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(レポ&写真) [NJKF] 4.13 ディファ:国崇、ラジャのランカーと引分

ニュージャパンキックボクシング連盟 センチャイムエタイジム "Muay Thai Open"
2008年4月13日(日) 東京・ディファ有明

  レポート:本庄功志  写真:ひっとまん大場。  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第13試合 55kg契約 3分5R
△ハーンチャイ・ギャットヨンユット(タイ/ラジャダムナン・ライトフライ級4位)
△国崇(拳之会/NJKFバンタム級1位)
判定0-0 (秋谷49-49/松田50-50/小林49-49)

 試合が始まるとパンチで仕掛ける国崇に対し、左のハイ、ミドルとキック中心の攻めを展開するハーンチャイ。国崇はハイのガードは問題ないものの、ミドルにおいてはガードした右腕が徐々に赤く染まってくるなど先の展開に不安を覗かせる。
 2年前に行われた真王杯での藤原あらし戦。そこで、国崇はあらしの左ミドルを再三に渡ってもらい、自身の右腕を破壊された。その一戦が今回の国崇の右腕を見て思い起こされたが、国崇はプレッシャーをかけて左ボディ、また左フックをクリーンヒットさせハーンチャイの動きを一瞬止めるなど、過去の悪夢の再現を認めないとばかりに攻める。3Rには左フックから飛び膝を交えたコンビネーションで攻めるなど、強敵相手にも臆することなく先手を仕掛ける。
 常にプレッシャーをかけ左フック、ボディを当てる国崇だが、同時にハーンチャイの左ミドルをもらい続けていたのも事実。5Rになるとハーンチャイがスタミナ切れを起こしてクリンチを多用するようになり、国崇は相手に逃げ切られるような形で試合を終えた。

 判定の結果は0-0のドロー。階級は下になるものの、ラジャの現役ランカー相手にドローは殊勲といっていいだろう。
 この結果について国崇は自身のブログで、「なかなかこの壁が越えられません…」としながらも、「越えられない壁ぢゃないと確信しました」とのこと。今回の試合を見て、実際に筆者もそう感じた。
 昨年は米田貴志前田浩喜といった選手に踏み台にされ、国崇のポジションは曖昧になってきていた。だが一ヶ月前のフェザー級を上げての大川戦ではKOで勝利し、さらに今回強敵相手にドローと国崇株は再び上昇を始めている。
 次戦は6月8日の大阪大会での元ラジャダムナン&ルンピニー王者との一戦で、その先には7月27日の後楽園大会でのフェザー級王者決定トーナメント決勝戦の岩井伸洋戦が控えている。今回の試合で得た自信が、2階級制覇への大きなプラスになったことは間違いなさそうだ。

第14試合 61.5kg契約 3分5R
○ノーンビー・ギャットヨンユット(タイ/ラジャダムナンSフェザー級6位・元ラジャ&WMCフェザー級王者・元ルンピニー・バンタム級王者)
×トゥカタトーン・ペットパヤタイ(タイ/ルンピニーSフェザー級3位・BBTV同級王者・元BBTV Sバンタム級王者)
判定3-0 (多賀谷50-47/松田50-48/小林50-47)

 “ラジャダムナン”と“ルンピニー”。ムエタイ二大スタジアムのランカー同士の戦い「タイでは絶対に実現できないカード」が日本で行われる。タイで実現できない理由は、両者の主戦場が違うということもあるが、最大の理由は2人の試合を管轄するプロモーターが異なるため。タイの観客すら見られないカードが日本で、しかも生で見られる。ムエタイファンからしたら、十分すぎるほど魅力的な煽りだ。

 ノーンビー、トゥカタトーンの両者とも、以前から各々を意識していた様子。試合前のコメントでもトゥカタトーンが「大先輩と戦えて光栄だが、俺の方が強いと思っている」と挑発すると、対するノーンビーも「先輩として、KOを狙い、俺が超えることのできない存在ということを教えなくてはならない」と、同じく強気なコメントを残し、両者試合前に軽い舌戦を展開する。
 
 試合が始まると両者静かな立ち上がり。ノーンビーが挨拶代わりの強烈な前蹴りで突き放し、キックの距離になると左ミドルを数発ヒットさせる。トゥカタトーンの左ミドルには足を高く上げて膝でカット。展開は静かだが、ノーンビーが先輩としての存在感を見せ付けている感じだ。
 2Rからパンチの連打で試合を組み立ててきたノーンビー。特に右アッパーが冴え、トゥカタトーンも攻めてはいるものの、ノーンビーの鋭い打撃により印象は薄い。3Rもノーンビーは相手を触らせず攻撃を当てる。

 だが、比較的静かな試合展開が続いているため、3Rが終わったインターバル中にリングアナウンサーが「大きな声で声援をお願いします!」と観客を煽る。「攻撃が当たったら『オーイ!』と。または『レン(早く)』と言ってください!」と。しかし試合中バックで流れていたタイの音楽が、入場曲と変わらないほどの大音量だったため、リングサイドにいた筆者には歓声すら聞こえない状況。そのため、試合している当の両者には届くはずもなく、結局、試合中にリングアナが一人マイクで「オーイ!レンレン!」とけしかけるだけに終わった。観客の熱をリングに届けることができず逆に消してしまう、そんな今で言うと“KY”な大音量は、下手したら試合を殺しかねないだけに、筆者は非常にがっかりした。

 試合はというと、4Rからトゥカタトーンのパンチが当たりだすが、ノーンビーは効いている素振りを見せず、逆に左のキックを上中下まんべんなく打ち分けて主導権を握ったまま、判定で最高3ポイントの差をつけて勝利した。

第12試合 ライト級 3分5R
○ソンクラー・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイジム/元BBTV・WPKFフェザー級王者)
×島野智広(建武館/全日本ライト級5位)
判定2-0 (秋谷50-50/小林50-49/山根50-49)


第11試合 ウェルター級 3分5R
○K・ウォーワンチャイ(タイ/センチャイムエタイジム)
×名川弓立(尚武会/ウェルター級)
判定3-0 (多賀谷50-48/秋谷50-46/山根50-46)

第10試合 ヘビー級 3分5R
△天昇山(キングジム/NJKFヘビー級1位)
△滝川リョウ(フリー)
判定0-0 (多賀谷50-50/松田50-50/山根50-50)

第9試合 STAR FIGHT(キッズファイト) 37kg契約 2分3R
△大田原友亮(センチャイムエタイジム)
△伊藤澄哉(尚武会)
判定1-0 (小林30-30/多賀谷30-30/松田30-29)

第8試合 63kg契約 3分3R
○獅センチャイジム(センチャイムエタイジム)
×沼和スーパースター(キングジム)
判定2-1 (小林30-29/秋谷29-30/松田30-29)

第7試合 バンタム級 3分3R
×横山雅人(OGUNIジム)
○斎藤知彦(E.S.G)
判定0-3 (小林26-30/秋谷26-30/山根26-30)
※3R、パンチ連打で横山に1ダウン

第6試合 フェザー級 3分3R
×洋センチャイジム(センチャイムエタイジム)
○田島 圭(E.S.G)
判定0-2 (多賀谷29-30/秋谷29-30/山根30-30)

第5試合 ウェルター級 3分3R
○獏センチャイジム(センチャイムエタイジム)
×信之助(東京北星ジム)
判定3-0 (松田30-29/多賀谷30-29/山根30-29)

第4試合 ライト級 3分3R
×亮センチャイジム(センチャイジム)
○長島 透(インスパイヤード・モーション)
判定0-3 (多賀谷28-30/松田27-30/山根28-30)

第3試合 70kg契約 3分3R
○影センチャイジム(センチャイムエタイジム)
×菅 健二(はまっこムエタイジム)
判定2-0 (小林30-28/秋谷30-30/松田30-29)

第2試合 53kg契約 3分3R
○凱センチャイジム(センチャイムエタイジム)
×寺門義晃(Bombo Freely)
判定3-0 (小林30-29/秋谷30-28/山根30-28)

第1試合 ライト級 3分3R
×宮崎 晃(東大門ジム)
○平山元樹(町田金子ジム)
判定0-3 (29-30/29-30/28-29)

Last Update : 04/16 14:34

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