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(レポ&写真) [新日本キック] 7.11 後楽園:武田、無念の反則勝ち

新日本キックボクシング協会 "MAGNUM 5" 2004年7月11日(日) 東京・後楽園ホール

  レポート:井原芳徳  写真:米山真一  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

メインイベント 第15試合 肘無しルール -70kg契約 3分3R
○武田幸三(治政館)
×ペットナークン・ソー・サムルアイナムチョーク(タイ)
2R 反則


 武田がペットナークンをロープ際に詰めるも、なかなか攻め込めないという展開が繰り返されるが、2R2分過ぎ、武田が左右のローの連打でペットナークンを苦しめ、均衡を破る。
 だがその直後、窮地のペットナークンは反則の肘打ちを放ってしまい、武田の左目尻に三日月型の深い傷ができてしまう。ドクターはストップを宣告したい様子だったが、伊原信一・新日本キック会長の「行っちゃえ!」との声を受け、再開することに。武田は傷が深まるのを警戒してか、頭を前に出せない引き気味の攻めとなってしまい、結局倒しきれずゴングが鳴る。
 インターバル明け、ようやくドクターストップが認められると、「偶発的なバッティングによる終了のため、規定により、2Rまでの内容で採点する」とアナウンスされ、ドローが宣告された。ポイントは1-0 (北沢20-20/島田20-19/深瀬20-20)。
 本部席に座っていた伊原会長と長江国政・治政館館長は、反則のシーンがはっきり見えなかったため、バッティングによるストップと思い込んでいたようだが、大会後にVTRを見て、ペットナークンが肘を放ったのをようやく認めた。協会は翌12日午後、ペットナークンの反則負けに裁定を変更すると発表した。

 ちなみにこの試合が肘無しルールだという発表は会場アナウンスでもパンフレットでも行われておらず、取材したマスコミも事情の把握に混乱させられた。リング三方のジャッジ席に陣取っている審判団も、反則の場面をはっきりと確認できていなかったようだ。後味の悪い結末となってしまい、判定を聞く前に足早に帰る観客も多かった。
 武田の次の試合は9.5 ディファ有明大会(治政館主催)に決定。-70kg契約でタイ人と対戦する。10.13 K-1 MAX、この日開催発表された11.13 北九州・小倉ドーム競輪場大会にも出場が予定されている。

◆武田「肘で切られました。肘が見えましたから。今日はちょっと力んでしまったけど、相手の攻撃は良く見えていたし、調子は良かったんで残念ですね。タイ人にもっとルールの理解を徹底させないと。今日みたくフラストレーションを溜めさせたら、お客さんに申し訳ない。
(K-1 MAXを制したブアカーオの印象は?)ムエタイで強いのが久々に出てきた感じですね。(対戦を期待されているが?)お客さんが望むのならやりたいけど、かなり傷がひどいですよね? また薬を大量に飲んでくっつけないといけないですよ(苦笑)」

メインイベント 第14試合 -58kg契約 3分3R
○菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
×ワンチャナ・チューワッタナ(タイ)
判定3-0 (北沢30-29/稲田30-28/深瀬30-28)


 菊地がお得意の左ローで2R終盤から攻勢。3Rはワンチャナが何度も組付いてローを打たせない引き分け狙いのファイトに出るが、次第に菊地は組み付かれる前に左ローを当てるようになる。あと一歩の所まで追い詰めるが時間切れ。4Rあれば間違いなくKO勝ちできたであろう展開だった。

メインイベント 第13試合 -62.5kg契約 3分3R
△石井宏樹(藤本/日本ライト級王者)
△ムアンファーレッグ・ギャットウィチアン(タイ/元ラジャダムナン・フェザー級王者)
判定1-0 (酒井30-29/江刺家30-30/深瀬30-30)


 石井はムアンファーレッグのノーガードでの挑発に混乱することなく、コンビネーションからの右ローを当て、ジワジワとダメージを蓄積させる堅実な試合運び。だが「5回戦マッチ3R」の戦いで、元ラジャダムナン王者相手となると、この戦法は功を奏さない。3R、ムアンファーレッグはパンチの打ち合いに誘い込むようになり、石井も倒しにかからざるをえなくなり、結局両者決め手に欠きドローに終った。
 両者は過去00年5月、02年1月にも対戦しており、これで石井の1敗2分に。特に完全決着を望んでいたであろう石井にとっては、無念の内容に終ってしまった。

セミファイナル 第12試合 -54.5kg契約 3分3R
△加村健一(伊原/日本バンタム級王者)
△ビン・インウク(韓国)
判定1-0 (北沢30-30/江刺家30-29/島田30-30)


 ムエタイスタイルの両者の攻防は、1Rは静かな打ち合い。2R、加村のワンツーがヒットし、左ミドル、膝蹴りで攻勢。3Rにはバックハンドや右ローも出すが、攻め足りない内容に終わってしまい、判定はドロー。石井戦同様、消化不良の内容に終った。

セミファイナル 第11試合 -68kg契約 3分3R
○シン・ノッパデッソーン(タイ/伊原/ラジャダムナン・ウェルター級王者)
×米田克盛(トーエル/日本ウェルター級王者)
3R 0'35" TKO (タオル投入)


 ノッパデッソーンは約5年間保持したラジャダムナン・スーパーライト級王座を返上。4月28日、タイでチャーンヴィットを破り同ウェルター級王者となり、今回凱旋した。今日の相手はそのチャーンヴィットに昨年7月大会のタイトルマッチでKOされた米田。やはり力の差は歴然で、1Rからノッパデッソーンはミドルやハイで攻勢。米田も左右のローで応戦するが、ノッパデッソーンの猛攻は止まらず、2R終盤には肘打ちで右目尻を切られてしまう。そして3R、ノッパデッソーンの左ハイをもらった米田は、腕をダラーンとさせ背中を見せ戦意喪失状態に。タオルが投げ込まれると同時にレフェリーストップとなった。

第10試合 ライト級 3分3R
×朴 龍(韓国/市原/2位)
○高 修満(伊原)
判定0-2 (北沢29-30/江刺家29-30/深瀬30-30)

 コリアン対決はムエタイ流の攻防が続く。互いに単発の攻めしか無かったが、2、3Rに高が右ミドルの手数で勝り僅差の判定勝ち。1年前のリベンジに成功し涙を流した。

第9試合 フェザー級 3分3R
○森田亮二郎(藤本)
×那河成貴(トーエル)
判定2-0 (北沢30-29/稲田30-30/深瀬30-29)

 スパイダーマン模様のトランクスで登場した森田が、3Rにパンチの連打で攻め、僅差の判定勝ち。

第8試合 ウェルター級 3分3R
○荻野兼嗣(ビクトリー/前MA日本ウェルター級王者)
×関ナオト(宇都宮尾田)
3R 2'16" TKO (ドクターストップ:額のカット)

 1R、関が右ミドル、右フック等で攻勢だったが、2Rから荻野が左右のストレートで反撃。3Rもパンチで攻め続け、最後は肘一発で関の額を深く切り裂いた。これで協会移籍2連勝。

第7試合 フェザー級 3分2R
△山口 志(宮川)
△北野正一(誠真)
判定0-1 (北沢19-20/島田20-20/酒井20-20)

第6試合 バンタム級 3分2R
×木暮 智(ビクトリー)
○蘇我英樹(市原)
判定1-2 (深瀬20-19/島田19-20/江刺家19-20)

第5試合 -73kg契約 3分2R
○馬場 健(伊原)
×ギャオス吉田(治政館)
判定3-0 (稲田20-19/島田20-18/江刺家20-19)

第4試合  フェザー級 3分2R
○アツシ(ビクトリー)
×栗本直基(野本塾)
判定3-0 (稲田20-17/酒井20-18/江刺家20-18)

第3試合 ライト級 3分2R
○関野義男(治政館)
×拳太(横須賀大賀)
判定2-0 (稲田20-19/酒井20-19/江刺家20-20)

第2試合 フェザー級 3分2R
○大川俊彦(トーエル)
×西川 義(藤本)
判定3-0 (稲田20-17/酒井20-16/江刺家20-16)

第1試合 ウェルター級 3分2R
○滝田純一(伊原土浦)
×海津大輔(藤)
2R 1'26" KO

Last Update : 07/13

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