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日本コンバットレスリング協会主催
コンバットレスリング第7回全日本選手権大会
3月20日(火・祝)東京・町田市総合体育館サブアリーナ

「ルミナ&五味、コンバットレスリングで健在アピール」

 レポート・井原芳徳  写真:飯島美奈子,石渡知子

【※ルミナ&五味の写真は別ページにもたくさん掲載しています】

▼レスリングを基礎にした組技総合格闘技であるコンバットレスリングの第7回全日本選手権大会が20日、東京・町田市で開催され、佐藤ルミナ(留美奈)が同大会4度目の優勝に輝き、健在ぶりをアピールした。

 ルミナは昨年12月・修斗ウェルター級タイトルマッチで宇野薫と再戦し敗れたが、再起の舞台に選んだのは今回で8年連続出場となるコンバットレスリングだった。初戦は一本こそ取れなかったものの押さえ込みポイントで優勢勝ちし、準々決勝は膝十字固め、準決勝は口の中を切るアクシデントもあったがスリーパーで難なく一本勝ち。

 そして迎えた決勝では昨年69kg級準優勝の今成正和と対戦。キングダム・エルガイツで「足関十段」の異名を取る今成の足関節に序盤ヒヤリとする場面もあったが、ルミナは「焦らず」脱出。木口道場で培ったレスリングとなればルミナの独壇場だ。押さえ込みでポイント差を付けスタミナも奪い、落ち着いてバックを取った後、スリーパーできっちり仕留めた。再起の舞台を飾ったルミナには、500人以上詰め掛けた観衆から温かい拍手が巻き起こった(写真:勝ち名乗りを受けるルミナ。真ん中はレフェリーの植松直哉。右は敗れた今成)。

 続く85kg級の決勝で同じジムの竹内出が優勝したのを見届けたルミナは、大挙詰め掛けた記者団のインタビューようやく応じ、開口一番「いやー最後の選手強い、凄い強い!パワーあるし、レスリングはできなさすぎるけど、いい選手ですよ」と今成を評価。「(優勝できて)ホッとしました。長かったんでね。途中で帰ろうかと思いました(笑)」と一安心の様子だった。「余裕がなくてルミナスペシャル(毎年恒例の新技)は出せなかった。相手が逃げに徹した時の闘い方を考えないと。ついカッとなって関節技に固執しちゃうんで」と今回の反省点を語り、修斗での再起戦に話が及ぶと「8月あたりじゃないかなと。ウェルター級が70kg以下になるんで体づくりしたいんで」と話した。来年のコンバットレスリング出場も「怪我とかしない限り出続けると思いますよ」とさらなる記録更新を誓った。なおルミナは全4試合中3試合で一本勝ちしたことが評価され、同大会4度目の最優秀選手賞も受賞している。

 また五味隆典もコンバットの舞台で復活。昨年11月の修斗後楽園大会でライアン・ボウの膝蹴りを喰らい眼底骨折を患っていたが、組技限定ルールということでなんとか復帰に漕ぎ着けた。着実なレスリング、関節技の切れ味は健在で、69kg級決勝でプロシューターの井上和浩をポイント差で下し見事初優勝を果たした。五味も8月の修斗復帰を目指しており、執拗に追い続ける先輩・ルミナとの決戦が期待される。

【※ルミナ&五味の写真は別ページにもたくさん掲載しています】

 なお同じく69kg級にエントリーしたバレット・ヨシダだったがなんと初戦敗退。35歳のフリーのレスラー・小島直人を序盤からフロントチョークで攻めたが、小島が立ち上がったため禁止技の立ち関節技に該当しブレイクがかかる。テイクダウンでポイントを奪われたものの、終盤はずっと三角絞めで攻め続ける。だがキャッチポイントを獲得するには至らず極まらないままタイムアップ。結局0-2のポイント差で不覚を喫してしまった。天才柔術家と名高いバレットも、コンバット“レスリング”の会得なしではこの大会は勝てないことがはっきりした一戦だった。なお小島は次の試合で準優勝の井上和浩にアームロックで敗れている。

 他にも63kg級では優勝候補の小西良徳(SAW)が棄権したものの、弱冠18歳の佐藤克仁が制覇。今後の成長に期待ができそうだ。また会場には来賓としてコンバットレスリング協会の木口会長とも親しい元プロレスラーのビル・ロビンソン氏(UWFスネークピット)、桜井“マッハ”速人らも駆け付けた。今後のコンバットレスリングは同会場で4月29日にクラブチーム選手権、11月25日に全日本オープン、来年3月24日に第8回全日本選手権を予定している。

日本コンバットレスリング協会主催
コンバットレスリング第7回全日本選手権大会

3月20日(火・祝)東京・町田市総合体育館サブアリーナ

58kg級(出場10名)
 優勝・中井秀治(香川・IGUW-TNL)
準優勝・実原隆治(茨城・フリー)

63kg級(出場15名)
 優勝・佐藤克仁(神奈川・木口道場レスリング教室)
準優勝・柳澤雅樹(東京・パレストラ東京)

69kg級(出場20名)
 優勝・五味隆典(神奈川・木口道場レスリング教室)
準優勝・井上和浩(東京・インプレス)

76kg級(出場26名)
 優勝・佐藤留美奈(神奈川・K'z FACTORY)
準優勝・今成正和(神奈川・入江部屋)

85kg級(出場8名)
 優勝・竹内 出(神奈川・K'z FACTORY)
準優勝・芳岡博之(千葉・YMC)

+85kg級(出場9名)
 優勝・ジェイソン・ビコー(米国・FONDY W.C.)
準優勝・本多尚基(東京・日本大学レスリング部)


【※ルミナ&五味の写真は別ページにもたくさん掲載しています】

レポート:井原芳徳  写真:飯島美奈子,石渡知子

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