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(レポ&写真) [M-1ムエタイ] 3.9 ディファ:白須、クンタップを粉砕

M-1 MC "M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ Regend of elbows 2008 〜CRASH〜"
2008年3月9日(日) 東京・ディファ有明

  レポート:本庄功志  写真:ひっとまん大場。  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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※M-1ムエタイルールおよび王座戦はインターバル90秒。M-1フレッシュマンズルールは肘無し



第12試合 M-1スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
×大宮司進(シルバーウルフ/王者)
○長崎秀哉(WSRフェアテックスジム/挑戦者・全日本フェザー級5位)
5R 0'36" KO (左フック)
※長崎が第2代王者に

 大宮司がスピードある攻めで長崎を翻弄して王座を防衛する…。そのくらい、両者の実力差はあるように思えた。実際、テクニックでいえば大宮司の方が上だろう。だが、長崎のがむしゃらに前に出続ける「挑戦者」の攻めが、大宮司を完全に呑み込んでしまった。
 序盤は、大宮司がボディストレートを軸に、長崎の動きを止める攻めを展開。対する長崎は、距離を詰めて肘、遠い距離からロングフックを狙うなど、見た目は不細工ながらも、確実に大宮司にプレッシャーをかける。終盤にはバックハンドブローで大宮司の動きを止める場面も。
 大宮司は試合を通じてロー、ボディで長崎の動きを封じようとするも、長崎はその攻撃にパンチを合わせる。大振りなのだがこれが意外と当たるのだ。

 4Rには大宮司が左右のフックをヒットさせるも、長崎はひるまずに左フックを返して前に出続ける。迎えた最終ラウンド、いきなりの打ち合いになると、長崎の左フックがクリーンヒット。ダウンした大宮司はなんとか立ち上がるも、ダメージが大きいと判断したレフェリーは試合をストップ。ゴングと同時に大宮司はマットに大の字になってしまい、ダメージの深さを物語った。

 長崎陣営は王座奪還に喜びを爆発。今回の試合は、ひたすら距離を潰し、大宮司のスピードを殺した長崎の作戦勝ちだろう。長崎は「大宮司選手という大きい選手と戦えて嬉しいです」と言い、そんな大きい選手だからこそ「試合前は大きな不安があった」と話す。だが、勝利後長崎の応援団が大挙リングサイドになだれ込んだ光景が示すように、「いろいろな人の支えで乗り越えることができた」と長崎は話した。
 
 
第11試合 M-1初代フライ級王座決定戦 3分5R
△KENT(湘南格闘クラブ/J-NETWORKスーパーフライ級王者)
△関 正隆(昌平校/元NKBフライ級王者)
判定1-0 (松田49-49/シーナ49-48/櫻井49-49)
※ドローのため、ベルトは主催者預かり

 お互いに蹴りを主体に試合を進める。関が右ローを飛ばし、KENTもローを軸に、ミドル、ハイと蹴り分けてプレッシャーをかける。3Rから関のローがじわじわとKENTに効き始めるが、KENTも手数多く攻め負けていない。結局、両者5Rでは決定的な場面を作り出すことができずドローに終わり、新王者誕生とはならなかった。

第10試合 M-1ムエタイルール 70kg契約 3分5R
×クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1スーパーウェルター級王者)
○白須康仁(花澤ジム/WMAF世界スーパーウェルター級王者)
2R 2'54" TKO (3ダウン:右フック)
※2R、右フック、パンチ連打でクンタップにダウン2

 両者は2004年に対戦しており、その時は白須が判定で勝利している。だが、ローブローによる減点、白須のホームとなるMAキックのリングということもあって、クンタップがその判定に意義を申し立てるなど、苦い後味が残る試合となった。
 当時クンタップは「ヒジありなら1ラウンドで終わらせる自信があった。ホントのチャンピオンならリマッチを受けられるはず」と白須を挑発し完全決着を直訴。それから4年の月日が経ち、肘ありのクンタップのホームとなるM-1で、両雄が再び激突することになった。
 1Rは、一定の距離から互いにローを蹴り合う静かな立ち上がり。ラウンド中盤、白須はクンタップの蹴りに左フックを合わせるも空振り。緊張感漂う展開だ。
 2R序盤、白須の右フックがヒットすると、クンタップが後ろによろめく。観客もふいの出来事だっただけに声が出ず、会場は一瞬静寂に包まれる。数秒後、何かの糸が切れたかのようにクンタップがダウンすると会場は爆発。試合は一気に白須ペースになる。
 クンタップは白須との打ち合いに付き合って反撃を狙うが、パンチの回転力では白須が上。白須が左フックをヒットさせクンタップをガード一辺倒にすると、連打を打ち込み再びダウンを奪う。こうなったら会場も白須もイケイケムード。残り10秒となる合図が鳴らされるが、白須は相手をロープに詰め右フックを炸裂。クンタップが棒立ちになるとレフェリーが試合を止めた。クンタップの要求を飲んだ試合にも関わらず、わずか2Rで料理。昨年9月のゲンナロンに続き、クンタップの対日本人連勝記録も9でストップさせた。

第9試合 M-1ムエタイルール 55kg契約 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級王者)
×寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級1位)
1R 1'49" TKO (ドクターストップ:肘打ちによる頭部のカット)

 今回の一戦は、昨年、双方とも全日本キックの舞台で藤原あらしに敗れ、「あらしにリベンジ」を賭けた一戦とも言われている。だが、そんなストーリー展開を除いても、キックファンが唸るバンタム級屈指の好カード。観客も待ち侘びていたかのように、今までの試合以上に大きな歓声を送る。そして、ビリビリした緊張感の中、試合のゴングが鳴る。
 右ローで様子を窺う寺戸に対し、ワンロップは一瞬にして距離を詰めて肘。左ミドルも走っている。寺戸はローを軸に、時折細かい連打を加えるヒット&アウェー戦法。セコンドの石川直生からは「頭振って!」「左に回って!」と指示が飛ぶ。
 だが、1分を過ぎた頃、寺戸は近距離でワンロップの肘をもらってしまい出血。距離を取ろうと逃れるが、ワンロップは逃がすまいと一気に爆発。ロープに詰め左右の肘を連打すると、寺戸の出血はひどくなり、ドクターチェックの末ストップ。もっと二人の戦いを観たかっただけに、会場からは大きなため息が漏れた。
 寺戸のワンロップ越えはならなかった。それは同時に、あらし戦で薄れつつあったワンロップの切り裂き魔としての恐ろしさが、再び戻ってきた一戦でもあった。

第8試合 M-1ムエタイルール 73kg契約 3分5R
○ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1ウェルター級王者)
×松崎勇輝(治政館/日本ミドル級2位)
判定3-0 (少50-45/秋谷50-45/松田50-45)
※1・2R、右ストレートで松崎にダウン各1

 1Rは、ゲンナロンが回転系の技を使って攻撃し、松崎の攻撃もノーガードで上半身のみでかわし、まるで遊んでいるようだ。そして戦慄が走ったのはラウンド後半。ゲンナロンの突如放った右ストレートが松崎の顔面を打ち抜き松崎がダウン。まばたきしていたら見逃してしまいそうなほど速いストレートだっただけに、観客はどよめく。松崎も「やられた」というような苦い顔を見せる。
 2R、右ストレートで再びダウンを奪われた松崎は、距離を詰めてパンチ勝負に出るも、ゲンナロンにのらりくらりとかわされてしまいヒットに乏しい。
 4Rからはジャブを使い始めたゲンナロン。松崎が左フック、バックハンドで肘をヒットさせるとゲンナロンはニヤリと笑う。松崎のセコンドからは「それ効いてるんだぞ!」と声が飛ぶが、ゲンナロンは前蹴りで巧みに距離を作り、深追いをさせない。結局5Rもゲンナロンにうまくかわされた松崎は、目立ったダメージを与えることができず大差の判定負けを喫した。

第7試合 M-1ムエタイルール ライト級 3分5R
○カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1フェザー級王者)
×鈴木 敦(尚武会/元日本ライト級5位)
1R 2'35" KO (左ハイキック)

 序盤からカノンスックの左ミドルが走る。鈴木はガードしているものの、容易に近づくことができない。鈴木はワンツーからアッパーとコンビネーションで攻めるもヒットに乏しい。
 2分過ぎ。鈴木はカノンスックの左ミドルから左ハイの打ち分けを冷静にガードする。だが、距離を詰めたカノンスックが再び左ハイを出すと、これが鈴木の顔面にクリーンヒット。大の字に倒れた鈴木は立ち上がれず、KO負けした。

第6試合 M-1ムエタイルール 58kg契約 3分5R
△ラジャサクレック・ソーワラピン(タイ/WSRフェアテックスジム)
△大野信一朗(藤本ジム/元日本フェザー級王者)
判定1-1 (松田48-47/櫻井47-48/少47-47)

 2Rに右肘でダウンを奪われた大野だったが、41歳とは思えないパワーでラジャサクレックを何回も投げ飛ばして相手の体力を奪うと、3Rに右フックでダウンを奪い返し試合を五分に戻す。
 4Rからスタミナが切れ始めたラジャサクレックに対し、大野は左ミドル、パンチでプレッシャーをかける。だが、ラウンド終盤に相手の肘を被弾し眉間をカットしてしまう。最終ラウンドになると、ラジャサクレックはその傷口を狙ってジャブ、左フックを連発。だが大野はロー、ミドルで冷静に距離を取って主導権を握らせず試合終了。判定はドローに終わった。

第5試合 M-1エクステンションルール 58kg契約 3分3R(延長1R)
×堀口貴博(WSRフェアテックスジム)
○田中秀和(橋本道場/MA日本フェザー級1位)
判定0-2 (29-29/28-29/28-29)

第4試合 M-1エクステンションルール フェザー級 3分3R(延長1R)
×銀次(WSRフェアテックスジム)
○KOICHI(新宿レフティージム/J-NETWORKフェザー級7位)
4R 判定1-2 (10-9/9-10/9-10)
3R 判定0-0 (29-29/29-29/29-29)

第3試合 M-1エクステンションルール ライト級 3分3R(延長1R)
○威幸(WSRフェアテックスジム)
×渡部太基(藤原ジム)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
※1R、膝の連打で渡部に1ダウン

第2試合 M-1フレッシュマンズルール ヘビー級 3分3R
△柿崎孝司(WSRフェアテックスジム)
△鬼頭竜司(村上塾)
判定1-0 (30-29/29-29/29-29)

第1試合 M-1フレッシュマンズルール ライト級 3分3R
×清川祐弥(新宿レフティージム)
○谷山俊樹(谷山ジム)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)

Last Update : 03/10 19:52

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