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(レポ&写真) [パンクラス] 5.28 後楽園:前田10連勝。H2Oマン圧勝

パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2004 BRAVE TOUR"
2004年5月28日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:2,300人(超満員)

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

第5試合 フェザー級 5分2R
○前田吉朗(パンクラス稲垣組)
×杉内 勇(team ROKEN)
1R 1'32" KO (右フック)


 序盤、日本拳法ベースの杉内がハイで先制するが、前田はタックルでテイクダウンに成功しサイドポジションを奪うと、珍しく腕十字に。「やっぱ慣れんことやったらダメですね」と本人も苦笑いで振り返ったように、両足のフックが入る前にディフェンスされてしまう。ハーフからパンチを落とした後、スタンドに戻ると、右ストレート。タックルでバランスを崩すと、杉内の蹴りが前田の顔面をかすめる。
 目まぐるしい攻防に場内はヒートアップ。どこまでこの攻防が続くのかとも思われたが、クライマックスは突然訪れる。前田はすぐに立ち上がると、左を振ってからの右フック。杉内も右フックを振っていたが、アゴを捉えていたのは前田の拳の方だった。杉内は前のめりでダウン。前田は追い打ちのサッカーボールキックを放とうとするが、杉内がノックアウトしていることに気付くと蹴るのをやめ、そのまま杉内の上を飛び越える。右フック自体も見事だが、その直後の判断も素早い。一個一個の身のこなしが、剣の達人のように華麗でいてソツが無い。
 コーナーに登って喜びを表現する前田。昇り降りする動作も俊敏で見ていて気持がいい。インタビューブースでは「思ったより殴られた」とケロッとした様子で答え、最後の右フックについて聞いても「勝手に出したら当たった」と素っ気ない。お客さんを楽しませることができたか?と聞くと「もっとボコボコにやられてから、ターミネーターみたいに目がキラッと光って、逆転KO勝ちしたら、もっと楽しませることができたでしょうね。僕は楽しくないですけど」と冗談めかして答えた。これでMMAプロデビュー以来10連勝の前田。その細い目を光らせる対戦相手は、いつになったら現れるのだろう?


メインイベント スーパーヘビー級 5分3R
○ロン・ウォーターマン(アメリカ/チーム・インパクト/2位)
×高森啓吾(パンクラスMEGATON/3位)
1R 1'36" ギブアップ (アームロック)


 序盤、高森の右フックを鼻にもらい少しひるんだウォーターマンだが、低空タックルで組付き、高森の投げ狙いを潰すと、ミルコ戦のようにインサイドガードに。高森が下から蹴ろうとすると、ウォーターマンはサイドに移行し得意のアームロック。1度目は耐えた高森だが、フライパンも丸めてしまうウォーターマンの腕力は半端ではない。もう一度絞り上げられると今度はタップするしかなかった。試合後ウォーターマンはこれまで同様、無差別級王者・ジョシュ・バーネット戦を要求した。

セミファイナル ライトヘビー級 5分3R
○佐々木有生(パンクラスGRABAKA/7位)
×内藤征弥(A-3)
判定3-0 (廣戸30-29/梅木29-28/松宮29-28)


 顔つきの似ている二人だが、ファイトスタイルも似ている。1Rは内藤が下から三角を狙い、佐々木が上からパンチを落とす展開。2Rは全く逆の立場で同じ攻防となる。3Rは佐々木がサイドポジションを取り、ハーフからのアームロックでチャンスに。内藤が力の入れるタイミングを見計らって脱出するが、佐々木はこの攻めで3R目のポイントを奪い、判定勝ちをおさめた。
 なお、今大会からロープ&コーナー際のグラウンドの攻防が、すぐドントムーブで中央に戻されるように改善された。

第6試合 ライトヘビー級 5分2R
○山宮恵一郎(パンクラスGRABAKA/8位)
×瓜田幸造(掣圏会館)
判定3-0 (岡本20-18/廣戸20-18/大薮20-18)


 山宮が得意のタックルでテイクダウンに成功すると、サイドとハーフからパンチを落とし攻勢。2Rも瓜田のパンチを見切り、あっさりタックルで上になりサイドポジション。上四方からチョークを狙ったり、立ち上がり際にはサッカーボールキックを放ったりと、終始優勢をキープし続け完勝した。まだ発展途上だが、一個一個の動きのつながりはGRABAKA仕込みを感じさせる良さが出ていた。

第4試合 ウェルター級 5分3R
○和田拓也(SKアブソリュート/7位)
×門馬秀貴(A-3)
判定2-0 (岡本29-28/廣戸29-29/松宮29-28)


 1R、和田がテイクダウンに成功すると、上からコツコツとパンチを落とす。門馬も下から三角を狙うが和田はしっかり対処する。2Rは門馬が下からの三角、アームロックでチャンスをつかむなど優勢。だが3R、開始早々の和田の右ストレートで門馬が少しひるみ、場外に出るような形となってしまい、レフェリーから注意を受ける。その後門馬が右ローを効かせる場面もあったが、終盤にも和田がテイクダウンに成功し、パンチで優勢。大きな差は無かったが、1・3Rのポイントを取った和田の勝利となった。
 試合後、和田はマイクを持つと、2位の伊藤崇文に「年内に僕と試合をしてください」とアピールした。伊藤は「やるのは構わないけど、僕は前に進みたいので、今やる必要はないです。会社には僕がステップアップをするための試合を組んで欲しい」と和田戦に消極的だった。

第3試合 ミドル級 5分3R
×長谷川秀彦(SKアブソリュート/7位)
○中西裕一(フリー/10位)
判定0-2 (梅木28-30/岡本30-30/松宮28-30)


 1R、長谷川は2度水車落としのように中西を脳天からマットに叩き付けるなど豪快ファイトを展開。だが2R、中西が右ミドルをヒットさせると、長谷川の苦し紛れのタックルを切りバックを奪取。その先の攻め手に欠くが、主導権を握る。3R、長谷川がマウントを奪うが、中西はTKシザースでひっくり返し、上からのパンチで反撃。2、3Rを若干優位に進めた中西が白星をもぎ取った。

第2試合 ウェルター級 5分2R
×飯田崇人(A-3)
○野沢洋之(STAND)
判定0-3 (梅木19-20/岡本19-20/大薮19-20)


 1R、野沢がハーフからパンチを落とす等優位。飯田も2Rに右ストレートを数度クリーンヒットさせるが、あと一歩及ばず。

第1試合 ウェルター級 5分2R
○北岡 悟(パンクラスism/4位)
×平山貴一(和術慧舟會千葉支部)
2R 4'05" ギブアップ (フロントチョーク)


 あえて第1試合を志願した北岡。オアシスのテーマ曲が鳴るとダッシュで入場する。1Rはサイドからのアームロック、バックからのスリーパーで圧倒。2Rもハーフからの肩固めでチャンスをつかみ、最後は立ち上がり際を狙って得意のギロチン。これが見事決まり、パンクラスマットでは02年7月のアライ戦以来の一本勝ちをもぎ取った。

パンクラスゲート ライト級 5分2R
×小野寺正人(A-3)
○小林元和(飛翔塾)
2R 0'08" KO (パンチ)

Last Update : 05/29

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