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(レポ&写真) [全日本キック] 9.23 後楽園:白鳥、貫禄のKO勝ち

全日本キックボクシング連盟 "DANGER ZONE"
2004年9月23日(木/祝) 東京・後楽園ホール  観衆・1,620人(満員)

  レポート:井原芳徳、永田遼太郎  写真:米山真一  【→カード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

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  ※サドンデスマッチは3分3R、最大延長2R、5R目はマスト判定の完全決着ルール

第11試合 メインイベント ライト級 サドンデスマッチ
○白鳥 忍(モンゴル/高橋道場/全日本ライト級1位)
×マリオス・カラリス(ギリシャ/クルーマリオジム/ギリシャムエタイ協会ライト級1位)
3R 0'13" KO (右ハイキック)

※2Rカラリスに右ストレートで2ダウンあり

 1Rから白鳥はミドル、ボディ、フック、肘打ちとカラリスを圧倒。2Rにはカラリスも飛び膝や回転肘で奇襲を仕掛け反撃を試みる。しかし白鳥は余裕でかわすと強烈な右ストレート一発で動きを止め、コーナーに詰めてのパンチ連打で最初のダウンを奪う。さらにラウンド終了と同時に右ストレートでダウンを奪取。かろうじてカラリスは立ち上がり、タフさを発揮するが、3Rのゴングが鳴った時点でカラリスの足元はフラフラ。最後は白鳥が右ハイキックでマットに沈めた。
 試合後の白鳥はこれまで同様、昨年の全日本ライト級最強決定トーナメント決勝でTKO負けを喫した相手である大月晴明との再戦を熱望。大月は10.17 後楽園大会で復帰戦が決まっており、試合内容と発言に注目が集まる。(井原)

第10試合 セミファイナル ウェルター級 サドンデスマッチ
○山本優弥(BOOCH BEAT/全日本ウェルター級1位)
×高谷裕之(格闘結社田中塾/修斗ライト級世界1位)
3R 判定3-0 (豊永30-29/和田30-29/野口30-29)


 いつも入場曲の変わる高谷。今回は布袋寅泰の「新・仁義なき戦いのテーマ」で登場。張り詰めた雰囲気が高谷に似合っている。
 優弥の左ハイをブロックした高谷は、ワンツーとローのコンビネーションをクリーンヒット。恒例の優弥スマイルが早くもこぼれる。この日の高谷はコンビネーションをうまく当てており、3月のヴァシコバ戦のようなぎこち無さが見られない。いい意味で総合格闘家らしさが全く感じられなかった。
 とはいえ本職のキックボクサーの優弥のほうが数枚上手。上下に蹴りを散らし、着実に右ローでダメージを蓄積させる。7センチ背が高いのも好材料なのだろう。2Rの終盤のパンチの打ち合いの後、優弥は舌と顔を3秒程前に突き出して挑発。ここまでやや攻めあぐねた感じだったが、3Rは完全に優弥のぺースとなり、パンチとローの手数で優勢。3Rのポイントを取る形で、優弥の勝利となった。敗れはしたが優弥に最後まで決定打を与えなかった高谷の健闘も光った。この経験は修斗でもきっと活きてくるはずだ。(井原)

第9試合 ヘビー級 サドンデスマッチ
×西田和嗣(S.V.G./全日本ヘビー級王者)
○桜木裕司(掣圏会館/掣圏武芸トーナメント優勝)
5R 判定0-3 (大成9-10/和田9-10/豊永9-10)

4R 判定0-1 (大成9-10/和田10-10/豊永10-10)
3R 判定1-0 (大成29-29/和田29-29/豊永30-29)

 日の丸を肩にかけ日本刀を脇に携え入場した桜木裕司。この入場シーンには観客も大喜び。リングインする桜木に四方八方から声援が飛んだ。「地味な入場シーンで試合も地味。そういう観客の印象に残らない選手が多い中、桜木選手は雰囲気もある。(リングインして)彼を見たら燃えた」という西田は、リングインするとそのまま桜木に向かって駆け寄り挑発。試合前からいいムードが場内に漂う。
 序盤は西田が左のミドルで桜木を追い詰め、キックのチャンピオンの意地を見せる。2Rはさらに左のローも加わり圧倒。桜木がこれで足をひきずるシーンも見られ、試合はこのまま決まるかに思われた。
 しかし桜木がここから脅威の粘りを発揮する。西田が爆弾を抱える膝を右のインローで破壊すると、さらにパンチの連打で追い詰め形勢逆転。この桜木の反撃に観客席はさらにヒートアップ。試合は延長戦に入った。
 両者の意地がぶつかりあった延長戦は、1ラウンドでは決着がつかず再延長戦へ。
「延長はあまり経験がなかったので(※2度目)、こんな疲れるのかって思った」と試合後に素直にスタミナ切れを認めた西田。桜木はそんな西田をローでさらに追い込み、パンチの連打で一気に攻めて逆転勝ち。試合後にはお互いに「試合をしていて気持ちよかった」と健闘を称えあった。
 控え室に戻った桜木は「ベルトを賭けてくれるなら再戦してもいいけど、それに固執するつもりはない。むしろPRIDE武士道の関係者に『キックのチャンピオンに勝った総合選手を使ってみませんか?』とアピールしたい」と今後の抱負を語った。(永田)

第8試合 ウェルター級 サドンデスマッチ
×小松隆也(建武館/6位)
○金 統光(藤原ジム)
4R 判定0-3 (朝武10-10/野口9-10/豊永9-10)

3R 判定0-1 (朝武30-30/野口29-30/豊永30-30)

 本戦では決着が付かなかったが、やや優位に試合を運んでいた金が、延長ラウンドで手数で上回り勝利。ランキング入りが決まった。(井原)

第7試合 ライト級 サドンデスマッチ
×梶村政綱(藤原ジム/8位)
○降矢康勝(GENESIS)
4R 判定0-3 (野口9-10/朝武9-10/大成9-10)

3R 判定0-1 (野口30-30/朝武29-30/大成30-30)

 全日本キックに降矢康勝という一人の中堅選手が帰ってきた。降矢は前々回の加藤啓明戦の時も仕事が忙しく、1年半ぶりの試合だったが、今回はさらにブランクの長い2年半ぶりの復帰となった。そのブランクを考えれば当然、現在ランキング9位の梶村のいい引き立て役に終わるのではと戦前は予想された。
 前半こそ梶村の首相撲からのヒジで降矢は苦戦するが、徐々に試合感を取り戻すと後半、攻め疲れた感のあった梶村に細かいパンチを確実にヒットさせる。これで形勢を逆転した降矢は延長に入ると、飛びヒザでペースを掴み、本戦同様にパンチで試合を優勢に進め判定勝ちを拾った。
 降矢は現在34歳。彼に限らず、格闘技界には選手業以外に他の仕事を持つ選手も多い。その中には結婚して子供もいる人間も。降矢もそんな一人だ。今回も普段、営業職に携わる降矢の怪我を心配する奥さんの反対を押し切る形でリングにあがっていた。
「僕みたいにサラリーマンをやりながら家庭や子供の面倒を見ている選手はけっして少なくないと思うんです。そういう選手たちにも自分みたいな選手が頑張ることで、年齢やブランクがあってもランキング戦やタイトル挑戦もできるんだよということを証明したかった」
 ちょうどこの日、大月晴明の王座返上により「ライト級王座決定トーナメント」が11月大会よりスタートすると発表された。降矢にもランカーの梶村を破ったことで千載一遇のチャンスが巡ってきた。降矢がここに加わるかは、まだわからない。しかし、ここは彼が存在をアピールする絶好のチャンスにも思える。出場メンバーの発表を待ちたい。(永田)

 
第6試合 ヘビー級 3分3R
×川崎康弘(士心館)
○イゴール・ペプロフ(ロシア/極真会館)
1R 2'10" KO (飛び膝蹴り)

第5試合 フェザー級 3分3R
△岩浅晶士(S.V.G.)
△森山直樹(はまっこムエタイジム)
判定0-0 (30-30/30-30/29-29)

第4試合 ライト級 3分3R
○栗原 豊(光ジム)
×安川文健(AJジム)
3R 0'25" KO

第3試合 ミドル級 3分3R
○白川裕規(S.V.G.)
×森田礼王(建武館)
判定3-0 (30-28/29-28/29-28)

第2試合 バンタム級 3分3R
×水原浩章(光ジム)
○寺戸伸近(BOOCH BEAT)
3R 2'53" KO

第1試合 バンタム級 3分3R
×前田浩章(JMC横浜GYM)
○ハリィ永田(はまっこムエタイジム)
3R 0'16" KO

<以下オープニングファイト>

第4試合 ミドル級 3分3R
×大和東洋(REX JAPAN)
○今野孝親(DRAGON GYM)
判定0-3 (28-30/28-29/28-29)

オープニングファイト第3試合 62?契約 3分3R
○黒狼[ブラック・ウルフ](高橋道場)
×岩切博史(月心館)
判定3-0 (30-27/30-26/30-27)

オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R
×渡辺一由(レグルス池袋)
○遠田誉人(DRAGON GYM)
判定0-3 (23-30/23-30/23-30)

オープニングファイト第1試合 ライト級 3分3R
○寺崎直樹(青春塾)
×小助川公太(鷹虎ジム)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

Last Update : 10/08

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