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(レポ&写真) [パンクラス] 4.23 後楽園:菊田、一本勝ち逃すもホイス戦熱望

パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2004 BRAVE TOUR"
2004年4月23日(金) 東京・後楽園ホール

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]
 

第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○菊田早苗(パンクラスGARABAKA/1位)
×キース・ロッケル(米国/チーム・エリート)
判定2-0 (廣戸30-29/小菅30-30/梅木30-28)


 菊田がじわじわと寝技で攻めマウントを奪取。1R残り10秒で腕十字を狙うも、ロッケルに外され、最大のチャンスを逃す。
 2R、菊田が下になってスイープを狙うも、ロッケルもテクニシャンでそうはさせず、2度の膠着ブレイク。両者梅木レフェリーから注意を受ける。
 3R、今度はすぐテイクダウンで上になった菊田だが、数十秒パスしただけで、ほとんどの時間ロッケルがハーフガードで持ちこたえる状態。
 結局菊田は終始試合を支配したものの、目標にしていた一本を取れずガックリ。マイクを持つと「復帰戦勝てなくてすみません。また頑張ります」としか言えなかった。

 インタビューブースに現れた菊田は、一本を取れなかった反省の弁と、本誌の試合前の単独インタビュー同様、強豪相手の試合に向けてモチベーションを集中させたいという旨の発言を繰り返した。そして「ホイス・グレイシーとやりたい」と明言。TBS「さんまのスーパーからくりTV」の企画でタレント・ボビー・オロゴンさんがGRABAKAで練習し、ホイスと戦い、予想以上の善戦をしたことが、菊田の心を大きく揺るがしていた。

◆菊田「自分の中の改革がしきれてない状態ですね。下になって脇絞めスイープとか何度も狙ってたけど、相手がうまくてブロックされてしまいました。1R目の腕十字も、『ラスト10秒』ってコールが無かったら(焦らず)確実に取れてた気がするんですよ。甘いっすねぇ。ほんと柔術やアブダビの試合みたいになっちゃいましたねぇ。絶対一本を取らないといけないと、今回は背水の陣でふんばったけど、厳しいです。試合前はいつも以上に緊張してしまいました。
(試合前は進退を賭けるつもりのような発言があったが?)まんざら嘘じゃないというか…。ホイスとやりたいですねぇ。ボビーが正直うらやましかったですよ。もしホイスとやれるんだったら、1年、2年でも、モチベーション保って練習してもいいですよ。ほんと、やらしてもらいたいです! 『ボビーの敵討ち』ってことでね。ロッケルもいい選手なんだけど、もうこういう試合は最後にして欲しいなと。ホイス戦と近藤戦だけはやらせてください」

 菊田のこの日一本を取れなかった悔しさ、現状への迷い、年をとっていく事への焦りは相当なもののようで、試合後のインタビューは20分以上の異例の長丁場となった。上の書き起こしはかなり短縮したもので、その雰囲気が伝わりにくくて恐縮だが、同じ話題で自問自答を繰り返す菊田は生真面目さを通り越してどこか不思議なユーモアを感じさせる。切実な話題にも関わらず、菊田本人も記者団も思わず吹き出してしまう場面が度々あったのが印象的だった。

第7試合 ミドル級 5分3R
○竹内 出(SKアブソリュート/2位)
×國奥麒樹真(パンクラスism/5位) 
判定2-0 (廣戸30-30/小菅30-29/梅木30-28)


 竹内は髪を金色に染め、タイツも新調。レースクイーン風の衣装の女性2人にエスコートされ、派手に入場する。
 だが見た目だけでなく、試合内容も派手に変身。序盤いきなり國奥の右ストレートで尻餅をつくも、すぐにヒールホールドで國奥を捕まえ反撃。立ち上がり際からすぐに國奥を持ち上げてマットに叩き付け、観客の喝采を浴びる。
 すると竹内の勢いに押されるように、國奥も発奮する。2R、下になると「こんなので俺は倒せないぞ!」、立ち上がると「来い!」と竹内を言葉で挑発。右フックを数発当て反撃する場面も。
 しかし組技では竹内が数枚上手。2R後半、テイクダウンに成功すると、ラウンド終了間際にはマウントポジションに。3Rもテイクダウンに2度成功し主導権を握る。國奥も竹内のパスガード際にリバーサルを決めたり、立ち上がり際にサッカーボールキックを放ったりと、随所に巧さを見せるが、反撃の糸口はつかめず。
 決定的な攻めは無かったが、優位に試合を運び続けた竹内が判定勝ち。今日のような一皮剥けた戦いぶりを続ければ、目標に掲げたミドル級王座挑戦やPRIDE武士道参戦もそう遠くはないだろう。敗れた國奥も「今日はベストを尽せた」と語っており、お互いを高め合う好勝負だったと言えそうだ。

第6試合 スーパーヘビー級 5分2R
△謙吾(パンクラスism/8位)
△保坂忠広(パンクラスMEGATON)
判定1-1 (廣戸19-20/小菅20-19/梅木20-20)


 修行先のアメリカからビザの都合で4月2日に帰国した謙吾。ラスベガスのノバ・ウニオン、ロスのチーム・パニッシュメントでの修行の成果を見せたいところだったが、和製ガファリ・保坂お得意のコーナープレスに何度もつかまり、離れての打撃戦でも逆にパンチをもらってしまう。2R中盤には右目の上を出血しドクターチェックを受ける。後半には押し込む保坂の顔に数発膝蹴りを叩き込むが、決定打は無し。激しい打撃戦に観客は湧いたが、冷静に見ると両者の課題の多さの方が目立った。

第5試合 ウェルター級 5分3R
△大石幸史(パンクラスism/1位)
△星野勇二(和術慧舟會GODS/6位)
判定0-1 (廣戸30-30/小菅29-30/梅木30-30)


 元同門対決は、打撃戦の後に大石が星野をコーナーに押し込みブレイクがかかる展開の繰り返しに。1Rに星野が右目の下を出血し、3R終了間際には大石の目の周りが腫れ上がる壮絶な試合だったが、やや単調な内容となってしまった。

第4試合 ライトヘビー級 5分3R
○渡辺大介(パンクラスism/5位)
×百瀬善規(禅道会)
1R 4'53" TKO (レフェリーストップ:右ハイ→グラウンドパンチ)


 渡辺が低いガードからのパンチを当てるが、百瀬も次第にパンチで反撃。渡辺は一度後ろにスリップしてしまう場面もあったが、ラウンド終了間際に右ハイをクリーンヒット。倒れた百瀬におおいかぶさりパンチの連打を浴びせ、豪快な勝利をおさめた。

第3試合 ウェルター級 5分2R
○伊藤崇文(パンクラスism/2位)
×小沢 稔(V-CROSS)
判定3-0 (廣戸20-18/小菅20-18/梅木20-18)


 伊藤がストレートを当てる度に、小沢はふらつきながらも組み付いてダウンを逃れる展開が繰り返される。2Rも同様の展開で、伊藤は小沢にほとんどチャンスを与えず完勝。ランカーとしての意地を見せつけた。

第2試合 ウェルター級 5分2R
×関 直喜(フリー)
○アライケンジ(パンクラスism)
判定0-3 (廣戸19-20/小菅18-20/梅木18-20)


 序盤からアライがストレートで関をダウン気味に吹き飛ばすなど打撃で優勢。関は1R終了際、1年前の対決を制したギロチンチョークで反撃するが、ゴングに阻まれる。打撃のダメージのある関は2R、自分の右フックでふらついてしまう場面も。それでもグラウンドに持ち込み粘りを見せるが、アライも動きまくってチャンスを与えず。結局主導権を握る場面の多かったアライがリベンジに成功した。

第1試合 ミドル級 5分2R
○井上克也(RJW/CENTRAL)
×金井一朗(パンクラスism)
判定2-0 (廣戸20-20/小菅20-19/梅木20-19)


 井上がスタンドで金井のバックを取り、金井が桜庭風にアームロックを狙うという展開が繰り返される。だが2R後半、井上がジャーマンで金井を投げ、終盤にパンチと膝蹴りで追い詰め、判定勝ちをもぎ取った。

パンクラスゲート ミドル級 5分2R
○小池秀信(GRABAKAジム)
×西村良太(RBアカデミー)
1R 4'23" 腕ひしぎ十字固め

Last Update : 04/24

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