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[File 0010] ローラ・ディオーガスト「スマック参戦準備万端!」

BoutReview Flash Interview [File 0010] 8.17 スマックガール代々木第二大会に参戦!

  聞き手:シュウ・ヒラタ  写真:吉田みのり&シュウ・ヒラタ (BoutReview USA掲載記事を邦訳&編集)


チャレンジの繰り返しが大好き。

−−日本に対する印象は?

ローラ「私は今回が初めてなの。でも今まで日本に行ったことのある人たちはみんな『とてもいい所だ』と言ってるわ。人も優しいし。それに格闘技の選手をスターのように扱ってくれる、というのもよく聞くわ」

−−スマックガールという大会、そしてスマックのルールに対してはどう思いますか?

ローラ「そうね。できればグランドでの顔面への打撃は欲しいわね。これは私の個人的な考えなんだけど、MMAというスポーツで大切な要素の一つは、顔面と頭部への攻撃と防御だと思うんです。
 だけどいいの(笑)。アメリカでもグラウンドでの打撃が禁止されているルールで行われている大会もあるし、私、それにも出場したことがあるから、似たようなルールで試合した経験はあるの」

−−あなたは現在RING OF COMBATとREALITY FIGHTINGのウェルター級チャンピオンです。今回のトーナメントを制してスマックガールのベルトを巻いたら、女子総合界では初の『三冠王』となりますが。

ローラ「あら、そんなの考えた事もなかったわ。でも私は試合をするのが大好きだから、とにかく楽しみたいわ」

−−闘うのが楽しいですか?

ローラ「闘うのはチャレンジじゃない? 私はそのチャレンジする、というのが大好きなのよ。私がどれだけできるのか、知りたいのよ。そして試合で何かがうまくいかなかったら、じゃあ次はどこを練習して上達していけばいいかわかるでしょ? そういったチャレンジの繰り返しが大好きなの」

−−プロになって7試合負け知らずですが、今まで闘った相手の中で一番強かった相手は誰でしたか?

ローラ「アマンダ・ブキャナー(写真下:昨年11月スマック後楽園大会で近藤有希を一本で下した選手)だったと思うわ。腰が重いし、すべての技術のべース(基礎)がしっかりしている選手だと思うの」

−−アマンダとは二回試合していますよね?

ローラ「そうね。一度目は引分だったけど、二度目はチョークスリーパーでタップを取れたのよ(※近藤戦の1ヶ月前)」

−−ローラさんは、やっぱりストライカーというよりはグラップラーですよね?

ローラ「私は自分のことをオールラウンド・プレイヤーだと思ってるの」

−−となると得意技は?

ローラ「得意技とか好きな戦法とは別にないの。とにかく相手と向かいあった時の自分の勘、そして組み合った瞬間の感触でどんな闘いでもできると思うの」
 
 
素手の殴り合いを見て、『私もやりたい!』

−−格闘技の前のスポーツ歴は?

ローラ「陸上でしょ、それからサッカー部、あとは私、ダンサーだったのよ(笑)」

−−格闘技を始めたキッカケは?

ローラ「初めはセルフ・ディフェンス、護身のために始めたの。そしてある日、友達にトーナメントに連れていって貰ったのよね、そしたらそれがたまたまベア・ナックル(素手)で殴り合う総合格闘技だったの、グローブもつけてなくてね。それを観ているうち『私もやりたい!』と思うようになったのよ(大笑)」

−−なぜそう思ったんですか?

ローラ「自分でも判らないの。でもやりたい、と思ったのよ」

−−普通の女性なら、ちょっと危ないとか野蛮だとか思いそうですが。

ローラ「私、総合格闘技が男だけのスポーツだとは思わないの。やりたい人がやれるスポーツだと思うわ。男でも女でも関係ないと思うの」

−−という事は顔面を殴られる恐怖を感じたことはない?

ローラ「ぜーんぜん。でも本当は、私、人を殴るのは好きじゃないのよ(笑)」

−−じゃあ、試合でも打撃でノックアウトするよりも関節技でしとめる方がいい?

ローラ「それはケース・バイ・ケースよね。グラウンドでの攻防になったら、やっぱり関節技で決めたいと思うし、スタンディングでの闘いになったらやっぱりノックアウトを狙うと思うの。でも総合の試合で相手をクリアにノックアウトするのは難しいのよ。だから対戦相手に合わせます、なんちゃってね」
 
 
日本だと同じぐらいの体重の選手が多くいそうよね?

−−一番最近の試合ではロクサン・モダフェリと闘いましたね?

ローラ「私、ロクサンとグラップリングのトーナメントで一緒になった事が何度があったから、彼女のことはよく知っていたの。とても強いグラップラーよ。あの時の試合でも追い込んだ場面は何度があったと思うの。でもタップは奪えなかったわ」

−−ロクサンが再戦を申し込んできたら?

ローラ「もちろんOKよ!ロクサンは素晴らしい選手だもん」

−−今回のトーナメントの後、どんな相手と闘いたいとか、何か目標とかありますか?

ローラ「わたし、デビ・パーセルと闘ってみたいの。彼女の方が体重はあるけど、とてもいい選手だとみんな言ってるし。彼女のウェブサイトも見たことあるせいかしら、闘ってみたいのよ」

−−じゃぁ、将来、体重をあげていく事も考えてる?

ローラ「私ね、今まで私より軽い選手と試合した事ないのよ。アメリカだと私の階級は135パウンンド(61.29キロ)なの。でも私はナチュラルで128パウンド(58.11キロ)しかないの。だからアメリカでは私より軽い相手はなかなかいないのよね。でも日本だと同じ体重、または軽くてもいい選手がいそうよね? 私、いつでも重い選手と試合してたから、一生懸命体重を増やそうと思って(マクドナルド)のクォーター・パウンダー(ハンバーガー)を何個も食べてたのに、クォーター(1/4)・ パウンドも増えないのよ(笑)」

−−パーセルの他に闘いたい選手は?

ローラ「ちょっと今は思いつかないわ。でも強い選手とやりたいわ。そんなに強くない選手と1ラウンドやって勝つぐらいなら、本当に強い選手に3ラウンドやってボコボコにされた方がいいと思うの。強くなるため、というよりも、自分がどこまでやれるか、それを試したいの」
 
 
忙しくてなかなかいい人がみつからないの。

−−ちょっとパーソナルな質問になるますが、お子さんがいらっしゃいますよね?

ローラ「ひとり娘よ」

−−娘さんと休日をどのように過ごしていますか?

ローラ「彼女、フィギュア・スケートやっているのよ。だからスケートに一緒に行ったり、夏はウォーター・パークなんかも行くわ。でも彼女は一番好きなのはショッピングよね、やっぱり年頃(12歳)の女の子だから」

−−普段は看護婦のお仕事をしているんですよね?

ローラ「そうよ。昔は夜勤だったんだけど、最近、昼間のシフトに変わったのよ」

−−看護婦になってもうどれぐらいになりますか?

ローラ「4年ね」

−−なぜ看護婦になったんですか?

ローラ「私、人を助けるのが大好きなの。人がよくなっていくの、手伝ったり見ているのって素敵なことよ」

−−同僚の人たちはあなたが格闘技をやっていて、今度日本で試合をする、という事は知っている?

ローラ「みんな知ってるわ。だからとても協力的なの。今回も『どうしても一週間の休暇が必要なの』と言ったらすぐに『いいわよ』ていう感じだったし。みんな残業して私が抜けた事で空いたシフトをカバーしてくれているし。本当に感謝しているの」

−−いま、あなたはシングルマザーですよね?

ローラ「そうよ」

−−再婚の予定は?

ローラ「今のところは、そういった人がいないの(笑)。仕事もあるし、練習もあるし、娘の教育もあるでしょ。忙しくてなかなかいい人がみつからないの。難しいわよね、いい人に巡り会うのは。それに私には娘がいるから、それをちゃんと理解してくれて、しっかりと私と娘を受けとめてくれる人じゃないといけないし、難しいのよ」


昼寝している私にはパーフェクト

−−今回が日本デビューですが、これからも日本で試合をしたいですか?

ローラ「もちろんよ!それに次は娘も連れていく、と約束しちゃったから。そのためには、このトーナメント勝たないとね」

−−あと何年、総合の試合をやる予定ですか?

ローラ「うーん、2年ぐらいかしら」

−−その2年間の間で何か成し遂げたいことはある?

ローラ「総合格闘技での目標はまだ立てていないのよ。ちょっと考えないとね。でも男子のグラップリング・トーナメントで優勝したいわ。そうすれば結構インパクト残せると思うのよ」

−−何であと2年なんですか?

ローラ「ホントの事言うと、私、いつもそういった質問には『あと2年』と答えるの(笑)。だからもしかしたらもっと続けるかもしれないわよね」

−−そうでしょ。だって年齢的にもまだ5年はトップでやっていけると思うんですよ。

ローラ「わたしね、総合格闘技というのは、練習すれば練習するほど、試合をすれば試合をする程強くなるスポーツだと思うの。経験を積むことによってね。だから、あ、力が衰えてきた、とか弱ってきた、みたいな事は感じたことないのよ」

−−腕にあるタイガーのタトゥーは?

ローラ「これは(所属ジムの)タイガー・シュルマンに入る前からあったのよ。だからタイガー・シュルマンとは関係ないのよ。そこだけはちゃんと書いてね(大笑)」

−−同じジム所属のキャット・ディアズ(Kat Diaz:写真右)は全米キックのチャンピオンですよね。彼女と特に打撃の練習をしていますが、キックの試合に出たいと思ったことは?

ローラ「出さしてくれるのならやってみたいわ、とコーチ(シュルマン)にあなたの方から言っておいて(笑)」

−−今回は初めて日本で試合をする訳ですけど、時差ボケ対策とか何か考えていますか?

ローラ「わたしね、昔、夜勤でそのまま昼のシフトも、なんて事はしょっちゅうだったのよ。だから問題ないわ。私ならできる、そう信じているし。だから徹夜して試合をしなさい、と言われても問題ないと思うの。けど、日本での試合が決定してから、昼寝して夜練習しているし。でもね、ホントの事言うと、私、昼寝大好きなの。日本はちょうどニューヨークと昼夜が全く逆でしょ?だったら毎日昼寝している私にはパーフェクトなの(笑)」

−−最後に日本のファンに何かメッセージを。

ローラ「みんなに、ファンの人たちに会えるのが、何よりも楽しみなのよ。だから早く行きたいわ。ファンの人たちも、そして私自身も楽しめる試合をするわ」◆◆◆

 (2005年8月17日(水)開催・スマックガール参戦来日前にアメリカにて収録)

Last Update : 08/16 13:40

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