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(レポ&写真) [天下一武道会] 5.20 沖縄: 我龍一家vs沖縄、高森に土

WILD SEASAR "天下一武道会 〜オールスター完全決着戦〜"
2007年5月20日(日) 沖縄・天下一スタジアム

  【→掲示板・キックスレッド】

 キックジムの「ワイルドシーサー」の主催で、毎月第三日曜日に定例開催されてきた地元密着型のイベント「天下一武道会」が一周年を迎えた。

 通常ダンススタジオとしても機能するワイルドシーサージムを、500人規模の「天下一スタジアム」と名付けて開催する、いわゆる“クラブ型”のミニイベントだ。当初、地元選手の研鑽とプロ選手の底上げを目指すセミプロ的イベントとしてスタートしたが、観客の実に半分近くが休日の米軍兵という沖縄ならではの状況もあって順調に動員を延ばし、今や“全沖縄”を標榜するランキングを構成するまでになった。

 記念大会にあたる今大会は、我龍真吾率いるファイティング・マスターの若手と同ジムのインストラクターも務める高森啓吾を、“我龍一家”として招聘。我龍自身もエキシビジョンマッチで登場するなど、イベントとしての“見せ場”に事欠かない大会となった。来月六月大会でも“内地との対抗戦”路線は継続するそうで、次回は新田明臣率いるバンゲリングベイ勢が登場、寒川直喜を含む対抗戦数試合が実現するという。

 ただ“身内興行”の枠から踏み出したことで、ストップタイミングや判定基準に不可解さが覗くなど、競技運営の不安定さが露呈したのも事実。メインの高森vs神風戦などは迫力十分の試合内容だっただけに、その瑕瑾が惜しまれる。沖縄という中央から遠く離れた場所で、プロフェッショナルの運営体勢を作り上げるのは、単に面白いカードを組む以上に難しく、また忍耐を要する仕事だ。しかし、月一の定期興行という難事を軌道に乗せた主催者だけに、今後競技面でも東京を脅かすようなシーン作りに汗を流すことを期待したい。
 

第8試合 メインイベント ヘビー級スペシャルランキング戦 3分3R(延長1R)
△Mr.神風(神風塾/全沖縄ヘビー級王者)
△高森啓吾(SAMURAI SWORD)
判定0-0

(※6/9追記:当初、判定2-0 (30-28/30-30/30-29)で神風の勝利と発表されたが、後日集計ミスが判明し、判定0-0のドローに記録が訂正された。詳細は主催者のブログを参照。)


 総合でその豪腕ぶりを誇った高森のキック2戦目は、前回対戦したイ・チョンソンの所属チーム・ワイルドシーサー主催「天下一武道会」への殴り込みとなった。当初予定されていた対戦相手の神風拳竜は、大会直前に怪我で欠場。代打に名乗りをあげたのはその師匠・全沖縄キックヘビー級チャンピオンのMr.神風。しかし、125kgの高森に対し、神風は85kg、実に40kgの体重差がある。

 実際、序盤からこの体重差が、試合展開には大きく影響した。高森の繰り出す重いパンチに、神風はガードごとロープに吹き飛ばされるシーンが見られる。我龍真吾のジムでこの二年間打撃に集中してきた高森の攻撃は、ハイ、ミドル、膝と引き出しを増やしており、手数で試合をリードして行く。ただ、キャリアに勝る神風はきっちりガードを固めていなす形、ダメージ自体は殺して受けきってみせる。逆にその合間を縫うように後ろ回し蹴りで高森のテーピングされた脇腹を抉り、カウンターのオーバハンドフックをヒットさせるなど、老獪さをみせる。


 2R以降、ミドルや前蹴りで高森の攻勢を牽制することに成功した神風は、徐々に高森の攻勢を押し返しはじめる。最終ラウンドに至っては、スタミナ切れとダメージの蓄積が見える高森とパンチで打ち合い、ロープぎわに追いこんで正面から殴り合う攻勢をみせ、最終ラウンドをもぎ取った。

 ジャッジは、最終ラウンドの攻防でのダメージも鑑みて王者を支持したようだが、セコンドについた我龍は「1、2ラウンドは高森が取ったはず、納得がいかない」と猛烈に抗議。一旦は神風の勝利を認めてリングを降りたが、バックステージで主催者には「ルールにはアグレッシブさを評価するとはっきり書いてあるし、ガードはされていても膝でアゴが上がったり、明らかにヒットした攻撃もあった。ホームタウンジャッジだと思う」と再度不服を申し立てた。

 これを受けた都丸ワイルド・シーサー代表は「1Rの高森選手のアグレッシブネスは認めるが、3Rは明らかに神風のもの。ダメージもあたえたと思う。2Rの評価が分かれる所だが、僕はドローと感じた。もし高森選手が望むなら、再戦も考えたい」と返答。試合結果の取り扱いならびに、今後の評価基準見直しを約束した。



第7試合 全沖縄ミドル級タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○屋比久(陽明館/全沖縄ミドル級王者)
×任朝恵(WILD SEASAR)
判定3-0 (29-27/30-28/30-28)
※屋比久が防衛

エキシビジョンマッチ 3分1R
ー我龍真吾(ファイティングマスター)
ー中村広輝(赤雲会)
勝敗無し


 我龍はおなじみ喧嘩上等スタイルの入場から、リング中央での“メンチ合戦”、ラスト30秒には足を止めて打ち合う“我龍タイム”を再現してみせ、見事なエンターテナーぶりを発揮、ファンの歓声を浴びた。

第6試合 ミドル級 3分3R(延長1R)
○トシ・キジムナー(神風塾/全沖縄ウェルター級王者)
×内間(赤雲会)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)


第5試合 ウェルター級(68kg契約)ランキング戦 3分3R(延長1R)
○神谷 勲(ファイティング・マスター)
×カカロット(多和田道場)
4R 延長2-1 (9-10/10-9/10-9)
3R 判定1-0 (28-28/28-27/28-28)

第4試合 フェザー級 3分3R(延長1R) 
○ケンジロウ(神風塾/全沖縄フェザー級王者)
×真木(WILD SEASAR)
判定2-0 (30-29/30-29/30-30)

第3試合 総合格闘技ルール 62kg契約 5分2R
○田上洋平(闘心)
×武(フリー)
2R 0'56" スリーパーホールド

第2試合 ヘビー級ランキング戦 3分3R(延長1R)
×クリス(神風塾)
○チェイスン(One Mind)
4R 延長0-3 (9-10/8-10/8-10)
3R 判定0-1 (29-29/29-30/30-30)

第1試合 フェザー級ランキング戦 3分3R(延長1R)
○照屋政人(WILD SEASAR)
×友麻(ファイティングマスター)
3R 1'14" TKO (レフェリーストップ)

オープニング・ファイト 3分2R
○MINO(多和田道場)
×ラッキー・T・スリー(神風塾)
判定2-0 (20-20/20-19/20-19)

 

 

Last Update : 05/22 00:07

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