先のUFCでジェイソン・ゴドシーを一蹴し、ヘビー級転向は伊達ではないことを証明して見せたジェレミー・ホーン。実力は折り紙付きである。
だが、金原としても、簡単に負けてしまうわけにはいかない。
キングダムでオープン・フィンガー・グローブもポジショニングも経験済みである。ブラジリアン柔術の選手も何人も倒した。ヒカルド・モラエスには判定負けを喰らったが、あれだけの体格差で、果敢に攻め続けた。
そして、何より、かつてのキングダムの後輩、桜庭が、今や、日本のVT界最大のスーパー・スターとなっている。
UFCでの実力者であっても、というか、だからこそ、負けるわけにはいかない。
金原の攻めはアグレッシブだった。
まともに顔面パンチを打ち合い、しかも、打ち勝つ。
スタンドでの勝負からタックル狙いに切り替えたホーンに対し、ディフェンシブにポジションを取りにいかず、いきなり前転して足首を狙う。ホーンの足を取ると、押し込んで上にのり、すぐにパスに入る。が、それが無理とわかると、今度はグラウンドで正体した状態から引き込み、ガードに行く。そこからアームロック狙い。
ポジショニングで一つ呼吸をおこうとはまるで考えていない。
極めにいくルートを次々とトライしていく。
だが、ホーンも、簡単に極めを許すような選手ではない。金原がアグレッシブに来る分だけ、その隙を見逃さない。グラウンドで攻められれば、すぐに上体を起こして立ち上がってしまうし、パンチで攻勢に出られれば、タックルに入ってトップのポジションを奪う。
2Rフルに両者がめまぐるしく動き回る。
最後に判定を制したのは、スタンドで攻勢を取った金原。
しかし、金原は、勝利の代償に、右拳を痛め、かなりのスタミナを消耗してしまっていた。
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