(レポ&写真) [K-1] 4.13 横浜:武蔵、澤屋敷をKO。シュルト防衛
FEG "FieLDS K-1 WORLD GP 2008 IN YOKOHAMA" 2008年4月13日(日) 神奈川・横浜アリーナ 観衆:10,692人
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第9試合 K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ 3分3R(最大延長2R) ○セーム・シュルト(オランダ/正道会館/王者/137.4kg) ×マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナ・スーパーファイタージム/挑戦者/125.1kg) 1R 3'06" KO (右後ろ回し蹴り) ※シュルトが2度目の防衛
シュルトは左ジャブで距離を取りつつ左ローをヒット。ハントはスピードのある右フックを振り回すが、長身のシュルトの頭には届かない。シュルトが重みのある左ミドルを当てると、早くもハントの動きが落ちるように。最後はハントをロープ際に追いつめると、右後ろ回し蹴りをハントのボディにクリーンヒット。シュルト本人も「ここまできれいに決まるとは思わなかった」という当たりで、ハントは立ち上がるも10カウントには間に合わなかった。 これでシュルトは歴代ワールドGP王者のうち、既に引退したシカティック、亡くなったフグを除く全員から勝利をおさめたことになる。大会後の総括で谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「またこれで相手を探すのが難しくなりました」と苦笑いを浮かべていた。
第8試合 3分3R(最大延長2R) ○エヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル/極真会館/110.4kg) ×藤本祐介(日本/モンスター・ファクトリー/99.0kg) 5R 2'01" KO (3ダウン:右ストレート)
待望のK-1初参戦のテイシェイラだが、ステップがぎこちなく距離も遠く、顔面パンチありのルールへの準備不足は隠しきれない。藤本の左フックをもらい、ひるむことはないものの、極真世界王者としてのプレッシャーもあってか、防御主体で積極性に欠き、極真の先輩のフェイトーザらのような豪快な蹴り技は全く見られない。3Rになっても単調な攻防が続き、朝武レフェリーが両者に積極的に攻めるよう注意する。 延長Rに入ると、スタミナで勝るテイシェイラが左ローを効かせ、藤本がスリップするように。再延長Rに入ると、藤本のスリップが増え、テイシェイラの左ストレートで藤本がついにダウン。その後もテイシェイラがパンチでダウンを奪い続け勝利をおさめたが、クリーンヒットは無く、体力が切れた藤本の自滅といったほうがいいような倒れ方だった。
第7試合 3分3R(最大延長2R) ○武蔵(日本/正道会館/103.9kg) ×澤屋敷純一(日本/チームドラゴン/101.5kg) 2R 2'16" KO (3ダウン:左ストレート)
武蔵はサウスポーの構えから得意の左ミドルをヒットさせ、澤屋敷はコンビネーションの中で左右のパンチを当てる。1Rはほぼ互角の展開だったが、武蔵が左ミドルを澤屋敷のボディに連打すると、澤屋敷は早くも後退するように。すると武蔵は左の前蹴り、テンカオ(近距離での飛び膝)、ハイキックを連続でクリーンヒットさせ、澤屋敷をダウンさせる。澤屋敷は気力で立ち上がったが、武蔵は左アッパー、左ストレートで軽々と2連続でダウン積み重ね完勝した。 試合後の武蔵はコーナーにのぼり大喜び。さらにマイクを持つと「95年にデビューしてから突っ走ってきましたけど、あっという間に新しい選手が増えてきました。でもまだまだ自分の居場所はあると思います。年齢は(35歳と)オッサンかもしれないけど、オッサンパワーを見せるぞ!」と叫び、観客の喝采を浴びた。 バックステージでの武蔵は「澤屋敷選手はいい選手。うまく育ててほしいのに、不満のあるマッチメイクだった」と述べ、次回の6/29マリンメッセ福岡大会に関しても「ワンマッチなら考えますけど、トーナメント(ジャパンGP)なら出るつもりはない」と話した。 だが谷川プロデューサーは「武蔵選手は去年のワールドGPのベスト8じゃ無いので、ルール上、今年のベスト16の資格は無い。ジャパンGPに出てもらいたい。澤屋敷は資格があるけど、ジャパンGPに出ると思う」と話しており、両者の考えに食い違いが生じている。今後の交渉の行方が気になるところだ。
第6試合 3分3R(最大延長2R) ×レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイトアカデミー/111.8kg) ○バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム/100.0kg) 1R 2'43" KO (3ダウン:左フック)
会場人気抜群の両者の激突。セフォーのフック、ハリのハイが素早く飛び交うたびに場内が大きく沸き上がる。とはいえ攻撃の的確さでは、若く成長著しいハリのほうが数枚上。右ストレートと右膝蹴りを交互に当ててセフォーの動きを止めると、試合時間1分少々で早くも左フックでダウンを奪取。さらにフラフラのセフォーから右ストレート、左フックであっさりとダウンを連取し、1Rで決着をつけた。
第5試合 3分3R(最大延長2R) ○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館/99.4kg) ×アレックス・ロバーツ(米国/シュートボクシング 空柔拳会館/103.9kg) 2R 1'58" KO (左ハイキック)
フェイトーザは1R序盤から重みのある左ミドルを連打し、下に意識を向けさせた後に左ハイを放つ。ロバーツはブロックし、右のテンカオ、右のアッパー等を返す。「左ミドルは効いていなかった」と振り返るが、手数で劣り、鼻血を出したことから、1Rから印象が悪い。 2Rに入りフェイトーザが右アッパーを効かせると、ロバーツが後退するように。ロバーツも膝・アッパー・右ハイを返すが、フェイトーザの勢いは止められない。最後はフェイトーザが左ジャブで距離を作った後、血だるまのロバーツのアゴに左ハイキックをクリーンヒットさせノックアウト。K-1初参戦のロバーツに世界のトップクラスの厳しさを教えた。 フェイトーザが勝利した事から、6月の福岡大会でのバダ・ハリのヘビー級タイトルマッチの挑戦者について、谷川プロデューサーは「今の候補はグラウベ」と話している。
第4試合 3分3R(最大延長2R) ×マイティ・モー(米国/フリー/133.1kg) ○前田慶次郎(日本/チームドラゴン/93.8kg)※強太郎レンジャーから改名 4R 判定0-3 (大成9-10/朝武9-10/御座岡9-10) 3R 判定0-0 (大成29-29/朝武29-29/御座岡29-29)
前田はジムの先輩の澤屋敷のブレイクのきっかけとなったバンナ戦と同じく、リングを大きく使って回り、ローを打つ戦法を取る。モーのフックで距離が縮まるたびに前田がタックルのように組み付き、2Rと3Rには警告1ずつが宣告される。1Rこそ数度右フックを浴びた前田だが、2Rからはモーの動きが落ちると、次第にローのヒットが増え、3Rにはモーがぐらつくように。 1Rはモー、3Rは前田がポイントを取り、延長に突入。前田の右ローが偶然にもローブローになり警告1が宣告される。以降もローを当て続けると終盤にはモーがスリップし、結局これが決め手に。前田が金星をもぎ取ったが、澤屋敷がバンナに勝った時のような決定的な攻撃が無かったため、本人は会場の四方に土下座。バックステージでも「熱のある試合ができなかった」と反省していた。 一方のモーは前田の戦法とローブローに不満を述べた一方、鼻から喉にかけての炎症により大会3週間前から練習ができず、体調が悪かったことを明かしている。
第3試合 3分3R(最大延長2R) ×ピーター・ボンドラチェック(チェコ/バカルディジム/112.1kg) ○野田 貢(日本/シルバーアックス/100.0kg) 2R 2'43" KO (右フック)
開始しばらくこそボンドラチェックの強引な左右のフックに苦しんだ野田だったが、右フックの連打で一気に反撃しダウンを奪取。2Rも右の連打でダウンを奪う。ボンドラチェックに右フックで反撃を許したが、再び右を連打し見事KO勝利をもぎ取った。谷川プロデューサーは前田と野田のジャパンGP出場を「当確」と話した。
第2試合 3分3R(最大延長2R) ×ハリッド・“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリー/96.6kg) ○アレキサンダー・ピチュクノフ(ロシア/極真会館/102.9kg) 5R 判定1-2 (黒住9-10/勝本10-9/岡林9-10) 4R 判定0-0 (黒住10-10/勝本10-10/岡林10-10) 3R 判定0-0 (黒住29-29/勝本30-30/岡林29-29)
接近戦でハリッドが右フック、右アッパー、ピチュクノフが右ロー、左膝蹴り、左ボディを当て合い、両者とも一歩も引かないドツき合いを繰り広げ、場内を沸かせる。再延長でも大差がつかなかったが、数度ローと膝でハリッドをぐらつかせたピチュクノフに軍配が上がった。
第1試合 3分3R ×立川隆史(日本/フリー/101.3kg) ○榎田洸之(日本/正道会館/113.8kg) 1R 0'40" KO (右フック)
開始すぐ、立川の左ジャブで榎田がダウン。右ストレートでさらにダウンを喫したが、相打ちになりながらも右フックをクリーンヒットさせると立川が大の字でノックアウト。元ロッテの四番打者がK-1初黒星を喫した。
[オープニングファイト]
第2試合 3分3R ○中迫 強(日本/ZEBRA244/97.6kg) ×佐藤 匠(日本/極真会館/104.5kg) 判定3-0 (シャルリー29-27/市瀬30-28/斉藤30-28)
6月のジャパンGP出場に向けてのサバイバルマッチということもあってか、両者とも意地むき出しの熱戦に。頭を付けてパンチを打ち合う攻防が延々と続く。1Rこそ佐藤の左フックと左ボディでぐらつく場面もあった中迫だが、2R、打ち合いの後に距離ができた際、右ストレートを合わせダウンを奪取。その後も打ち合いが続くが、佐藤の反撃を許さず白星をもぎ取った。
第1試合 3分3R ×キム・ギョンソック(韓国/フリー/151.7kg) ○高萩ツトム(日本/チームドラゴン/93.5kg) 2R 0'18" KO (右ローキック)
1R、ギョンソックの圧力で押され気味の高萩だったが、着実に右ローをヒット。2R開始早々、右ロー一発でギョンソックを沈めた。
Last Update : 04/14 12:02
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