴールデン・グローリー)
判定ドロー(30-30,29-30,30-30)
延長1R判定 3-0(9-10,9-10,9-10)

この日のイグナショフは攻撃が短髪気味で動きに精彩を欠き「実は選手生活を続けるかどうか、最近まで迷っていた」と試合後に発言。現在は選手生活続行の意志を固めているというが、こういった精神面のマイナス影響をまだ引きずっていた。一方のレコは序盤からパンチにキレがあり、イグナショフの低迷もあって尻上がりに動きが良くなっていく。本戦判定では決着しなかったが集中力を切らすことなく攻め続けたレコに対し、急激な増量の影響もあってかスタミナ切れしたイグナショフはほとんど手数が出ず。

 

第3試合 K-1ルール 3分3R
○ピーター・アーツ(オランダ/メジロジム)
×グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
判定3-0(30-27,30-27,30-27)

近年ボクシング・テクニックを身に付け逞しさを増したフェイトーザは、序盤はアーツと真っ向から渡り合うが、この日のアーツは全盛時を彷彿とさせるような動きでパンチ、キック、ヒザのコンビネーションを畳みかけるように出し続ける。2Rには上から叩き落とすようなローをフェイトーザの左太股に集めてダウンを奪い、その後もブラジリアン・キックをはじめとする極真戦士の動きを封じ込めて完勝した。

 

第2試合 K-1ルール 3分3R
○レイ・セフォー(ニュージーランド/アメリカン・プレゼント・ボクシングジム
×マーティン・ホルム(スウェーデン/ヴァレンテュナ・ボクシング・キャンプ)
判定3-0(30-28,30-28,30-30)

左ミドルを主体にしたホルムのキック・ボクシング・スタイルに対し、距離を詰めてパンチを狙っていくセフォー。左ミドル、左膝など、完成度の高いホルムの攻撃を受け、得意のノーガード戦法で体を揺すりながら前進するセフォーのこめかみに血が滲む。だがラウンドが進むにつれ、基礎体力に勝るセフォーのプレッシャーでホルムの息が上がり、2R後半から完全にペースを握ったセフォーが貫禄の判定勝ち。

 

第1試合 K-1ルール 3分3R
○マーク・ハント(ニュージーランド/リバプール・キックボクシングジム)
×マイク・ベルナルド(南アフリカ/レオナルドジム)
判定ドロー(30-30,30-30,30-29)
延長1R判定 3-0(10-9,10-9,10-9)

「負ければ引退勧告」の噂もあるベルナルドは、突進してくるハントのプレッシャーに対して足を使って動き回り、倒しに行くというより負けない戦い方を選んだ。じれたハントが突っ込んでくるのをロープ際を周りながら鋭いカウンターで狙い打ちしようとする。しかし頑丈なハントはベルナルドの豪腕を受けても怯まず、さらに踏み込んで距離を潰す展開になる。本戦では明確な差が出なかったが、ローキックを放って前進するハントのアグレッシブさが延長に入っても衰えず、これがたびたびベルナルドのバランスを崩させて両者の明暗を分けた。



 

Last Update : 10/06

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