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(レポ&写真) [DEEP] 2.16 後楽園:長南防衛。帯谷・中尾・久江敗れる

DEEP事務局 "All In One Solution Inc. Presents DEEP 28 IMPACT 6周年大会"
2007年2月16日(金) 東京・後楽園ホール  観衆・2347人(超満員札止め)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第10試合 DEEPミドル級(82kg)タイトルマッチ 5分3R
○長南 亮(チームM.A.D/王者)
×桜井隆多(R-BLOOD/挑戦者)
判定2-0 (木村=長南/梅木=ドロー/大城=長南)

※長南が初防衛

 開始早々、長南は飛び膝蹴りを放つが、隆多が組み付いて上に。すると長南は下から足を昇らせ、腕十字を3分近く狙い続ける。ブレイク後、テイクダウンに成功した隆多がマウントになりチャンスを作るが、すぐさま長南は脱出して上に。ラウンド最後には逆にマウントを取り、印象点を得る。
 2Rも隆多がマウントを先取するが、長南はブリッジで返す。ブレイク後は一進一退の激しいパンチ合戦。とはいえ二人とも今ひとつ持ち味の破壊力が感じられない。隆多は「力が入り過ぎた」ことで体力を消耗したこと、長南は去年6月のPRIDE武士道でのジョーイ・ヴィラセニョール戦での顔面骨折と、約1か月前の右膝の怪我による調整不良が理由だ。3Rは隆多がたびたび上になるが、両者ともその先の攻防が少なく試合終了。判定の難しい試合だったが、長南が防衛に成功した。

 試合前に謳われた完全決着には程遠く、実質ドロー防衛に近い苦戦。長南本人も「もっとやりたいことがあったけど雑過ぎた」と反省したが、顔と膝の怪我を乗り越えて得た成果だと知れば、心を動かされる。
「苦しい1年でした。顔を怪我して心が折れそうになったけど、桜井選手が挑戦してくれたおかげで、ここまで自分を引っ張って来れました。練習仲間、応援してくれた人たち、そして自分の妻に感謝します」とマイクで発言。バックステージでは戦いたい相手として、UFCの強豪の名前をあげた。外国人相手の失点の続く長南だが、ここ2年の試練で得た経験値と周囲の支援を元手に、大逆襲に打って出る。

◆長南「去年ジョーイとやった時に顔の骨を折って、1年間練習したくてもできなくて毎晩毎晩不安だった。今だから言えるけど(8月のウェルター級GP準々決勝の)パウロ戦は顔の骨が折れたままやっていた。マスコミに色々書かれたけど見返したかった。今日はもっとやりたいことがあったけど雑過ぎた。桜井選手は強くて覚悟が伝わって来た。試合後は『また練習をお願いします』と話した。右膝はアメリカに行く1週間前、練習中に横から人が飛んで来て靭帯を痛めて、その時は『もう終わったな』と思った。注射で痛みを止めて、気持ちで勝てた。
(今後について)ちゃんと体調を整えて、強い外人と戦いたい。ジョルジュ・サンピエール、マット・ヒューズ、BJペンとかといった偉大なファイターと。PRIDEに上がってくれるならPRIDEでやりたいし、UFCにも挑戦してみたい。個人の戦いなんでDEEPもPRIDEもUFCも関係無い。来年も日本人相手にこのベルトを防衛したい。ウェルター級との2冠も目指したくて、中尾選手が防衛したら挑戦したかったけど、長谷川選手とは練習したことがあるので微妙かな。個人競技なんで色々挑戦したい」

第9試合 DEEPライト級(70kg)タイトルマッチ 5分3R
×帯谷信弘(木口道場レスリング教室/王者)
○横田一則(GRABAKA/挑戦者)
判定0-3 (木村=横田/梅木=横田/大城=横田)

※横田が新王者に

 先に上を取られた横田だったが、足を効かせて脱出すると、さば折りで上に。いきなりマウントになり、踏み付けも狙い主導権。立ち技でもワンツーパンチや膝をうまく当てる。2Rには“封印宣言”もしていた首投げも決め、サイドポジションをキープ。3Rもなかなかサブミッションとパウンドに持ち込めないものの、度々ハーフガードの体勢に。帯谷のレスリング力も決して低く無いが、ことごとく横田がさばいている印象だ。
 結局最後まで帯谷にチャンスらしいチャンスを作らせず完勝。DEEP無敗・PRIDE参戦経験ありの帯谷に土をつけるとともに、念願のベルトを奪取した。「次の高い舞台でも活躍できるよう頑張ります」とアピール。PRIDEライト級GP参戦なるか?

第8試合 DEEPウェルター級(76kg)タイトルマッチ 5分3R
×中尾受太郎(フリー/王者)
○長谷川秀彦(SKアブソリュート/挑戦者)
判定0-2 (大城=長谷川/木村=ドロー/野口=長谷川)

※長谷川が新王者に

 実力・知名度の高い選手が揃った中、実力はあるものの、地味な印象の強かった長谷川が、意外にもこの日観客を一番湧かせた。
 先に上になったのは受太郎。しかし長谷川は受太郎の代名詞ともいえる三角絞めを仕掛けいきなりチャンス。受太郎が持ち上げて外そうとすると、カウンターで足関を狙い、さらにカウンターで三角を仕掛け、テクニシャンぶりを発揮する。
 2Rも攻勢をキープ。パウンドで鼻血を誘う。3Rにはマウント、バックマウントを奪い、パウンドでさらに追い詰める。だが終盤、体勢が崩れた際、受太郎にマウントを許し、腕十字を極められそうに。
 大逆転負けのピンチのように見えた。ところが受太郎の極めの動作を察知していた長谷川は、ポイントをずらして防御し、右手を振り「効いていない」とアピールすると、体を一ひねりして見事脱出。場内はこの日一番の歓声に包まれる。相手にチャンスを作らせたふりをして、しっかり自分の見せ場にする余裕ぶりだ。
 なぜか木村ジャッジだけドローと採点したが、ダメージでも試合運びでも、長谷川の圧勝だった。勝利者インタビューで「また判定でした」と謙遜した長谷川だったが、職人肌ピッチャーの完封試合のようなこういう判定試合なら、いくらでも見てみたい。

第7試合 女子49kg契約 5分2R
×渡辺久江(フリー/DEEP女子ライト級(48kg)王者)
○ハム・ソヒ(韓国/CMA KOREA 争心館)
判定0-3 (木村=ハム/梅木=ハム/大城=ハム)


 スタンドの打撃戦で、キックボクサーのソヒがサウスポーからの左フックと首相撲からの膝蹴りを何発も当て、久江を苦しめる。ストライカーとの打撃戦を希望していた久江は、劣勢にも関わらず打撃戦に応じ気の強さを見せる。とはいえダメージが大きく、2Rは開始早々タックルで上になり、ソヒの不得意な寝技に持ち込むが、ソヒのクロスガードを崩せず。ブレイク後は前蹴りと右フックで反撃するが、ダメージ差が大きく、まさかの黒星を喫してしまった。
 佐伯繁DEEP代表は「久江選手はあえて殴り合いに行き、いい仕事をしたと思う。ただこのままでは終われないと思うので、タイトルマッチで再戦の可能性はある」と話しており、今後の展開が楽しみだ。

第6試合 82kg契約 5分3R
×石川英司(GRABAKA)
○ヘクター・ロンバード(キューバ/吉田道場)
1R 0'50" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)


 ロンバードがパンチのコンビでリズムを作った後、石川は右ハイを放った際にスリップしてしまう。するとロンバードが鉄槌とパウンドで猛ラッシュ。何発か反則で後頭部に当てていたがお構いなし。立ち上がるも背中を向けて逃げる石川に、ロンバードがパンチを放ち続けると、大城レフェリーが試合をストップした。
 ところがほとんど被弾していなかった石川はピンピンした様子で、ストップに唖然。師匠の菊田、郷野らとともに猛抗議したが、後ろを向いていたことが逃避行為とみなされ、判定は覆らなかった。
 石川がマイクで「効いていない。負けたと思っていない」とアピールすると、場内は賛同の歓声。佐伯代表も大会後「判定は覆らないと思うけど、僕ができることは再戦を組むよう努力すること」と話しており、流れは再戦に向かっている。

第5試合 90kg契約 5分2R
△滑川康仁(チームM.A.D)
△ファビアノ・カポアーニ(イタリア/ブラジリアン・トップチーム)
判定0-0 (野口=ドロー/木村=ドロー/梅木=ドロー)


 滑川が何度もギロチンを狙いつつ引き込むが、その先の攻め手に欠きブレイクが繰り返され、煮え切らない試合となってしまった。

第4試合 67kg契約 5分2R
×山崎 剛(GRABAKA)
○志田 幹(パンクラスP's LAB東京/パンクラス・フェザー級(64kg)2位)
判定0-2 (木村=志田/大城=ドロー/野口=志田)


 志田が山崎のタックルを切り続け、左右のパンチをたびたび当て最後まで主導権をキープ。両ラウンドの最後にはギロチンでチャンスを作る。山崎にダメージがさほど無かったせいか、大城ジャッジだけがドローをつけたが、志田の完封勝ちといえる内容だった。

第3試合 73kg契約 5分2R
○小見川道大(吉田道場)
×オ・ウォンジン(韓国/CMA KOREA 正進MMA)
1R 4'25" TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)


 ウォンジンのパンチと鉄槌に苦しんだ小見川だが、右フック一発で見事逆転勝ち。だがダウンしたウォンジンに、小見川は反則のサッカーボールキックを放ってしまう。パンチの時点で続行不可能だったとみなされ、反則負けにはならず、口頭注意のみが与えられた。

第2試合 78kg契約 5分2R
○キム・ドンヒョン(韓国/CMA KOREA争心館)
×小池秀信(GRABAKAジム)
2R 4'33" KO (左フック)


 ドンヒョンが左フックと左アッパーを当て続け主導権。小池はタックルを繰り返すが、切られ下になり続け、最後は左フックでマットに沈んだ。

第1試合 65kg契約 5分2R
○北田俊亮(パラエストラ千葉)
×薩摩竜仁(BLUE DOG GYM)
1R 1'27" フロントチョークスリーパーホールド


 DEEPフューチャーキングトーナメント65kg級優勝の北田が、タックルで上になると、薩摩の脱出際を狙ってギロチンで一本。ペケーニョを思わせる華麗な技で本戦デビューを白星で飾った。

※大会中には先日イギリスでケージレイジ王座を獲得した今成正和の凱旋挨拶、昨年末に交通事故死したホスバヤルさんの追悼セレモニーも行われた。

◆フューチャーファイト

第3試合 65kg契約 5分2R
△高橋基希(高田道場)
△宮下トモヤ(パワーオブドリーム)
時間切れ

第2試合 65kg契約 5分2R
△羅 相福[ら・さんぼく](GRABAKAジム)
△島崎太郎(U-FILE CAMP)
時間切れ

第1試合 76kg契約 5分2R
○渡辺良知(AACC)
×潮田健志(A-SQUARE)
1R 2'20" アームバー


Last Update : 02/19 12:41

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