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(レポ&写真) [スマック] 8.17 代々木:ローラ、薮下破りミドル級女王に

スマックガール実行委員会 "SMACKGIRL 2005 - Dynamic!!"
2005年8月17日(水) 東京・国立代々木競技場第二体育館  観衆:2,315人(主催者発表)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


スマックガール初代ミドル級女王決定トーナメント
 

第3試合 準決勝 SGS公式ルール 5分2R
○藪下めぐみ(SOD女子格闘技道場)
×彩丘亜紗子(S.V.G.)
1R 2'44" 腕ひしぎ十字固め


 薮下に倒されながらも、3度目まで彩丘は防御。だが4度目に背負い投げで倒されると、速攻の腕十字。薮下が難なく決勝進出を果たした。

第4試合 準決勝 SGS公式ルール 5分2R
×テビ・サイ(フランス/HAVTE TENSION)
○ローラ・ディオーガスト(アメリカ/チーム・タイガー・シュルマン)
1R 4'11" チョークスリーパーホールド


 ローラは開始早々、引き込んで三角を極めかける速攻。以降もバック、マウントを奪うなどテビを圧倒し、最後はチョークで一本。テビにほどんど何もさせないまま完勝し、実力の高さを観客に印象づけた。

第11試合 ダブルメインイベント 決勝戦 SGS公式ルール 5分2R
×藪下めぐみ(SOD女子格闘技道場)
○ローラ・ディオーガスト(アメリカ/チーム・タイガー・シュルマン)
判定1-2 (芹沢=ディオーガスト/山崎=薮下/川村=ディオーガスト)

※ディオーガストが初代女王に

 薮下が背負い投げで再三テイクダウンを奪っては、ローラが下から三角を狙う展開の繰り返し。下からの極めを得意とするローラはあえて倒され下になり、また、30秒ルールを熟知している薮下は三角を極められそうになっても不用意に動かず時間切れを待つという、どちらが有利とも不利とも言いにくい状態下で時計が刻々と進む。

 しかし薮下の投げ、ローラの極めはどちらも一級品。一瞬たりとも間延びする場面がなく、一個一個の攻防に観客が湧く。そして同じ展開の繰り返しの合間にも、薮下が倒して上になると速攻でサイドを取って腕十字を極めかけたり、スタンドで右フックを命中させたりと、流れを変えてみせる場面も。ローラも下になるだけでなくスイープしてバックを奪う場面があるなど、2人ともワンパターンの攻めに陥ることなく、観客を飽きさせない。
 ビッグイベントのメインにふさわしい好勝負。しかもスマックの寝技30秒ルールの魅力が存分に発揮される内容に。残り20秒、薮下が背負い投げから速攻の腕十字を狙うが惜しくも極まらずタイムアウト。最後まで全力を振り絞った両者に対し、惜しみない拍手が観客から送られる。勝敗を付けるのが非常に難しい大接戦となったが、ありがちな「ホームタウンディシジョン」に陥ることなく、チャンスの数でわずかに上回ったローラに軍配が上がった。

 薮下は無差別級に続く2階級制覇ならず。海外にベルトが流出する事態となったが、アメリカの実力者を次々倒してきたローラ相手に実質ドローの接戦を繰り広げ、改めて強さをファンに印象づけた。次に闘っても十分勝機があるはずだ。
 初参戦ながらもスマックの女王の座についたローラは、スマック特有のルールを十分体で理解し、得意の三角絞めを活かしたゲームプランを立ててきたことが勝因といえよう。初参戦の外国人選手にありがちな、もったいない反則による自滅が無く、終始冷静だったのも良かった。
 スマックの篠泰樹代表は年内に3階級の防衛戦を行いたい考えで、ローラにアメリカで一度敗れているロクサン・モダフェリを相手の候補として示した。日本在住のロクサンはこの日、BoutReview USAに観戦記を書くために取材活動を行う傍ら、日本語の勉強のためローラの通訳係も買って出ていたが(写真)、再戦には意欲的。もし実現すれば、場所、ルールは違えど、世界トップレベルの攻防が繰り広げられそうで楽しみだ。

(関連記事:ローラの来日直前インタビュー「スマック参戦準備万端!」



第10試合 ダブルメインイベント スマックガールライト級タイトルマッチ SGS公式ルール 5分3R
○辻 結花(総合格闘技闇愚羅/初代女王)
×おっさん(総合格闘技闇愚羅/挑戦者)
2R 2'10" 腕ひしぎ十字固め

※辻が初防衛

無情の同門対決で、おっさんの目にも涙

 6月大会の挑戦者決定トーナメントでおっさんが優勝、同日の初代女王決定戦で辻が勝利したことで実現してしまった禁断の同門対決は、大方の予想どおり先輩・辻が主導権。何度もタックルでテイクダウンを奪いチャンスを作る。
 両陣営のセコンドともアドバイスを送らず、タイムだけを知らせ、おっさんを応援する1人の観客の大声のアドバイスだけが場内に響くという不思議な空間に。おっさんは防戦一方ながらも、手の内を知っているだけあって極めのチャンスをなかなか作らせなかった。しかし8度目のテイクダウンを奪われた2R中盤、サイドから速攻の腕十字を極められ万事休す。試合が終わると、うっすら涙目のおっさんに、辻の方から手を差し伸べていた。

第6試合 フルコンタクト空手特別試合 2分2R(延長2分)
○小林由佳(西山道場)
×藤舘恵理(清心館)
判定3-0


2倍の体重差対決で会場ヒートアップ

 小林と藤舘の体格差は2倍以上。第1回ReMixの薮下×グンダレンコ、atom時代のスマックの星野×鳥巣を思い起こさせるカードとなるが、小林は期待通りの好ファイトを繰り広げる。
 体格差を活かし突進してくる藤舘に、小林は一歩も引かず突きの連打で応戦。時折前蹴りや胴回し回転蹴りも決め、観客を沸かす。小林の怒濤の突きのラッシュをもらううち、2Rには藤舘の突進力も衰退。最後は小林が逆に押す展開となり、手数で圧倒し勝利をもぎ取った。

 

第9試合 SGS公式ルール ライト級 5分2R
○WINDY智美(パンクラスism)
×小八ヶ代真紀(RL.BLOWS.)
判定3-0 (山崎=WINDY/川村=WINDY/芹沢=WINDY)


 ボクシングでタイトル戦も経験している小八ヶ代は、ガードを下げて左ジャブを振りながら攻撃の機会を伺う。だが距離感をつかむのはWINDY。上下に蹴りを打ち分け、接近戦でのパンチの打ち合いでも主導権を握り完勝した。

第8試合 SGS公式ルール 無差別級 5分2R
×前川久美子(フリー)
○たま☆ちゃん(SOD女子格闘技道場)
判定0-3 (和田=たま/川村=たま/山崎=たま)


 蹴り技を駆使する前川の攻めを見切ったたま☆ちゃんは、テイクダウンを再三奪うと腕十字を狙いチャンスを作る。2R終盤にはスタンドでもパンチを当て、判定勝ちをもぎ取った。

第7試合 SGS公式ルール -50kg契約 5分2R
○渡辺久江(フリー)
×舞(パレストラ松戸)
判定3-0 (芹沢=渡辺/山崎=渡辺/川村=渡辺)


 ストライカーの渡辺に対し、舞もボクシングで応戦。だが渡辺は右ローを何発も当て主導権を維持し、フックやハイも交えテクニカルに攻め続けた。

第5試合 SGS公式ルール -50kg契約 5分2R
×風香(JDスター)
○川畑千秋(SG女子格闘技スクール)
1R 2'50" 腕ひしぎ十字固め

第2試合 The Next Cinderella Tournament 2005 -59kg級 決勝戦 SGS公式ルール 5分2R
○赤野仁美(ガールファイトAACC)
×端 貴代(和術慧舟會東京本部)
1R 1'19" 腕ひしぎ十字固め
※赤野が優勝

第1試合 The Next Cinderella Tournament 2005 -48kg級 決勝戦 SGS公式ルール 5分2R
○永易加代(パレストラ東京)
×関友紀子(SOD女子格闘技道場)
2R 2'26" 腕ひしぎ十字固め
※永易が優勝

オープニングファイト第2試合 SGS公式ルール 無差別級 5分2R
×横瀬いつか(電撃ネットワーク・チーム南部)
○岡田 円(西山道場)
判定1-2

オープニングファイト第1試合 SGS公式ルール -52kg契約 5分2R
○山田よう子(日本アームレスリング連盟)
×大貫はるか(SOD女子格闘技道場)
1R 4'12" チョークスリーパーホールド

Last Update : 08/19 00:31

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