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[修斗] コミッションが暴力問題のKIDに無期限ライセンス不許可処分

(3/7 up) 2/17の修斗代々木大会での山本“KID”徳郁の中山健児リングドクターに対して行ったとされる暴力行為の問題について、インターナショナル修斗コミッション(ISC)は6日、KILLER BEEへの厳重注意処分、同ジム代表者であるKIDへの無期限ライセンス不許可処分を下した。以下は「ISC公報/修斗ガゼットBLOG版」に掲載された告知の全文(該当記事)。

KILLER BEE厳重注意処分、ならびに山本徳郁代表への無期限ライセンス不許可処分

 去る2月17日、東京都・国立代々木競技場第二体育館にて行われたサステイン主催興行において、菊地昭の所属ジムKILLER BEEの山本徳郁代表が、リングドクターに対し暴力的行為を行ったことが判明いたしました。

 ドクターの証言によると、世界ミドル級チャンピオンシップ終了後、菊地昭の控え室において、菊地の負傷箇所の治療を行っていたドクターに対し、山本代表が試合の裁定に対する不満をぶつけ、自分の満足のいく返答が得られなかったことに立腹し、ドクターに対して暴言を吐き、足先で臀部を小突く等の行為を行ったとのことでした。
 試合の裁定は審判員、ならびにコミッションに責があり、不服があるのであればルールに則りコミッションに対し提訴の形で訴えるべきであるのに、裁定には関与しないドクターに八つ当たりし、このような反社会的行為に及ぶことは全くもって言語道断であります。
 今回の件を重く見た日本修斗協会ではすでに独自の処分を下し、周知のこととなっておりますが、コミッションでは事実内容が判明し、またKILLER BEE側の対処を見てから処分内容を決定する方針とし、処分を保留している状態でした。

 この事件から数日後、山本代表本人が上記の行為を行ったことを認め、ドクターへ全面的に謝罪したことでドクターの証言が事実であることが判明いたしました。
 しかし、KILLER BEE側から申し出ていました協会、ならびにコミッションの修斗関係者に対しての謝罪が申し出から一週間を過ぎてもいまだに済んでいない状態です。

 事実内容が判明し、なおかつ山本代表が修斗関係者に対しての正式に謝罪、反省の意を表明しないままにしている状況を踏まえ、コミッションでは次の処分を決定いたしました。

 KILLER BEEへの厳重注意処分(2006年3月6日付け)。
 山本徳郁代表に対し、あらゆるライセンスの申請、ならびに更新の無期限不許可処分(2006年3月6日付け)。

 ライセンスの不許可は、選手として修斗公式戦に出場すること、チーフ・セコンドとして選手に付き添うこと、マネージャーとして選手の代理人になること、修斗公式戦を主催すること、コミッションに対し提訴を行うこと等、修斗に関する諸権利を行使する資格を得ることが出来ないことを意味します。

 山本代表は現在は他のプロモーションのリングで大いに活躍しておりますが、かつては修斗のリングで総合格闘家としてデビューし、世界ランカーとして活躍した選手であり、我々修斗関係者も修斗出身選手の現在の大活躍には大いに誇らしく思っていました。それだけに、このような事態を引き起こしたことは誠に遺憾であります。
 すでにドクターへの謝罪が済み、和解したことで、修斗関係者の中には、軽い処分で済ましてあげるべきとの声もあるようですが、感情に流されず厳格な処分を下すのがコミッションの本質です。また、社会的影響力のある有名選手であるだけに尚更このような行為は許すことが出来ません。
 山本代表には反省と今後二度とこのような行為に及ばないことを求めます。


                      2006年3月6日
                      インターナショナル修斗コミッション

 

KID、中山ドクターに謝罪し和解。坂本氏らと会見

(2/24 up) 17日の修斗代々木大会で山本“KID”徳郁がリングドクターに対し暴言を吐き暴力を行ったとされていた問題について、KIDが被害者にあたる中山健児・なかやまクリニック院長(写真右端)に22日夜に謝罪し、当事者の間で和解が成立していたことがわかった。
 KIDと中山氏、大会主催者のサステインの坂本一弘代表(中央)の3名は23日夜、東京のホテル・メトロポリタン・エドモンド水道橋にて記者会見を行った。
 中山氏は「興奮したKID君から暴言を受けたことは間違いない。試合後のドクターチェックをしている時に『オイ』という感じで足の裏で軽くお尻を押された。痛くもかゆくもなかったけど、心が痛かった」「暴力ではなく侮辱と受け取っていた」等と説明。坂本氏も「記事にあったような、殴打や胸ぐらをつかむような行為は無かった」と話した。KIDは「申し訳なかった。今後はこういうことが無いように努める。熱くなって抗議の度が過ぎてしまった」等と謝罪した。
 会見は3名による報告のみで質疑応答無しという形式が取られた。KIDの公式謝罪を受けての日本修斗協会の見解の発表は会見では行われていない。以下は3名の発言内容の要約(発言順)。

◆坂本代表「昨夜山本選手が中山ドクターに謝罪して和解しました。(一部のメディアの)記事にあったような殴打や胸ぐらをつかむような行為は無く、尻を2回ほど軽く蹴っただけでした。山本選手は素晴らしい素質を持っているので、今後も努力精進して、素晴らしいファイトを見せて欲しいです。私の大会でこのようなことが起こったことを関係者の皆さんと中山ドクターにお詫びしたいです。今後はこのようなことが起こらないように努めます。」

◆中山ドクター「試合(菊地昭 vs. 青木真也)の後のドクターチェックの時に、興奮したKID君から暴言を受けたことは間違いありません。そして『オイ』という感じで足の裏で押されました。痛くもかゆくもありませんでしたが、心が痛かった。18年ぐらいリングドクターをやっていますが、これほどのことを関係者に言われたり、体を触られたりしたことが無かったので非常にびっくりしました。その後レフェリーの部屋に入り事実を話しました。
 その時、いろんな団体のリングドクターをやっていることが頭に浮かび、リングドクターの尊厳を守ることが、最終的には選手も団体を守ることになると思いました。私はこれまでドクターやレフェリーの地位を高めることに努めてきました。選手に何らかの裁定を下すとき、僕らの指示を聞いてもらえるように。我々も責任を持って仕事をしており、自負や誇りは絶対捨ててはいけないという気持ちがあります。事実は事実として毅然とした態度で選手に臨まないといけません。それが私たちが一貫して持っている気持ちです。私自身もKID君のことを考えなきゃいけませんが、その前に選手の健康を守る仕事を団体から委任されている者としての責任を感じ、事実を(レフェリーに)報告しました。
 (レフェリーには)暴言の事とお尻を軽く蹴られたことを報告しました。これは暴力行為という表現で暴行ではありません。KID君に蹴られたら多分病院送りになります。『軽く蹴った』と表現しました。その後に事情聴取がありましたが、その時の申立書にも『お尻を軽く蹴られた』という表現を使っています。しかしこれはあくまでも暴力行為です。暴力行為とは書きましたが、不確実な憶測が一人歩きしたことに心を痛めました。
 昨日KID君が来てくれて40分ぐらい話しました。最初から『申し訳なかった』という態度で来てくれたので、かえって逆に僕が申し訳ないぐらいで、本当に反省していることがよくわかりました。KID君は昔から大好きな選手でした。彼は自分のことじゃなく、家族や友達や自分を慕う選手といった大切な人に危害を及ぼされると我を失ってしまうんです。それもよくわかります。
 僕が本当に殴られていたなら被害届を出します。お尻を蹴られたことを、僕自身は暴力行為というよりもむしろ侮辱の一つとして受け取っていました。言葉での侮辱のほうが大切なものを壊された気がしました。そのことだけはマスコミの皆さんに理解してもらいたいです。
 このような会見の機会を設けていただき、坂本さん、修斗の皆さんに心から感謝しています。最初に言うべきでしたが、こんな騒ぎを起こし、僕にもかなり責任があると思います。申し訳ありませんでした。」

◆KID「今回自分が起こした不注意で中山先生や関係者の皆様に迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありませんでした。今後は自分の選手の試合のバックアップを冷静に行って、こういうことが無いよう努めていきたいです。自分の後輩のことになると熱くなりすぎて、抗議も度が過ぎたと思っています。今後は十分気をつけます。自分はリングの上で頑張っていきますので、自分を含めKILLER BEEの選手をよろしくお願いします。すいませんでした」
 
 
KIDに立入禁止処分。KILLER BEE所属選手に出場停止処分

(2/22 up) 日本修斗協会は21日、17日の代々木競技場第2体育館大会で山本“KID”徳郁がリングドクターに対し暴言を吐き暴力を行ったとして、KIDが代表を務めるKILLER BEEに対し公式な謝罪を要求し、同ジム所属全選手および関係者への修斗公式戦出場停止処分、KIDへの修斗会場立入禁止処分を行うことを決定した。KIDは同門の菊地昭の応援で代々木大会の会場に訪れていた。以下は同協会が報道関係者に流した文章(原文のまま)。同じ内容は協会広報誌ブログ版「SHOOTO NEWS」にも掲載されている(該当記事)。

山本徳郁およびKILLER BEE所属選手に無期出場停止処分

 去る2月17日に行われたサステイン主催・代々木体育館第2競技場大会において、世界ミドル級チャンピオンシップ終了後、控え室にて菊地昭をドクターチェックしていたリングドクターに対し、所属ジム代表である山本徳郁(=山本“KID”徳郁)が謂われ無き理由で暴言を吐いた上、暴力行為を行うという極めて遺憾な事態が発生しました。これは通常の社会ルールにおいては勿論のこと、格闘技選手としては最も行ってはならない蛮行であり、競技運営に対する悪質な妨害であることは明白です。
 日本修斗協会では、この非常識極まりない行為を行った山本徳郁およびその所属ジムであるKILLER BEEに対し、当該ドクターおよび全ての関係者に対する早期の公式な謝罪を求めると共に、同ジム所属全選手および関係者を全修斗公式戦(プロ、アマ、グラップリング)への出場停止処分、加えて山本徳郁本人には全公式戦会場への立入禁止処分とすることを決定しました。
 今回の行為は格闘技全体のイメージを貶め、その普及に最大の悪影響を与えるものであり、絶対あってはならない行いだと修斗協会では考えます。無法な暴力を振るう者に、格闘技を行う資格はありません。山本徳郁には、一般に知名度のある格闘技選手としての自覚を持った行動と、深い反省を強く求めます。

                     日本修斗協会 会長 桜田直樹
                          事務局長 若林太郎

Last Update : 03/07 11:50

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