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[パンクラス] 10.4 グランキューブ大阪で復帰!伊藤崇文インタビュー

パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2003 HYBRID TOUR" 10月4日(土) グランキューブ大阪  [→掲示板スレッド]


◆約1年のブランクを経て復帰・伊藤崇文インタビュー

「大阪のファンのために、僕が一人で『パンクラス10周年大会』をやります」

−−左腕の骨折の具合は?
伊藤「去年12月に手術して、治って3月ぐらいから練習できるようになったんですけど、5月の横浜文体の試合の前に同じ場所にヒビが入ってしまって」

−−今回の方が5月の時より準備万端ですか?
伊藤「5月よりは落ち着いて練習はできましたけど、今回のほうが緊張してますね」

−−欠場中フラストレーションは溜まりませんでしたか?
伊藤「いやぁ、かなり。飲みに行って発散したり、逆に人の試合のビデオ見てわざと溜めたこともありますね。何もしていないより、自分を腹立たせるほうが逆にスカッとするんですよ。」

−−特に休まれている間は、5月の菊田×近藤や8月の両国の10周年大会があったりと、刺激材料は多かったですよね?
伊藤「そうですね。欠場して『10周年やなあ』って感慨深くなってるよりも、やっぱり試合に出て対戦相手のことに集中して、10周年のことを忘れてるぐらいの気分になっていたかったですよね。8月はそろそろ試合できそうなメドが立ってたので、両国に出てる選手に対してじゃなく、感慨深くなってる自分に腹が立ちました」

−−今回、地元・大阪での復帰戦ということになりますが。
伊藤「大阪自体で試合するのも久々なんでね。まあ、地元でいい試合を見せるのも大事ですけど、今回は自分なりに、また違う意味で『いい試合』を見せたいんですよ」

−−といいますと?
伊藤「最近後楽園の試合見てると、貧乏臭い試合が多いやないですか? リング立った時に、その辺の普通の人と遜色がないというのが嫌なんですよ。なんかうちの若い選手も含めて、アマチュアっぽい選手が多くて。ちょっと前まで後楽園大会って、こないだの両国みたいな雰囲気が毎回あったはずなんですよ」


プロとして、パンクラスのリングへの危機感



−−確かにGRABAKAとの対抗戦の頃とか、プロの興行らしい、独特の雰囲気が醸し出されてましたよね。その辺の違いって、どこに出るのだと思いますか?
伊藤「やっぱり意識ですね。もちろん勝ちに集中することはいい事ですけど、どっかでお客さんに見られているという意識ですね。リング上がった時の雰囲気とか、なんでうちの若い選手は他の道場の選手と変わらないんだろう?って。
 こないだの7月の後楽園の昼の部で、メインで高橋(義生)選手が上がると、リングが小さく見えるんですよ。単にヘビー級だからというだけじゃなくて、雰囲気だけで高橋さん自体がはっきり見えるというか。他の選手が上がると、リングが広く見えて、そこに乗っけられてるみたいな(笑)。大会前にリングでウォーミングアップしてても、『汚ったない奴がリング上がってるなぁ』って正直見てますよ。『僕はファンだったパンクラスのリングに上がれて嬉しいです』ってだけの選手と、僕は一緒にされたくないですね。もっとシンプルに、勝ちたいと思ってギラギラしてるだけの選手の方がまだ輝いてると思うし、プロらしいと僕は思うんですよ。逆に『上がれてうれしい』とか『なんかパフォーマンスしよう』とかいう選手の方が、チャラく見えるんですよ」

−−まあ最近、入場パフォーマンスで色々やる選手が増えましたけど、『プロ意識』というのを勘違いしてるのじゃないか?と思う選手もいますね。
伊藤「だからね、誰かの真似になってしまってるんですよ。例えば五木ひろしがいて、コロッケが物真似するじゃないですか。で、他の人が五木ひろしの物真似をしようとすると、『コロッケの物真似をする五木ひろしの真似』をしてるんですよ」

−−ああ(笑)『ぃヨコハマ〜』ってコブシを振ったりとか(笑)
伊藤「うちのリングで言えばプロレスの真似をしてるだけだったりね。それが貧乏臭く感じるんですよ。居酒屋で一発ギャグをやったら受けるけど、舞台に上がったらおもんないヤツみたいなね。まあ、僕の普段のギャグも居酒屋レベルなんですけど…」

−−オチを付けなくてもいいですよ(笑)
伊藤「でも試合のリングに上がる時は他の選手と違うという自信は、僕にはありますよ。僕がパンクラスでデビューした頃って、上の選手にはもっといい雰囲気があったじゃないですか? ここ1年、欠場して客観的にパンクラスを見る立場になると、そういう事が目に付きますね」
 

三島への思いは、「結果」が全て



−−とはいえ、ここで伊藤選手の宿敵の三島★ド根性ノ助選手の話になるんですけど、三島選手って、ある種その伊藤さんの指摘する『素人臭さ』があると思うんですよ。いい意味でも悪い意味でも。そこについてはどう思いますか?
伊藤「最初はそう思ってましたね。今でもそう思ってる所はありますよ。僕の中で考える『修斗っぽい』っていうか」

−−その辺の『素人臭さ』と、三島選手に対する伊藤さんの苛立ちとは関係ありますか?
伊藤「いや、それは関係ないです。僕は別に貧乏臭いとかアマチュア臭いとか、人がそうしたかったらそうすればいいと思ってるだけで、僕は僕自身がちゃんとプロっぽい所を示していけばいいわけですから。三島選手に対する感情は、とにかく『結果』だけですね。」

−−去年9月のDEEPで三島選手に負けましたよね。あの試合で一番悔しかったことってのは何ですか?
伊藤「結果です」

−−自分の力が出せなかったから?
伊藤「いや、出せたんでしょうね。出しましたよ、全力で。もう、全部です。でも、僕が何もできなかったのが、実力なんですよ。力を出し切れなかったとか、言い訳をするつもりはないんで。僕はあの時100%を出せたと思いますよ」

−−100%実力を出したけど勝てなかった悔しさ?
伊藤「はい。だからもう1回100%出して勝ちたいんです」

−−仮に今後三島選手と再戦するチャンスが廻って来たとして、その時、今の伊藤選手には、プラス何が必要だと思いますか?
伊藤「心技体、全部なんでしょうけど、一番は精神面じゃないですか? どんなに満足いく練習してても、どっかで弱気になったり、不安になったり。でもあの人(=三島)のインタビューとか読んでると、結構『今回負けると思ってた』って言ったりするけど、あの余裕って何やろう?って思うことがあるんですよね。ま、僕に関しては、もっと冷静に戦いたいんですよ」


新日本プロレスの『ワールドプロレスリング』のイメージで



−−今回、大阪で戦うのは三島選手の弟子の花澤選手です。伊藤さんにとって久々の試合ですけど、気持ちに違いはありますか?
伊藤「もう、先に進むかどうか、これ全てにかかってるんで。いつもの試合とは別ですね」

−−過去の試合でもそういう気持ちは?
伊藤「無いです。今が一番、人生の中で充実してますね。楽しいですよ」

−−あと今回はメインイベントですね。メインは初めて?
伊藤「去年の7月の後楽園で國奥とメインでやりましたけど、あれはトーナメントの決勝ですから、あらかじめメインと決まってやるメインは初めてです。変に盛り上げようという気持ちはないですけど、僕がリングに上がるだけで、お客さんに何かを受け止めてもらえると思いますので」

−−伊藤さんって、やっぱり自分の肩書きを語る時は『プロレスラー』ですか?
伊藤「プロレスラーです」

−−プロレスラーにとって、メインってのはそれなりに輝きがありますよね。
伊藤「僕のイメージでは昔の新日本プロレスの『ワールドプロレスリング』のテレビ中継が凄くあるんで」

−−今回の相手の花澤選手自体の印象は?
伊藤「力強いですね。技術的にイヤな所はないですけど。動きやスタミナでは負けてるとは思わないんで」

−−ただ今回は三島選手が次の日のPRIDE武士道の試合を控えているので、花澤選手のセコンドに付くことは無いでしょうね。
伊藤「だから花澤選手が負けたことを強く印象に残して、後で聞いた三島選手を驚かせたいですね」

−−三島選手の武士道の試合は気になりますか?
伊藤「三島選手が今勝とうが負けようが関係ないんで」

−−もし三島選手がハウフ・グレイシーに勝てば、さらに上のステージに行ってしまいますよね?
伊藤「僕は関係なく、全速で追い掛けるだけですよ」

−−自分は自分で、結果を残して行くだけだと。
伊藤「それしかないでしょ。彼とは話をしたことがないけど、結果で会話するだけです」

−−今回怪我なく勝てれば、11月の両国大会は?
伊藤「出たいです。大きい所でやりたいですね。とはいえ、まあ、今年は両国で、というか都内で、パンクラスの10周年の大会を全部やるんで、4日のグランキューブ大阪では僕が一人で『パンクラス10周年大会』をやろうと思いますね」

−−大阪のファンのための10周年だと。
伊藤「そうです」

−−大阪はismの選手があまり出ないですよね。伊藤さんと山宮選手と大石選手だけで。
伊藤「山宮とはキャリアが近いんで、二人でプロっぽい所を見せていきたいですね」

−−山宮選手は今回から本名に戻しますね。
伊藤「いいことです(笑)。まあ、KEIっていうのにもようやく慣れはしましたけどね、いいことです(笑)。まあ、それはともかくとして、こういうタイミングで名前を変えるってのは、プロとして大事な行動やと思いますよ。勝ち負けも大事ですけど、パンクラスのリングって、それだけ求められるリングじゃないと思うんで。それだけだったらあんまりにも夢が無さ過ぎて。今のパンクラスのままだったら、誰も憧れて入団しないですよ。よそのジムで練習してから上がりたいなー、というだけの、ただの『場』になってしまうんで。やっぱりプロとして、ファンに夢持って帰ってもらえるような試合を、4日のグランキューブでは見せたいですね」(聞き手:井原芳徳)

  ◆10月4日(土)グランキューブ大阪大会 チケット情報・カード一覧

Last Update : 10/02

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