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(レポ&写真) [ZST] 7.4 Zepp:小谷&所、揃って勝ち9月決戦へ

ZST事務局・TBSラジオ "BATTLE HAZARD 01"
2004年7月4日(日) 東京・Zepp Tokyo  観衆:882人(超満員札止め)

  レポート&写真:井原芳徳
  【→ルール&カード紹介記事】
  【→掲示板スレッド】

第5試合 バーリトゥードルール ライト級 1/2R5分+3R3分
○小谷直之(ロデオスタイル)
×レミギウス・モリカビュチス(リトアニア)
1R 2'07" 腕ひしぎ十字固め


 パンチで突進してきたレミーガを、小谷はもろ差しで捕まえる。レミーガは何度もロープをつかむが、小谷はテイクダウンに成功。そのままバックマウントとなり、スリーパーを狙う。だがこの時の小谷は、普段のグラウンド頭部打撃無しのZSTルールでの戦いの癖が抜けきらず、パンチを落とさずに直接スリーパーを極めにいく攻め方。セコンドの「殴っていいんだよ」の声に反応し、ようやくパウンドを使いはじめる。試合後本人もこのルールへの不馴れを反省していた。

 数発レミーガの頭を殴った小谷は、再びスリーパーを狙う。一旦マウントに戻り、再びバックマウント。暴れ馬状態のレミーガを、小谷は見事な“ロデオスタイル”で乗りこなし、パンチの鞭を叩き付ける。そしてレミーガが腕を前に突き出したのをすくい上げ、一気に腕十字。勝負は決まったかに思えたが、レミーガは小谷の顔面狙ってカカト落としを何度も放つ。我慢比べ状態となるも、最後は小谷が太腿をテコにアームロックのような形で肘を極めると、ついにレミーガはタップ。小谷はコーナーに登り、歓喜の雄叫びをあげた。
 セミファイナルで勝った所英男が「9月は小谷君とやります」とアピールしていたため、小谷はマイクと持つと、所戦を受けることを正式表明した。両者は01年9月21日・リングスBATTLE GENESIS vol.8の第1試合で対戦し、小谷が判定2-0で勝利している。

 だが最近負けの続いていた小谷は「今は僕が挑戦する立場です」と謙虚だ。そしてリングインした所が「絶対に勝ちます」と宣言すると、小谷は「絶対に勝つと言い切れませんが、一本かKOで決着を付けたいと思います」と、彼らしい言い回しで、好ファイトを約束した。
 決戦の舞台は9/12(日) ZST.6 Zepp Tokyo大会。ZSTルールで再戦予定だ。他にも同大会では、11月大会で行われるZST GP フェザー級(-65kg)8人ワンデートーナメントの出場者選考試合も組まれる。

第4試合 リングスルール アブソリュート級 15分一本勝負
○所 英男(STAND)
×佐東伸哉(P's LAB 東京)
3'23" 三角絞め


 掌底の応酬の後、佐東はカニばさみから膝十字へ。これは所が防御し、スタンドに戻ると、バックを取った所はスープレックスを狙う。だが佐東は前かがみになって所の足を抱え、またも膝十字へ。所も足関を狙い、両者が足を絡めてこう着状態に陥ると、和田レフェリーがブレイクをかける。
 スタンドに戻ると掌底の打ち合いへ。これを制したのは所だった。右の掌底が佐東の頬にクリーンヒットし、佐東は真後ろに吹き飛びダウン。佐東はあと1回のロストポイントで負けとなるピンチに。

 再開後、所はバックハンド掌底。ダメージの残る佐東は苦し紛れのタックルでグラウンドに持ち込もうとする。だが所は佐東を潰して上を制すると、ハーフガードから足を抜いてマウント。腕十字は佐東に側転で逃げられてしまうが、所はすぐにバックに回り込むと、マウントに戻り、そのまま三角絞めへ。これはアマチュア時代からの得意技だ。佐東はブリッジで脱出を試みるが、所が下になると極まりが一層深くなり、佐東はタップ。所は両腕で力コブを作って勝ち誇り、Uの魂を誇示した。

 リングスルールの採用された試合だったが、両者のムーブは普段のMMAやZSTルールやグラップリングの試合と特に変わりがなかった。ZSTルールでもグローブを付けず掌底で戦うこと、レガースを付けることが認められている。だから極端な話、この試合は「2ノックダウン制・15分1Rの変則ZSTルール」で、たまたま二人がUWFのコスチュームで戦っていただけ、とも解釈できてしまう。だがこれは悪い意味ではない。それぐらいに二人の21世紀型のムーブが、違和感なくこの20世紀のリングスルールの中に溶け込んでいたという、いい意味での表現だ。
 試合前、赤いコスチュームでリングインした所は、田村潔司のように佐東をにらみ付けるパフォーマンスを披露した。だが試合は懐メロ大会にはならず、青いマット上には2004年の暑い夏のリズムが鳴り響いていた。

第3試合 ジェネシスルール ライト級 1/2R5分+3R3分
○櫛田雄二郎(高田道場)
×内山貴博(総合格闘技武蔵村山道場)
2R 3'10" 腕ひしぎ十字固め

 1月大会のジェネシスライト級トーナメント決勝戦の再戦。櫛田は恥ずかし固め、側転パスガード、炎のコマ、アームロックから回転しての寝技への引き込みと、桜庭流の技のオンパレード。前回の試合以上に桜庭スタイルに磨きがかかっている。だが内山も負けじとばかりにジャーマンスープレックス。だがいわゆる「投げっぱなし」状態となり、櫛田は後方に一回転し難を逃れる。
 2R、今度は内山が肩固め、スリーパーとチャンスを作る。だが櫛田は脱出すると上を制し腕十字へ。内山も洗濯バサミで応戦するが、そのまま櫛田の腕十字が極まり一本。前回は判定決着だったが、今回は完全決着でフィニッシュとなった。

第2試合 タッグマッチ フェザー級 10分一本勝負
△志田 幹(P's LAB東京)& 村田卓美(A-3)
△出口直樹(ストライプル)& 山澤勇紀(チーム品川)
時間切れ

 組合せはくじ引きで決定。ボールの入った箱の穴が小さく、グローブを外さないと手が入らないというハプニングも。選手のコーナーが決まると、ZSTガールが腕を組んでそのコーナーまで選手をエスコートするという、小技な演出も効いている。
 試合は村田×出口、志田×山澤が2度ずつ繰り返される展開に。村田×出口の攻防は、初回は出口が道衣を使ったスリーパー、2回目は村田がヒールで攻める展開となるが、どちらも自軍コーナーに逃れてタッチするという内容に。志田×山澤では、前田吉朗とも接戦を繰り広げたことのある志田が、素早いタックルで上になり、何度もグラウンドで主導権を握るという展開に。山澤は日体大時代にボクシングで国体3位の成績を残しているが、志田はスタンドでも少林寺拳法4段の経験を活かし、ほぼ互角に打ち合っていた。
 最後は志田が山澤にアキレスを仕掛けたところで時間切れ。急造チーム同士とは思えない息の合った展開となり、観客を飽きさせなかった。

第1試合 スタンディングルール ライト級 1/2R5分+3R3分
○ダリウス・スクリアウディス(リトアニア)
×HIROAKI(峯心会)
1R 2'29" TKO (レフェリーストップ:左ローキックでのダウン後)

 オープンフィンガーグローブ着用のキックボクシング戦。奇しくも3日後のK-1 MAXで採用されるKID×安廣の1・3Rのルールと同じで、先にこのルールの試合を発表したのはZST側だった。
 リトアニアのムエタイ王者・スクリアウディスが左ローを何発も放ち、左ストレート、左ハイも交えて攻勢。最後は左ロー2連発でHIROAKIをマットに沈めた。
 今回はスクリアウディスの対戦相手選びに難航。ZST事務局は直前のオファーを受けたHIROAKIに今後新たなチャンスを与えるとし、また、スクリアウディスのこのルールでの対戦相手も今後も継続して募集する。


<ジェネシスバウト>

第1試合 グラップリングルール ライト級 5分1R
○梅木良則(P's LAB 東京)
×綱川“DOCTOR”慎一郎(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
1'31" ヒールホールド

 開始早々、綱川ドクターは組み付いて足関を狙うと、梅木レフェリーも足関狙い。一旦分かれるが、再度梅木レフェリーがヒールホールドを仕掛けると、綱川ドクターはタップした。
 試合後はパンクラス練習生時代の同期である近藤有己、渋谷修身、伊藤崇文が勝利を祝福した。

◆梅木「あっという間で、感想らしい感想も無いですね。異空間にいたようで、試合をしたのが信じられないです。今後も試合はやってみたいですけど、この緊張感が恐いですね。近藤選手たちはもっと大きな会場で試合をしているんだから凄いですよ。
(今後のレフェリングに参考になる?)そういう意味合いを込めてやろうと思ってたんですけど、結局ならなかったかもしれませんね(笑)。でもP's LABの生徒に教えているんで、彼らの試合に臨む緊張感がわかったんで、その辺は多少、気を遣えるようにはなるかなと。
(スパッツは?)近藤選手の物です。『貸してよ』と言ったら、『ちょっと待ってください』と言われて。それからしばらくして、近藤選手がシャノン・リッチに勝った後、控室に行ったら、スパッツを渡してくれたんですよ。近藤選手はあの試合にしっかり勝ってから、僕に貸そうとしてくれたのかな?と自分で勝手に深く考え過ぎています(笑)」

第5試合 アブソリュート級 5分1R
△本間 聡(フリー)
△折橋 謙(フリー)
時間切れ

 本間が蹴り足をつかんで足関を狙う場面もあったが、ほとんどの時間はスタンドでのパンチとローの応酬。終了間際、本間はバックブローを放つも失敗。結局時間切れとなった。

第8試合 ライトヘビー級 5分1R
×渡辺悠太(G-スクエア)
○鹿糠智樹(パレストラみちのく)
4'53" 腕ひしぎ十字固め

 三角絞めのピンチを脱した鹿糠が、終了間際の腕十字で逆転勝ちをおさめ大喜び。
 
第7試合 フェザー級 5分1R
△藤沢卓也(U-FILE CAMP町田)
△西 哲也(バトラーツジムB-CLUB)
時間切れ

第6試合 フェザー級 5分1R
○宮川博孝(チーム・アライアンス)
×大島信哉(GRABAKAジム)
2'12" ストレートアームバー

第4試合 ウェルター級 5分1R
△高屋祐規(SKアブソリュート)
△伊藤有起(G-スクエア)
時間切れ

第3試合 ライト級 5分1R
×坂本 猛(フリー)
○矢島雄一郎(禅道会世田谷道場)
2'09" 腕ひしぎ十字固め

第2試合 ウェルター級 5分1R
△清水祐輔(RIKI GYM)
△奥出雅之(フリー)
時間切れ

Last Update : 07/05

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