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(レポ&写真) [シルバーウルフ] 8.6 六本木:魔裟斗、KO勝ちで復活(石井戦記事追加)

シルバーウルフ "Wolf Revolution - resurrection(復活)-" 2002年8月6日(火) 東京・六本木ヴェルファーレ

 レポート:BOX-T,井原芳徳(大宮司戦) 写真:飯島美奈子
 【→大会前のカード紹介】 [→掲示板・キック&K-1スレッド]

メインイベント 68kg契約 3分5R(肘無し)
○魔裟斗(シルバーウルフ)
×メルヴィン・マーリー(カナダ)
2R 2'59" TKO (レフェリーストップ:右ロー)

 5月のK-1ワールドMAX世界一決定戦で惜しくも準決勝敗退してしまった魔裟斗が、3ヶ月ぶりにリングに戻ってきた。魔裟斗の復活を見届けようと、ヴェルファーレには超満員の1200人のファンが詰め掛けた。魔裟斗のマネージャーでもあるHARU氏率いるロックバンド「STAB BLUE」の演奏に乗って魔裟斗が入場すると、会場の熱気は最高潮に達する。

 マーリーはパンチの距離を嫌ってヒットアンドアウェイを試みるが、魔裟斗の強烈なローを浴び、逃げるのが精一杯。バックハンドブローを出すなどして状況を変えようとするが、実力の差は如何ともし難く、コーナーにパンチで詰められると自分からマットに膝を付いてしまう。すぐに立ち上がらなかったので、レフェリーはダウンを宣告し、魔裟斗は食い足りないとばかりに「立て!立て!」と手を振りアピール。それに応えるようにメルヴィンは立ち上がったが、魔裟斗は容赦なくラッシュを続け、最後は右ロー。マットに足下から崩れ落ちたマーリーを見たレフリーが試合を止めた。

 完勝といっていい内容だったが、「動きが硬かった。負けた後の試合なんで緊張した。今日は練習のつもりだったのに」と内容には満足していなかった魔裟斗。10月11日には有明コロシアムでK-1ワールドMAXの第3回大会の開催が決定し、5月に敗れたアルバート・クラウスとのリベンジマッチを希望した。


第2試合 ISKA世界スーパーフェザー級王座決定戦 60kg契約 3分5R(肘無し)
○大宮司 進(シルバーウルフ)
×クリストファー・マクドナルド(イギリス)
判定3-0 (50-44,50-46,50-44)

 初の世界タイトルマッチに挑む大宮司。コーナーには大宮司が練習する伊原ジムの深津飛成の姿も見える。当初アメリカのダン・ローリングスという選手と戦う予定だったが、急遽イギリスのマクドナルドという選手に変更となった。
 ビデオを見て見よう見まねで習ったような動作のワイクー(ムエタイの試合前の儀式のダンス)からは、色物の雰囲気漂うマクドナルド。だが50戦以上の戦績は伊達ではなく、1Rから伸びのある前蹴りとスピーディーなパンチで大宮司をヒヤリとさせる。
 大宮司は1R右ロー中心で攻めたが、途中で右足のスネを腫らしてしまい、右の蹴りを出せなくなってしまう。踏み込んでのパンチも打てなくなり、2Rから左ロー主体に作戦を変更する。ピンチにも冷静に対処した大宮司。パンチの打ち合いには応じず、距離を取って着実に左ローを当て、2R終盤にはダウンを奪う。3、4Rも左ローを効かせペースを維持。客席からは「ダイグー」コールも巻き起こる。

 だがマクドナルドはしぶとく、試合は5Rにまで突入。ついには右スネの痛みの激しさのあまり左ローが打てなくなり、大宮司はパンチ主体に移行する。マクドナルドの右ストレートをもらう場面もあったが、試合の主導権を握り続け、大差の判定勝ちをおさめた。
 深津や菊地剛介らに胴揚げされ、喜びの笑顔を見せた大宮司。実は背中の怪我のため今回の試合に向けての練習時間が短く、深津や菊地ら練習仲間がちょうど心の支えとなっていたようだ。
 世界と名のつくベルトを手にした大宮司。これからの目標として、3月のMAキックでのコンバット2002トーナメントで敗れた花戸忍へのリベンジ、同トーナメントで活躍したハードパンチャー・大月晴明との対戦を希望した。
 一方で、「密かに『ライバルは魔裟斗だ』と考えながら戦い続けたい」ともコメント。体重差があるので直接対決は考えられないが、“軽量級の魔裟斗”としてブレイクしたいという意志の表れだろう。魔裟斗ほどの派手さはないが、素朴なキャラクターで周囲からかわいがられている大宮司。魔裟斗目当てでベルファーレに来たファンにも存在感をアピールできたのなら、ベルト以上に収穫は大きい。


第1試合 パンクラスルール 90kg契約 5分3R
○石井大輔(パンクラスism)
×栗原強(チームROKEN)
判定1-0 (29-28) ※ジャッジは1名のみ

 スタンドでの石井の豪快なパンチが期待されたが、中途半端に手を出した所を、栗原にかい潜られてタックルされ、コーナーに押し込まれる。しかし、逆に石井がテイクダウンを奪い、上からパンチを落とすという展開が何度も見られた。しかし、栗原にアッサリとスイープを許してしまう脆さも見られた。
 1Rの途中、グランドでのパンチが効き始め、栗原が目をつぶって動かなくなった所 で、石井が立ち上がり、顔面に軽くサッカーボールキックをヒットさせる。石井が試合後のインタビューで「ラッシュをした時に、栗原選手が、自分の足にタップしたのを感じて、レフリーが止めると思ったんだけど止めなくて・・・」と語っているように、レ フリーが止めるべきではないかと思われるような危険な状況であったが、そのまま続行された。この時、石井も何故か疲れてしまっていて、動きが鈍くなっていた。それ故に、それ以上の攻撃を加える事ができなかったので試合を決める事はできなかった。しかし、その事が逆に、重大な事故に至らなかった理由になったという意味では幸いであった。その後も、序盤に見られたような展開が延々と続き、試合終了。
 異常なスタミナのロスの原因として「試合前も、試合中もずっと音楽が掛かってたんで、心拍数が上がっちゃって、疲れちゃいました(苦笑)」と石井は語った。こんな所にクラブでの格闘技イベントの特異性が影響していたようだ。

◆石井「勝った気が全然しない・・・。1Rで完璧に動けなくなってしまった。途中でラッシュをした時に、栗原選手が、自分の足にタップしたのを感じて、レフ リーが止めると思ったんだけど止めなくて、それで精神的にもガクッと来て・・・仕留められない自分のせいなんですけど。体に力が入らなくて、インターバルの間、コーナーで立ってられなかった。(ウルレボの印象は?)楽しかった。観客が近くにいて良かった。呼んでくれるなら、また出たいです。(スタミナに関して)体重を落としすぎた事もあるし、試合前も、試合中もずっと音楽が掛かってたんで、心拍数が上がっちゃって、疲れちゃいました(苦笑)」

Last Update : 09/02

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