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慧舟會 99.10.17「G.C.M. / CONTENDERS II」TFMホール

第8試合 
無所属
郷野聡寛
2R
判定(28-27)
高田道場
豊永稔
×
  野から輝きが消え失せたのはいつからだろうか。‘総合格闘技の天才児’と言われていた頃、郷野は眩しいくらいの輝きを放っていた。その未来は洋々と開けているはずだったが、プロで試合を重ねるにしたがって、いつしか郷野の試合に膠着や逆転負けは珍しいものではなくなっていた。そんな郷野が失地挽回を期して臨んだのは、組技限定ルールのコンテンダーズ。ストライカーとしての印象が強い郷野にとって、組み技だけでどこまで戦えるかは自身への挑戦と言えるだろう。しかも対戦相手は、今夏のネオブラッド・トーナメントで準優勝して勢いに乗る豊永稔。郷野の組み力を試すには十分すぎるほど相手だ。


  最初のテイクダンを奪ったのは意外にも郷野だった。胴タックルで豊永を倒すと、そのままサイドポジション→ニーオンザベリー→マウント→バックマウントと、流れるようなポジショニングで豊永を翻弄する。バックからのチョークスリーパーは外されるが、スタンドに戻っても郷野は再び豊永をタックルでテイクダウン。スタンドレスリングの強さを見せる。

 しかし2Rになると豊永の反撃が始まる。1Rとは別人のようにタックルを連発する豊永に対して、完全なテイクダウンこそ許さないものの、完全に郷野は劣勢に追いこまれ、下になることが多くなる。1Rにポイントをとられている豊永としては、ここで流れを自分のものにしたいところであったが、守りを固める郷野をとらえることができない。郷野も下からヒールホールドを狙うこともあったが、2Rの後半になるとディフェンスのみで膠着する姿が目立つようになる。


  結局序盤のポイント差で郷野が判定勝利を収めたが、勝ち名乗りを受ける郷野の姿はまるで敗者のようだった。試合後、郷野はしばらく休養して練習に専念する旨をコメント。天才児の復活にはまだ時間がかかりそうだ。



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次の試合 :9. 宇野薫 vs 渋谷修身

レポート:沢之崎 薫 カメラ:茂木康子

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