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(レポ&写真) [IKUSA 6] 11.28 六本木:HAYATΦが秒殺勝利

アクアプラネット・IKUSA事務局
"FUTURE FIGHTER IKUSA 6〜宙(SORA)〜GANGSTAR☆Z@Velfarre"

2004年11月28日(日) 東京・六本木verfarre

◆ CS放送・GAORAにて12/9(木)19-21時、17(金)23-25時 OA

レポート:井原芳徳(第4試合以降)、永田遼太郎
写真:井原芳徳

 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第5試合 打撃GIルール 70kg契約 3分3R(最大延長2R)
○HAYATΦ(FUTURE_TRIBE/UKF世界Sウェルター級王者・ラジャダムナン・ミドル級6位)
×ジャバン・ストジャノフスキー(カナダ/チャイヤイジム)
1R 0'36" KO (右ストレート)


 最初サウスポーのストジャノフスキーが左ローを当てると、HAYATΦのセコンドの山口元気が「相手遅いよ。右インローか右ミドル」と即座に指令。それに従うようにHAYATΦは右インローを当て下に意識を散らすと、続けて右ストレート。これが見事ストジャノフスキーのアゴを打ち抜き、ストジャノフスキーはロープによりかかるようにダウンを喫する。カウントが数えられようとすると、足への神経が寸断されたような状態で、ストジャノフスキーはマットに尻餅をついて立ち上がれなくなり、そのまま試合終了した。

 判定の多かったこの日の大会で、一際インパクトを残す秒殺KO勝利。HAYATΦのボクシングトレーニングの成果が発揮されたといえよう。試合後、HAYATΦが12/23にタイのラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者決定戦に挑むことが内定したと発表された(後日正式決定)。元ラジャダムナン王者・武田幸三を彷佛とさせる右で、ムエタイの頂点をつかみ取るか? 日本のファンへのクリスマスプレゼントをHAYATΦが持ち帰ってくれることを期待したい。


第7試合 ダブルメイン(2) U70初代戦王決定戦 打撃Sルール 3分5R
○新田明臣(バンゲリングベイ/前WKA世界ムエタイSウェルター級王者)
×DAVID(アメリカ/真樹ジム沖縄/UKF世界Jrミドル級王者)
判定3-0 (梅沢49-47/岡林50-47/松田50-47)

※新田がU70初代戦王に

 新田はIKUSAデビュー戦となった7月大会と全く同じパフォーマンスで入場。クラブ特有の照明の中で、引き締まった褐色の新田のボディが大きな存在感を示す。セコンドにはニコラス・ペタスが付き、赤コーナー付近には試合を終えた山口、増田、HAYATΦ、加藤らが陣取り、近くの客席には須藤元気の姿も見える。
 1Rは静かな打ち合いだったが、2Rからは右ロー合戦に。互いに有効打をもらいながらも、同じ技で痛めつけ合う。足のダメージの影響もあり、3Rからはクリンチが増え、両者ともイエローカードをもらってしまうが、どちらも引かぬまま後半戦に突入する。

 4R開始早々、新田の左ミドルが炸裂。DAVIDがひるんだと見るや、新田は突進して膝を当てるが、これが股間に命中してしまう。それほど当りは強烈ではなかったように見えたが、DAVIDの試合後の弁によると、ファウルカップがいつも使っているものよりサイズが小さかったためズレてしまい、余計な痛みが発生してしまったという。インターバルの後に新田の放った膝蹴りは明らかに股間に当たっていなかったが、腹からの震動のせいもあるのだろうか?DAVIDはすぐにうずくまってしまう。DAVIDがわざと休んでいるようにも見えたため、客席からはブーイングが飛ぶ。その後DAVIDは明らかに失速していき、新田はパンチや右ハイで攻勢。5Rも主導権をキープし、U70初代戦王の座をつかみとった。
 
◆新田「最低の内容でした。ローが効きました。せっかくニコラスさんに教えてもらったのに、今日の動きは最低です。まだ自分は変わってないですね。でも今はみんなに支えられいて、生きる目的ができてきました。生きていることを実感しながら、少しでも人助けしていきたいですね」

第6試合 ダブルメイン(1) 打撃Sルール(肘有り) 3分5R
○加藤督朗(山木ジム/WPMF世界ウェルター級王者・ルンピニーウェルター級2位)
×キエラン・ケッドル(イギリス/ケッドルズジム/WAKO-PRO英国ウェルター級王者)

判定3-0 (小林50-48/梅沢49-48/松田50-48)

 加藤はタイに帰国したトレーナーのヌンサヤームのトランクスを着用して入場。対するケッドルは加藤のムエタイスタイルと非常に手が合い、しかも高い技術水準の選手。互いに離れてはミドルやローを打ち合い、接近戦では肘と膝を活用し、本場タイを彷佛とさせる攻防が繰り広げられる。3Rからようやく加藤はパンチを多用。4Rからはケッドルもラッシュを仕掛け、尻上がりに両者のスピードが上がって来る。
 そして迎える最終ラウンド。赤コーナー側に陣取る伊藤隆、山口元気、HAYATΦら山木ファミリーからは「スネーク、全部出し切れ!」「最後だぞ、楽しめ!」といった激励が飛ぶ。それに応えるように加藤はパンチラッシュ。ケッドルも加藤のミドルにはミドル、膝には膝と、徹底して応戦し一歩も引かない。残り30秒、加藤はパンチの連打でケッドルをのけぞらせるが、ケッドルも最後まであきらめず肘で加藤をヒヤリとさせ試合終了。まさに15分間ムエタイ漬け。加藤督朗の選手生活が凝縮されたラストファイトだった。

第4試合 打撃GIルール 58kg契約 3分3R(最大延長2R)
○TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver O.J./前NKBフェザー級王者)
×駿太(谷山ジム/MA日本フェザー級5位)
判定3-0 (松田30-29/岡林30-27/梅沢30-28)


 NKB時代と変わらぬテーマ曲で入場したTURBΦ。パンチとローを巧みに打ち分け、序盤から手数で圧倒する。だが小さめのリングとクラブ特有の雰囲気に慣れないせいもあり、ペース配分でミスを犯し、序々にターボエンジンが失速。対する駿太は鼻血を出して苦しみながらも、IKUSA常連の意地を発揮。決定的な場面を作らせず、パンチ、前蹴り、ミドル、膝で応戦し、3Rには左ミドルでTURBΦの動きを止める場面も。しかしトータル的にはTURBΦのハイスパートファイトに駿太が付いていくような展開が大半。駿太のダメージに対するジャッジの見方にバラツキはあったが、TURBΦの勝利に揺らぎはなかった。

第3試合 打撃GIルール 62kg契約 3分3R(最大延長2R)
○増田博正(スクランブル渋谷/元全日本&J-NETWORKフェザー級王者)
×三原日出男(シーザージム/SB日本Sフェザー級4位)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

※3Rに三原にクリンチ多用によりイエロー1

 最近の増田はどうも日本人相手に苦戦している。大月にKO負けを喫して以来、不意にパンチをもらいセコンドをヒヤヒヤさせるシーンが目立つ。その度に「打ち合っちゃうのが悪い癖で」とコメントする増田だが、この日もその『悪い癖』が出てSBの刺客・三原のパンチを度々もらっていた。
 試合は上下のコンビネーションで試合を組み立て手数でなんとか勝利をモノにしたが、来年の目標をIKUSAの60kgトーナメントに照準を絞るなら、元々フェザーから体重を上げ臨んでいるだけに、この悪い癖は致命傷になりかねない。来年に向けて何らかの対策が必要だろう。自身が目指す所がもっと高い場所である以上、正直この辺りで苦戦している場合じゃないだろうとここではあえて苦言を呈し、増田博正の奮起に期待する。

◆増田「全然ダメですね。相手に先にやられちゃって。打ち合っちゃうのが悪い癖ですね。相手は思ったよりパワーがあってびっくりしました。先にパンチを貰ってバランス崩しちゃったりして、本当は今日スッキリ勝って来年の60kgトーナメントに備えたかったのですが、全然ダメでした。マイナス100点くらいですね」

第2試合 打撃GIIルール(肘有り) 57kg契約 3分3R
○山口元気(クロスポイント吉祥寺/元MA日本フライ&フェザー級王者)
×ティージクン・ヨシダ(チーム・マイペンライ/KAKIDAMISHIライト級王者)
判定3-0 (松田30-27/岡林30-25/梅沢30-25)

※1R膝蹴りでヨシダ1ダウン

 この日、たくさんの注目カードがある中、筆者の一番の注目カードは山口元気の4年ぶりの復帰戦だった。対戦相手のヨシダは強い右ストレートを武器にする強打の持ち主で、4年ぶりのリングで試合感が鈍った山口が、不意に強打の餌食になる事も心配されたが、そうした声を掻き消すかのようにしっかりガードを固めヨシダの攻撃を完封、チャンスをうかがい組み付くと、膝を連発し、あっさりダウンを奪った。
 「負ける気は全然しなかった」という山口はここでダンスを見せる余裕も見せ、さらに立ち上がったヨシダに組み付くと、ここぞとばかりにヒジと膝を連発、これで額をカットしたヨシダにドクターチェックが入った。さらに攻め込んだ山口だが惜しくもこのラウンドでKOはならなかった。
 しかし試合はその後も山口のペース。2R以降はヨシダも膝を警戒し距離をとってきたが、それでも元気は得意の左ミドルを面白いようにヨシダに当て反撃を許さない。
 そして3R、左ミドルを打ちながらチャンスを窺っていた山口が再度ヨシダを捕まえると膝を連発し止めを刺した。試合後のインタビュースペースでは本格復帰を宣言。今後のキック中軽量級が楽しみになってきた。

◆山口「いやあ全然ダメですね(笑)。試合勘がなかなか戻らなくて。予想どおり1Rでスタミナ切れちゃいました。1Rは蹴るとすぐ中に入ってくるんで膝しかなくて。(最初のダウンは)向こうも膝を予想してなかったんじゃないですか。次はもう少しいい試合できますよ。ミドルももっといいの見せれると思うし。疲れちゃって(笑)。内容は酷かったですね。3回戦みたいな試合しちゃいました。次は12月に中国で散打に出て、1月にタイで試合をしようと思っています。内容は最悪でしたけど勝ったんで良しとします。ありがとうございました」

第1試合 打撃GIIルール 65kg契約 3分3R
○尾崎圭司(チームドラゴン)
×TAISHO(バルボーザジャパン)
3R 0'42" KO (2ダウン:パンチ連打)


 総合格闘技・DEEPの使者として送り込まれたTAISHOだったが、チームドラゴンのホープ尾崎に返り討ちにあった。試合は最近、トレンドになりつつある総合格闘家の打撃ルール参戦に、ある意味、歯止めをかけるに十分な尾崎の貫禄勝ちだった。尾崎は序盤からワンツーから右ローを効果的に打ち込み試合を優位に進めた。一方のTAISHOは緊張もあったのか不慣れなキックルールでまったく良い所が見られず尾崎に反撃のチャンスさえ許してもらえなかった。

オープニングファイト 打撃GIIルール 62kg契約 3分3R
○加藤潤一(谷山ジム)
×裕喜(和術慧舟會創心ジム)
1R 0'52" KO (2ダウン:膝蹴り)

Last Update : 12/08 11:18

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